2019年5月6日月曜日

段々畑から生まれる甘口オリーブ、タッジャスカ

今月の「総合解説」は3/4月号です。
春の号になると、リチェッタが途端に多くなって、楽しいですねー。

今日は、イタリア料理初心者の人でも、超簡単に料理に地中海の風味を加えることができる料理、オリーブのパテの話です。

あまりの簡単さに、私も作ってみようという気になりましたよ。
詳細は「総合解説」P.8を読んでください。
ただ、材料がオリーブとオリーブオイルの2つだけということは、当然、出来上がりは材料の味に左右される訳です。
お勧めのオリーブは、リグーリアのタッジャスカ。
黒と緑が半々ぐらいの小粒のオリーブで、主にオイル用です。
フルーティーな香りで、甘口でマイルドなオイル。
魚料理やサラダによく合います。
リグーリアのオイルといえば、この甘口でマイルドなタッジャスカのオイルと言えます。
栽培の中心はリグーリアの西の端、インペリア。


海と山にはさまれたリグーリアには平地がわずかしかなく、狭い段々畑でオリーブを栽培するのは、かなりの重労働。
生産量も限られていて、必然的に値段も高め。
そのせいか、リグーリアの農産物は、一手間かけた品質にこだわっているものが多いような気がします。
作り手の情熱も熱くて、リグーリアの製品はなぜマイナーなのに値段が高いのかを、外国人に一生懸命説明してくれます。
タッジャスカの場合は、甘口でフルーティーなオリーブの中では世界一だ、というのが自慢。
オリーブに興味がある人は、リグーリアのインペリアで、ぜひ、タッジャスカオリーブの畑を見てください。
リグーリアの農産物は生産量が少ないために地元の外にあまり出回っていないものが多く、リグーリアに行ったらこのオリーブの味見もおすすめです。

リグーリアの段々畑
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リグーリアのオリーブ栽培は、この地を支配したローマ人が伝えました。
実は、オリーブの栽培は、ぶどうや他の野菜ほどは広まらなかったのです。
栽培を細々ながら支えたのは修道院ですが、14世紀から19世紀にかけて、段々畑を作る技術が広まって、ようやくオリーブの栽培は爆発的に広まります。

このリグーリアの段々畑で栽培されたタッジャスカオリーブと地元の他のオリーブからとるオイルが、DOPのオリーブオイル・リヴィエラ・リグレです。

タッジャスカオリーブ
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リグーリアの美味しいもの。
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タッジャスカ・オリーブは生食でも美味しく、一番簡単なアペリティーヴォは瓶詰めの塩水漬けですかね。
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2番めに簡単なのが、オリーブのパテ。
下の動画はにんにく入りの南イタリア風。
詳しくは「総合解説」を御覧ください。


ペースト・ジェノヴェーゼはリグーリアの香りで、タッジャスカオリーブのパテは地中海の香り。
オリーブのパテににんにくや唐辛子を加えると南イタリア風、アンチョビとケッパーを加えるとフランスのタプナード風。

リチェッタの1品目は、子羊のコストレッタ。
塩、こしょうした肉にオリーブのパテを塗ってオーブンで焼きます。
これ、絶対に美味しいやつ。




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“オリーブのパテ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2017年3/4月号P.8~に載っています。
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