2019年2月25日月曜日

ファッロことエンマー小麦

本で見かけると、いつも猛烈に気になる食材があります。
ファッロfarroです。

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これはハワイで栽培されたファッロ。

昔はスペルト小麦と訳していたのですが、ファッロには大中小の3種類あります。
そしてスペルト小麦はファッロ(大)のことです。
ところがイタリアで普通ファッロというとファッロ(中)のことです。
Triticum dicoccum(エンマー小麦)です。
やっぱりイタリアのファッロはスペルト小麦じゃないですよね。
この事実を知って以来、ファッロのことはスペルト小麦と呼ばずにファッロと呼ぶことにしました。

詳しくは、以前のブログ(こちら)を御覧ください。

イタリア各地の名産品の解説本、『1001スペチャリタ』によると、

ファッロ(中)は現在の軟質小麦粉の先祖。
人間が利用した最初の穀物の一つで、エトルリア人やローマ人の基本の食料でした。
石が多い痩せた土地でも育ち、厳しい冬の寒さや夏の日照りにも強く、栽培には農薬や殺虫剤を必要としない穀物です。
ちなみにfarinaの語源はfarroです。
ファッロ、あなどれない。

いくつかの種類がありますが、ウンブリアのモンテレオーネ・ディ・スポレートで栽培されている品種は、もっとも上質なファッロとみなされています。
ヨーロッパで唯一のDOP製品。
エトルリア人が文化を築いたウンブリアで、ファッロは大切に受け継がれてきたんですね。
しかも、モンテレオーネ・ディ・スポレートのファッロは、イタリアならではの親から子へと技術を厳格に受け継ぐ伝統が守られてきたために、皮が固くて向きにくいという欠点があるにもかかわらず手作業が守られ、古代の品質が守られました。



ファッロは痩せた土地でも、厳しい気候でも育ったので、飢饉の時に大勢の命を救いました。
そのため、ファッロをモンテレオーネ・ディ・スポレートに伝えた聖人、サン・ニコラは、街の守護聖人となり、21世紀の現在でも、サン・ニコラのファッロの祭りで、その奇跡が語り継がれています。

2017年12月5日のサン・ニコラのファッロの日
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最近ではファッロの粉を使ったパスタも普及してきました。
ファッロの粉には食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれているそうです。


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