『ヴィエ・デル・グスト』に、「ザバイオーネ」に関する小さな記事がありました(2007年3月号)。
ザバイオーネと言えば、卵と砂糖とリキュールを湯煎にかけながらホイップしたクレーマですが、今日取り上げるのは、「湯煎」です。
Fabrizio Comolli
湯煎は、イタリア語ではbagnomaia(バニョマリーア)。
今までこの言葉の語源を気にしたこともなかったのですが、考えてみれば変わった言葉ですよね。
バーニョとマリア。
マリアがお風呂に入る?
ハハ、なにやらお色気系。
記事ではいくつかの説を紹介していましたが、現実的には、マリアがお風呂に入るより、マリア・なんとかという錬金術師が考え出した加熱方法、という説が一番説得力がありそう。
イタリアのWikipediaによると、語源について、これだという有力な説はないけれど、
モーゼの姉のミリアムという錬金術師が考え出した、
マリア・ラ・ジュデアという中世の錬金術師が考え出した(実在した記録はない)、
などの説がある、と紹介されています。
マリア・ラ・ジュデアは混ぜ合わせたさまざまな物質をゆっくり加熱するために「湯煎」を考え出し、この方法で金を作りだしたと言われているそうです。
錬金術師気分でザバイオーネを作るのも楽しそうですね。
ちなみに、「湯煎」はフランス語ではbain marie、スペイン語ではbanõmariaで、やはりマリアのお風呂。
でも英語では、そっけなくdouble boiledなので、どうやらラテン語系の言葉のよう。
日本語の「湯煎」という言葉は、いったいどうしてついたんでしょうね。
「湯」で「煎じる」、ということは、薬でも作る時に使った加熱方法なのかなあ、と勝手に想像。
では次は、ザバイオーネの話でも。
-------------------------------------------------------
関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2007年3月号(2008年4月現在クレアパッソで販売中)
「ザバイオーネ」の記事は「総合解説」に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
==============================================
2008年4月2日水曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
地中海の豚の塩漬けと、北欧のスモークの技術が結びついた豚肉の保存食、スペック。塩だけでなく、山の空気がポイント。
アルト・アディジェの料理の話の前に、今日は、アルト・アディジェの最も重要で、アルト・アディジェを象徴する産物、スペックの話です。 スペック。 スペック・デッロ・アルト・アディジェigp。1996年にigp製品になっています。 スペックは地中海沿岸の生ハムと、北欧のスモークの技術が...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
軽い気持ちで手にとった本、『 スーゴとソース 』 ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。 スーゴって何?ソースって何? “スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。 スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、 スーゴ・ディ・ポ...
0 件のコメント:
コメントを投稿