モデナのバルサミコ酢を巡る旅、その7です。
トラディツィオナーレのバルサミコ酢は、厳格な規定に従って造られていますが、樽の数などに決まりはありません。
だから、造り手の数だけ個性の違うバルサミコ酢が生まれます。
いったいどのバルサミコ酢を選べばいいのか・・・。
バルサミコ酢選びの参考になるのが、“コンソルテリーア”が毎年開催しているバルサミコ酢のコンクールです。
コンソルテリーアとは、トラディツィオナーレのバルサミコ酢のプロモーション活動を行っている団体で、バルサミコ酢博物館も運営しています。
博物館があるのは、モデナの南東のスピランベルトという町。
大きな地図で見る
この町で毎年6月に行われる大きな祭り、サン・ジョヴァンニ見本市で、造り手たちが手塩にかけたバルサミコ酢の出来をガチンコで競うのが、“パリオ”という品評会。
2007年のパリオの上位入賞者はこちら。
とは言っても、入賞者の名前を見ても、誰が誰やらさっぱりですよねえ。
知っている名前はないかと探してみたら、ありました!
イタロ・ペドローニさん。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』で紹介されていた人です。
なんでもペドローニさんが作る“チェーザレ”というバルサミコ酢は、この品評会で4回も優秀したという逸品。
2007年の大会で2位になったジュゼッペ・ペドローニさんは、イタロさんの息子さんです。
ペドローニ親子が経営するのは、アチェタイア・ペドローニ。
hpにパリオでの受賞歴が掲載されていますが、すごいです。
かなりの回数、上位に入っています。
“チェーザレ”というバルサミコ酢は、ペドローニのバルサミコ酢の中でも最高級品。
hpには、「年数は重要ではない」とそっけなく書かれていますが、50年ぐらい寝かせているらしいですよ。
ちなみに、チェーザレとはイタロさんのおじいさんのことです。
チェーザレ
ペドローニでは、トラディツィオナーレでないバルサミコ酢や、ワイン、グラッパ、ノチーノも造っています。
イタロさんとジュゼッぺさんは、バルサミコ酢を造るだけでなく、オステリーア・ディ・ルッビアーラという地元料理の店もやっています。
固定メニューの素朴な料理を出す店で、イタロさんはちょっと無愛想な人のようですが、評判は上々で、外国からの客も少なくないよう。
店ではペドローニ家のバルサミコ酢を使った料理を味わうことができます。
バルサミコ酢などの自家製品の購入や、予約すれば、バルサミコ酢造りも見学できます。
オステリーア・ディ・ルッビアーラは、バルサミコ酢やモデナ料理に興味がある人ならぜひ訪れてみたい場所ですよね。
そこで次は、この店と料理について、詳しく紹介します。
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関連誌;「モデナのバルサミコ酢を巡る旅」は、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年3月号(2008年3月現在、クレアパッソで販売中)の記事を解説しています。
記事の日本語訳は「総合解説」に載っています。
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