今日は今月の「総合解説」で、“野菜畑でリグーリア風プランゾ”というメニューを紹介しているリグーリアの農家の春の伝統料理の話です。
それにしても、北イタリアの大都市在住の人たちって、リグーリアが大好きですね。
冬が終わって、ぼちぼちあったかくなるかなあ、そろそろ春だなあ、って季節になると、一斉にリグーリアに興味が湧き始めて、料理雑誌がリグーリア特集で埋まります。
ミラノなど、北イタリアの人にとって、一番身近なリゾート地が、リヴィエラことリグーリアなんでしょうねえ。
関東人にとっての伊豆や熱海ってところでしょうか。
カモッリの港
↓
熱海
↓
イタリア料理の世界でリグーリアがこれだけ注目を浴びるのは、早春から春の間。
夏になると、とたんにビーチリゾートに関心は移ります。
では、リグーリアの春を満喫できるリグーリアの農家で作りそうなごはんとは、どんなメニューでしょうか。
正直言って、始めて聞くような知らない料理ばかりでした。
まずは、ピッツァ・ジェノヴェーゼこと“マケトゥーザ”。
ズッキーニ、玉ねぎ、チェリートマト、タッジャスカオリーブと、カラフルな野菜をトッピングしたピッツァ。
マケトゥとはアンチョビのこと。
生地にアンチョビペーストを塗ってから野菜をのせれば、あっと言う間にマケトゥーザ。
パスタ・シャンカは、アスパラガス、セロリ、ポロねぎ、にんじんなどの野菜とにんにくのクリームの野菜のパスタ。
シャンカとは不揃いに切ったという意味。
ラザーニャ用のパスタを不揃いに切ってゆでれば完成。
リグーリアの春を象徴するような一品、フィオーリ・ディ・ズッカのリピエーナは、ゆでて潰したじゃがいも、カプリーノ、粗みじん切りのズッキーニ、卵、パルミジャーノの詰め物。
オーブンで焼きます。
これに添えるのはヴォルトリのフォカッチャ。
一般的にフォカッチャと言うとイメージするジェノヴァ風フォッチャとの違いは、生地を薄~く伸ばすということ、打ち粉がとうもろこしの粉ということ。
生地の材料は00タイプの小麦粉、水、塩、生イースト、オリーブオイル。
外はカリッとしていて中はしっとり。
このフォカッチャ、ジェノヴァの西の端にある町、ヴォルトリの、プリアノというパスティッチェリーアが考え出して、リヴィエラ中に広まったフォカッチャです。
なので別名、プリアノのフォカッチャ。
店のwebページはこちら。
ジェノヴァの人も買いに来る大人気のフォカッチャです。
プリアノは1964年開業。
フォカッチャを考え出したのは、現経営者の父親。
家庭の味を商品にしたそうです。
食べてみたい・・・。
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“野菜畑でリグーリア風プランゾ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」13/14年6月号に載っています。
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