2008年4月10日木曜日

カルチョーフィのローマ風とユダヤ風

カルチョーフィ(アーティチョーク)はイタリア料理には欠かせない野菜ですが、日本ではなじみがないだけに、イタリアに行ったら食べておきたい食材。
特に、ローマには有名なカルチョーフィ料理がありますよね。
カルチョーフィ・アッラ・ジュディーアcarciofi alla giudia(ユダヤ風)と、カルチョーフィ・アッラ・ロマーナcarciofi alla romana(ローマ風)。

ローマ料理にはカルチョーフォ・ロマネスコという棘のない品種を使います。

Rome - Ghetto - artichokes
ローマのゲットー(ユダヤ人街)の市場のカルチョーフィ、photo by Marion Cerrato

カルチョーフォ・ロマネスコはIGP製品で、管理組合もあります。
ilcarcioforomanesco.it


“ユダヤ風”はカルチョーフィを花のように広げて揚げたフリット。

Deep Fried Artichoke
ユダヤ風、photo by Stewart Butterfield


カルチョーフォ・ロマネスコ管理組合のサイトのリチェッタ
・カルチョーフィの葉を広げ、中にたっぷり塩、こしょうをする。
・たっぷりの油(カルチョーフィを覆う程度)に軸を上にして入れ、さっと揚げる。
・裏返して反対側も揚げ、再び裏返して元に戻す。
・カルチョーフィを軽く鍋底に押しつける。
・水を散らしてカリッとさせ、さらに軽く揚げて取り出す。



“ローマ風”は葉の間に詰め物をしたオイル煮。

carciofi alla romana
ローマ風、photo by Silvio


カルチョーフォ・ロマネスコ管理組合のサイトのリチェッタ
・プレッツェーモロ、ミント、にんにくをみじん切りにして塩、こしょうを加える。
・カルチョーフィの葉をやや広げ、葉の間にみじん切りにした材料を詰める。
・葉を閉じ、下向きにして鍋に隙間ができないように入れる。
・塩をし、油1/3と水2/3で覆って蓋をする。
・200℃のオーブンで1時間焼く。水分はほぼなくなる。または弱めの火にかけて25分煮る。



こちらはローマ風のバリエーション。
ペコリーノとパルミジャーノをたっぷり詰めています。





ユダヤ風カルチョーフィと言えば、エットレ・スコーラ監督のイタリア映画、『星降る夜のリストランテ』(1998)にこの料理が登場します。
ローマのリストランテが舞台のこの映画、個性的なカメリエーレや客たちがローマ料理についてうんちくを語るシーンも豊富。
映画のストーリーは別として、ローマ料理の話が聞けるという点ではかなり面白い映画です。
その中には、「ローマ風カルチョーフィとユダヤ風カルチョーフィの違いを知ってるかい?」というセリフも。
ローマ人でもよく知らないということなんでしょうか。

こちらは映画のラストシーン。
※ネタバレです。
状況を説明すると、今日も色々な騒動があった店の営業もほぼ終わり。
客が最後の1組だけになった店の片隅で、女店主や常連客がカードをしています。
最後の客は、韓国人の親子。
男の子は、食事の間ずっとゲームに夢中でした。
そして・・・




この映画、原題は『La Cena』ですが、邦題の『星降る夜・・・』というのはこのシーンからつけたんでしょうね。
ほのぼのとして、思わず微笑んでしまうラストです。
そう言えば、マリオ兄弟は確かイタリア系。
世界中の子供たちが知っている、イタリア人も自慢のキャラクターなんですね。


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関連誌;『サーレ&ぺぺ』2006年3月号
「地方料理~カルチョーフィ」のリチェッタは「総合解説」P.14に載っています。


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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

実はローマ風は日本でしか食べたことがない(^^;)
ユダヤ風は食べた店がわるかったのかトラウマだし。でもプンタレッレのサラダはおいしかったから、店は悪くないのか。揚げ方がたまたま失敗だったのか、好みにあわなかったのか。どうも料理って難しいですなぁ。ローマ風は1個単位で注文できるものなぁ今度食べてみたいなぁ。

prezzemolo さんのコメント...

ユダヤ風、トラウマですか。分かるような気がするなあ。私も食べるたびに、油ギトギトや水分抜けすぎが気になりました。
一度は食べてみたいけど、一度食べればもういいかな(笑)。

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