今日は白いんげんのフィァスコ煮の話。
どうもこの料理には強く惹かれる何かがあるようで、以前(7年前)にもブログで取り上げています。
こちら。
地元のオステリーアのリチェッタ
↓
伝統的なキアンティのこもかぶりのボトルに材料を詰めて、暖炉のおき火を最後の最後まで利用してじっくりことこと煮る料理ですが、ポイントの、白いんげん(カンネッリーニが伝統的)、フィアスコ型ワインボトル、暖炉が地元以外ではなじみが薄くて再現困難なイメージがありました。
今回、7年ぶりでアル・フィァスコの記事を訳した直後、こもかぶりのキアンティが近所のスーパーで普通に手に入ることを発見。
まだ全然現役なんですねー。
カンネッリーニもネットで手に入るし、あとは暖炉ですが、今回訳したリチェッタなら湯煎でもOKだし、上の動画ではオーブンで蒸し煮にしているし。
巨大なフィオレンティーナに自家製白いんげんのフィァスコ煮を添えてキアンティを飲んだ幸せな体験を再現できる日も、近いかも・・・・。
ところで、この記事によると、エスコフィエは、「イタリア人はコロンブスによってアメリカを発見し、それによって白いんげんを見つけた」と、新大陸発見の最大の功績は白いんげんの発見にあるかのように評価しているそうです。
一説によるとこの豆は西インド諸島からフィレンツェに伝わり、フィレンツェ料理の研究家で権威のピエロ・ヴァレリーアノ氏がいたく気に入り、この豆のリチェッタを研究して普及活動に努めた結果、
トスカーナに広まり、それがやがてカテリーナ・デ・メディチによってフランスに伝わり、かの地のカスレを一段と美味しくしたのだそうです。
ヴァレリアーノさんの研究は、みごとに異国の地にまで花を咲かせたんですねー。
料理研究家冥利に尽きる。
アヒルのコンフィに白いんげんのカスレ
↓
白いんげんは、庶民の食材とはみなされていましたが、身分の上下を問わず、フィレンツェ人もフランス人も、虜になったようです。
なんとなくその気持ち分るなあ。
セージとローズマリーのフィレンツェ風。
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"ファジョーリ・アル・フィァスコ"のリチェッタと記事の日本語訳は「総合解説」2012年9月号に載っています。
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