今日はオリーブ入りのパスタのリチェッタを。
地方料理のリチェッタの中から探すとしたら、ガエータのあるラツィオ、タッジャスカの産地のリグーリア、ギリシャの植民地がたくさんできたシチリアあたりが面白そうです。
“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズのローマとラツィオ料理の本、『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ』
をパラパラめくってみると、黒オリーブがゴロゴロはいっているスパゲッティが目に止まりました。
“プッタネスカ”です。
オリーブ入りパスタといえば、これですよね。
「このパスタは作り方が簡単なので、使う素材の質の良さがとても重要になる。
風変わりな料理名も込みでイタリア中に知られているので、各地にバリエーションがある。
ローマでは、アンチョビを使うのが特徴。
ローマでは必ず入るが、他の地方では加えないことが多い」
とあります。
イタリア料理は口伝のリチェッタが多い料理です。
フランス料理のように天才が書き残したレシピが広まるということが滅多にありません。
母から娘へと口頭で伝えてきました。
こういう料理はバリエーションが多いのが特徴。
母親の数だけリチェッタがあります。
それなのに、時にはこういう地域限定のリチェッタも生まれるんですね。
イタリア料理界の大家、パオロ・ペトローニの『スパゲッティ・アモーレ・ミオ』
には、オリーブはガエータの黒オリーブとあります。
ということはローマ風か?
アンチョビは・・・入りますねー。
皆さんが作っているプッタネスカはどうですか?
ペトローニ氏のリチェッタでは、最初ににんにくをオイルでソッフリットにして、そのオイルでアンチョビを溶きます。
そこにトマト、ケッパー、オリーブを加えて煮てソースにします。
プッタネスカの発祥地は、一説によるとカンパーニアのイスキア。
イスキア風プッタネスカ(クレアティーヴァ・バージョン)
↓
アンチョビどころか生のイワシやイワシの骨まで入ってます。
まったく、イタリア料理にはこれが正解というリチェッタは皆無ですねー。
発祥地がここ、という説も、まず疑ってかからないと。
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“生食・料理用オリーブ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年6月号に載っています。
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