さて、リゾット・アッラ・チェルトジーナですが、写真や動画を探したのですが、なかなか見つかりません。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事にもある通り、“調理は複雑で細かい作業、昇華されたリゾット作りの技が必要、時間もかかかる”ので、地元のシェフでも作るのをためらう、というだけあります。
取りあえず、その料理が生まれた美しい修道院、チェルトーザ・ディ・パヴィアは、こんなところ。
私が思うに、この料理の醍醐味は、稲作地帯にふさわしい、地産地消そのものの材料です。
記事によると、
「畑の野菜と豆、沢のザリガニ、家の裏の穴のカエル、周囲の水田の貴重な米」
これは、昭和の日本なら、どこにでもあったような風景が目に浮かびますねー。
というか、ほんのちょっと前のご近所の風景のような・・・。
これらの文字通り泥臭い食材から、修道士たちは、洗練された料理を作り出したわけです。
多分TOKIOだったら喜んで食材調達して作ってくれそうな料理ですね。
でも、いまいちイメージがわきませんねえ。
本を探してみたら、カルロ・クラッコシェフの『地方料理』のロンバルディアの章に、この料理がありました。
ほんとにこの人は、あらゆる料理に精通しています。
本には、こう書かれていました。
「“リゾット・アッラ・チェルトジーナ”のことを初めて聞いたのは、通っていたホテル学校でだった。
プランゾのメニューに毎週1回登場したのだ。
それは、グリーンピース、トマト、たっぷりのパルミジャーノのリゾットにワインをかけた料理だった。
しかし実際の料理は、修道院で修道士たちが作り出した“マーグロ”の米料理だった。
修道院では肉を食べることは日曜日にしか許されていなかった。
この料理の特徴は、グリーンピースとトマトのベースから始まって様々あり、材料のバリエーションも豊富だ。
例えば、淡水魚を加えたり(昔はこのリチェッタが多かった)、生のきのこ、ザリガニ、カエルを加えたりもした」
ここでリチェッタと、ぷりぷりのザリガニとカエルがのった美味しそうなリゾットの写真があり、最後にこう続きます。
「カエルは目にすることが減ってきた食材だが、北イタリアで昔はたくさん捕れたので、庶民的なトラットリーアでは、よく登場した。
フランスではアルタ・クチーナの食材と考えられている。
今でも北タリアではカエルの収穫祭などが行われているが、生の物は手に入りにくく、冷凍が主流だ。しかし、冷凍でも美味しい。
カエルは脂肪分が少なくて小骨がないので、昔はフリットにすることが多かった。
私個人的には、この種の料理は衣が厚すぎてカエルのデリケートな味を消していることが多いので、あまり好きではない。
カエルは、バター少々と塩一つまみでさっと焼いたのが好きだ。
カエルからは美味しいスープも取れる。
このスープはカエルのスープや煮込み、あるいはリゾットにも使える」
そしてこの後、カエルのスープの取り方の説明が細かく書いてあります。
カエルのリゾット。
↓
カエルだけでも十分美味しそうですが、これにザリガニの赤とグリーンピースの緑が加わると、もっと美味しそう。
「総合解説」には、川魚の切り身も加えるバージョンのリチェッタを載せています。
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“リゾット・アッラ・チェルトジーナ”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年3月号に載っています。
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