今日はクレープの話。
「総合解説」2012年5月号の最初の記事は、“スクリッペッレのティンバロ”というアブルッツォ料理です。
この料理は、アブルッツォのテーラモ地方で生まれて今はアブルツォ一帯に広まり、クリスマスや新年の定番料理となっています。
スクリッペッレとは、テーラモ地方の方言でクレープという意味。
卵、水、小麦粉を混ぜたシンプルな生地を平たいフライパンに薄く広げて焼くその料理は、確かにクレープ。
スクリッペッレ
↓
フランスのクレープをアブルッツォ人がコピーして作ったという説があるのは、なんとなく納得ですが、なぜかアブルッツォ人がフランス人に作り方を教えた、という、超強気なアブルッツォ本家説まであります。
アブルッツォはナポレオンの支配下におかれた時代もあったため、長い間、フランス軍が駐留していたんですねー。
当時の料理の誕生秘話として紹介されているのが、スクリッペッレ・ンブッセscrippelle 'mbusseという料理。
これはクレープのスープで、ティンバロに匹敵するアブルツッォの代表的な一品です。
この料理の誕生秘話は、典型的なイタリア料理の誕生物語。
つまり、見習い料理人がドジをして偶然できちゃった、というもの。
あれ、つい最近こんな話があったような・・・。
そうです、トルタ・カプレーゼも、見習い料理人が、チョコレートケーキにたまたま小麦粉を入れ忘れてできたんでした。
今回のスクリツペッレ・ンブッセは、見習い料理人が(なぜかこの種の話では、必ずドジをした張本人の氏名がやけに詳しく伝わっています。今回も例外ではありません。エンリコ・カストラーニくんです!)
彼が、フランス軍将校のクレープを運んでいる時、よりによって、ブロードの鍋にクレープを落としてしまいました。
ところが、素晴らしい発想力で、びしょびしょのクレープを皿に並べて、ブロードをかけてスープにしてしまったのです。
ドジは見事に隠蔽されました。
しかも美味しい料理だったというわけです。
ンブッセとティンバロ。
↓
クレープのスープといっても、タリアテッレのように切るのではなく、くるくる巻いてどーんと皿に入れるんですね。
これはクレープの新しい食べ方かも。
ティンバロは、型に入れて固めるのでなく、ラザーニャのように重ねます。
ラザーニャより軽そう。
中に散らすチーズがアブルッツォ産ペコリーノで、バターではなくラルドや生ハムの脂身をフライパンに塗れば、クレープも立派にイタリアのクチーナ・レジョナーレですね。
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“スクリッペッレのティンバロ”のリチェッタと記事の日本語訳は「総合解説」2012年5月号に載っています。
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2014年8月25日月曜日
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