今日は小麦粉以外の粉の話。
イタリアは、グルテンフリー食品の開発にはとても積極的です。
グルテンフリーというと、日本人にはダイエット用、というイメージが強いと思いますが、イタリアでは、主にグルテン過敏症やセリアック病の人のための食べ物です。
「総合解説」では、以前“グルテン過敏症とセリアック病”の記事を訳しています。
↓
こちら
イタリアではセリアック病の人のために国が給付金を出しているそうです。
それだけこの病気の人が多いということなのでしょう。
でも、遺伝の要因が大きいこの病気、日本人にとっては、まだまだ他人事。
最近目にするアマゾンのCM。
確か、小麦粉の代わりに米粉を使って料理を作る、というものでしたが、今月の「総合解説」で紹介した「小麦粉以外の粉」の記事は、グルテンを全く、または微量しか含まない粉として、オートミール粉、きび粉、そば粉、黒米粉、白米粉、キヌア粉、とうもろこし粉、アマラント粉、コーンスターチを紹介しています。
この詳細さを見ただけでも、イタリアのグルテンフリー対策は本気だ、と感じます。
米の粉も、黒米と白米の粉があるんですね。
色が違うのはもちろんのこと、香りや味、栄養価も違います。
そうそう、ヨーロッパの中でも米の生産が盛んなイタリアにはヴェーネレという品種の黒米があります。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事には、色々な粉のリチェッタが載っていたのですが、スペースの関係から、数点に絞って訳しました。
キビ粉のグリッシーニと米粉とオートミール粉のカントゥッチです。
ちなみに米粉は肌理が細かい粉になるので、パスティチェリーアでよく使われているそうです。
キビ粉はデンプンの含有量が多く、他の粉より塩気があり、強い香りと香ばしさが特徴。
今回は小麦粉とそうでない粉、という分け方ですが、小麦粉の中でも、ファッロやカムートといった古代小麦の粉も小麦粉の代用品としてイタリアでは使われています。
次回はこれらの小麦粉のリチェッタを紹介します。
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“小麦粉以外の粉”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年6月号に載っています。
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2018年11月2日金曜日
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