今日は2013年にガンベロ・ロッソがピッツェリアのガイド本『ピッツェリエ・ディ・イタリア』を初めて発売したことを受けての『ガンベロ・ロッソ』誌の特集記事から。
ピッツァのガイドブックを出した裏には、どんな思いがあったのかが分かる記事でした。
詳細は「総合解説」をご覧いただくとして、ざっとまとめると、こんな内容です。
「ピッツァはとても人気がある食べ物で、イタリア料理を象徴する食べ物でもある。
古くて庶民的な食べ物で、失業者が増えた不況の時代でも売り上げを伸ばしてきた。
最近の料理人は、マスメディアによってロックスターやアーティストのようなシェフ像に作り上げられている。
いわゆるセレブリティーシェフだ。
最近の調査によると、イタリアではピッツァイオーロは6000人不足しているが、イタリアの若者はかまどの前で働きたがらない。
代わりに働いているのは優秀で熱心なエジプト人だ。
現在、イタリアの飲食業界においてピッツァイオーロには何の権威づけも存在しない。
ホテル学校でも、ピッツァイオーロのための授業はない。
ピッツァはイタリアのシンボルのような料理だというのに。
最近になって、ナポリ・ピッツァイオーリ協会は政府にこの分野の功労者の名簿作りに取り組むように働きかけている。
ピッツァは職人の世界で、歴史と経験によって作られてきた。
ナポリのピッツァという一大派閥は誰もが認めるピッツァの母だ。
そしてもう一つ、優れた職人たちが生み出すピッツァがある。
彼らは小麦粉を選別し、気候と生地の関係を研究し、最適なフィオル・ディ・ラッテを選ぶ目を持ち、基本には忠実でありながら、ピッツァをアルタ・クチーナにまで高めることができる。
トッピングをアルタ・クチーナに高めたのは最近のピッツァの革命だった。
そのパイオニアは、フランコ・ペペとガブリエレ・ボンチという二人の巨匠だ。
前者はナポリ・ピッツァ、後者は切り売りピッツァと、その活躍する舞台は違ったが、小麦畑からテーブルにという姿勢と目覚ましい成果は2つの世界を結びつけた。
ガブリエレ・ボンチ氏はこのブログでも何度か紹介しているので、今回はフランコ・ぺぺさんに注目。
一日中粉や酵母のことを研究して、カゼルタ大学の農学部と共同で地元品種の小麦を再生して、すべて地元産の食材でピッツァを作ったという、いわゆるピッツァオタク。
フランコ・ペペのマルゲリータ
↓
長い伝統と偉大な先人たちがいる業界で、革新的なことをするというのは、すごいことですね。
カゼルタのカイアッツォにある彼の店、ペペ・イン・グラニは大変なことに。
世界でナンバーワンのピッツァに選ばれることも。
優秀な職人のピッツァイオーロはまだまだいます。
この話、次回に続きます。
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“ピッツァ”と“ピッツァィオーロ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。
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