2020年3月7日土曜日

パスタ・カゼレッチェ

今月の「総合解説
から、『クチーナ・イタリアーナ』の料理を翻訳しています。
プリーモの1品は、カゼレッチェでした。
これはまた、記憶にないぐらい珍しいショートパスタを出してきたなー。
そもそも、カゼレッチェは、南イタリアに多い、硬質小麦粉の手打ちパスタの一種で。
代表的なのはオレッキエッテやカヴァテッリ。

軟質小麦粉と水の生地は薄く伸ばして板状や細い麺状にすることが容易でした。
でも、硬質小麦粉の生地は、薄く伸ばすことができません。
そこで、ソースを麺に絡めやすい形にするために、指で形を作るパスタが考え出されました。
一番シンプルな方法は、指でくぼみを作るオレッキエッテ。
次にナイフで刻んだり、葦のような細い棒に巻きつけるテクニックが考え出されました。
この棒は、アラビア語で“bus”と言ったので、ここからブジアーテbusiateのようなパスタが生まれました。
南イタリアのフジッリや穴あきロングパスタのルーツです。
指で潰したショートパスタはだいたいともだち。

硬質小麦粉のパスタ

それにしてもカゼレッチェの料理なんて、多分初めて訳します。
どうやって成形するのでしょうか。
カゼレッチェ

プーリアのストラッシナーティによく似ていますが、これはマカロニですね。
さて、『クチーナ・イタリアーナ』が考えたパスタは、パスタの形状に似た具材であえる、という方法。
そしてカゼレッチョによく似ているものとして考え出したのが、カニとアスパラガスとさやつきグリーンピースです。崩れていないカニの身がごろんごろん入っているゴージャスなパスタになりました。
それにしても、カゼレッチェなんてちょっと前は田舎パンのことだったのに、気がついたらネット上にもかなりの数が・・・。
パスタメーカーの販促活動が急に盛んになったようです。
何があったのでしょうか。



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総合解説
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セナトーレ・カぺッリはすべての硬質小麦の父と呼ばれる小麦。たんぱく質の含有量が高く、貧者の肉、と言われるほどでした。

イタリア料理を象徴する食材、小麦の話を続けます。 硬質小麦と軟質小麦の区別は、1900年代初めに導入されました。 最も一般的なパンに使われる00タイプの小麦粉が軟質小麦粉で、硬質小麦からは若干大粒のセーモラsemolaを作りました。 軟質小麦と硬質小麦 セーモラは乾燥パスタの原料...