肉屋さんの話、続けます。
というか、今回は豚の話。
まず、紹介する肉屋さんはシチリアのアゴスティーノ・ニノーネAgostino Ninoneさん。
webページ
ベスト・イン・シシリーというweb雑誌で、2013年のシチリアのベスト肉屋さんにも選出されています。
「総合解説」の記事で彼は、シチリア産の食材を使った肉料理を紹介、ということで、ネブロディの黒豚にブロンテのピスタチオやネブロディのプローヴォラ、黒豚の生ハム を詰めたのローストのリチェッタを紹介しています。
ネブロディの黒豚は、シチリアの土着品種。
ネブロディとは、エトナ山のある山脈地帯です。
ネブロディの黒豚
↓
ネブロディ豚は野生の状態で飼育されていて、まるで猪のようなのが特徴。
山野を駆け回り、食料が乏しくても過酷な気候や病気にも耐える丈夫な品種です。
ところが、森の減少と、生産性の高い品種の普及が進んで、飼育数は減少の一途。
その後再評価されて国も後押しし、現在では約2000頭が飼育されているそうでが、一種の絶滅危惧種です。
肥育農家はどこも小規模で、その肉は、残念ながら滅多に市場に出回りません。
ネブロディの黒豚の加工品。
↓
素晴らしい自然が残されたネブロディ州立公園。
↓
今回、ニノーネ氏は、ネブロディ豚のロースを使ったローストを紹介しています。
ネブロディ豚の肉はさしがあって風味がよく、一般的な豚と違ってロースはぶ厚い脂身に覆われています。
貴重なネブロディ豚ですが、ニノーネさんの店のwebページには、飼育方法から捌き方にいたるまで、詳細に説明されています。
販売は管理組合がしっかり管理しているようです。
管理組合のwebページはこちら。
-------------------------------------------------------
“ロースト”のリチェッタは「総合解説」2012年12月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2015年7月13日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ローマ帝国の中でも上質のワインと評価されていたタウラージはアリアニコのワイン。その評価の普及にはフィロキセラも一役買ってます。
今日のお題はタウラージ。 タンニンが強いのが特徴のカンパーニアのイルピーナ地方の上質ワイン。 アリアニコというぶどうから造られるローマ帝国の中でも上質のワイン。 北と南は比べられることも多くて何かとライバル関係。 南の代表、ナポリのワイン、タウラージは、北のワインバローロにたとえ...

-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日は、イタリア料理業界の最先端とは無縁の地方の村を紹介します。 ずばり、バジリカータのポッリーノ国立公園です。 イタリア人でさえ、よく知らないというバジリカータの、国立公園の、標高1000m以上の山の中にあるド田舎、もとい、大自然に囲まれた古くて素晴らしい集落です。 ...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
0 件のコメント:
コメントを投稿