そういえば、ゴルゴンゾーラの誕生のエピソードは、以前に何度か取り上げたことがあります。
でも、ゴルゴンゾーラ市の話は初めてだと思うから、まっ、いいか。
しかも、どれも、微妙に違うし。
それでは、ゴルゴンゾーラ誕生の地、ゴルゴンゾーラ市のwebページから、その誕生のいきさつとして伝わる伝説を記した部分を訳してみます。
原文はこちら。
前回説明した通り、この伝説の主役の若者はストラッキーノを作るのが仕事でした。
つまり、牛を放牧してそのミルクを朝と晩の一日2回搾り、できた2種類のカードを混ぜて合わせて熟成させます。
その時、うまく混ざりあわないと2種類のカードの間に隙間ができて空気が入り、カビが発生します。
さて、この若者は、一人の美少女に熱烈に恋をしていました。
ところが、美人にはありがちですが(と書いてあります)、彼女は、男には全然興味がないかのようにふるまっていました。
若者は、どうしたらそんな彼女の気を引くことができるか、いつも考えていました。
そしてある晩、うっかりして、搾乳したミルクのクリームを分離させることを忘れてしまいます。
2種類のカードを混ぜた後、固まらないので彼は脂肪とホエーを取り出すために小枝でつついて穴をあけてみました。
後で親方がそのチーズに気が付いて匂いを嗅いでみると、すごい悪臭がします。
そこで親方は、こんなチーズは売れないので金は払えない、と若者に宣言します。
お金がなくて食べるものもない若者は、仕方なく、その悪臭のするチーズを食べることにしました。
チーズを切ってみるとナイフの刃先にカビがつきました。
でも、我慢してパンにのせて食べてみると、驚いたことにそれほど不味くはなく、しかも食べているうちにとても美味しく思えてきたのです。
このチーズの美味しさはすぐに広まりました。
若者はめでたく美少女と結婚し、親方から結婚祝いにこのチーズをたっぷりもらいましたとさ。
どう考えても後で考えた話ですねー。
でも、恋する若者がうっかりどじってすごいのができちゃった系の話は、イタリアの人たちは大好きなようです。
現代のゴルゴンゾーラ造り。
↓
さて、今回の「総合解説」の最初の地方料理は、“フォンドゥータ”でした。
これはヴァッレ・ダオスタの名物チーズ、フォンティーナが主役の料理。
これは典型的な山のチーズ。
チーズについている山のマークはマッターホルンを描いたもの。
このチーズには、ゴルゴンゾーラのような面白い逸話はなさそうですが、15世紀末に描かれたお城(Castello di Issogne )のフレスコ画に、書き込まれているそうです。
この絵のテーブルの右側に載っているのがフォンティーナ。
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“ゴルゴンゾーラ”と“フォンドゥータ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年11月号に載っています。
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