イタリアの牛の話。
まず、イタリアでもっとも古い土着品種と言われている牛で、昔は労働用に飼育されていましたが、今では世界中にその背肉の美味しさが知られている牛、キアニーナ。
大型の牛で雄は1700kg、雌は1100kgにもなります。
毛皮は雄も雌も乳白色。
子牛のころは淡黄褐色。
古い牛という根拠になっているのが、古代ローマの詩人、ウェルギリウス(シーザーとほぼ同時代の人)がその素晴らしさを書き記している、ということ。
なので2000年前から優秀な牛として知られている、というわけです。
ちなみに、ウェルギリウスは、イタリアの食文化を語る時、度々登場する重要人物です。
肉の営養価はタンパク質が豊富でコレステロール値が低い、つまり脂肪分が少ない赤身肉で、その風味の良さが特徴。
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。
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イタリアを代表する牛をもう1つ。
イタリアで一番普及している品種、ピエモンテーゼです。
遥か昔、更新世にインドから伝わって、ラスコー洞窟にも描かれているオーロックス系牛が祖先。
アルプスなど自然の壁にさえぎられて、ピエモンテ北部に普及していたところ、3万年ほど前にパキスタンからやってきたコブウシとの交配が進み、現在のピエモンテ牛の特徴を備えた品種が誕生したそうです。
中型で白い毛皮。
ミルクは量が少なく、赤身で柔らかい肉が高評価。
15~18か月齢のヴィテッローネが中心。
ピエモンテーゼの代表的料理はピエモンテ風ボッリート・ミスト。
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“イタリア産牛”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年12月号に載っています。
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