今日のお題はヴィテッロ・トンナート。
いや、正確に言うと、トンノ・ヴィテッラート。
なんじゃこりゃ、と思いますよね。
ヴィテッロ・トンナートのバリエーションの話をする時、イタリア人の心に必ず浮かぶダジャレが、これなんですわ。
以前にも訳したことがあるんです。このどーしようもないダジャレ。
マグロのソースをかけた子牛肉があるなら、子牛のソースをかけたマグロがあってもいいじゃん、
というか、ゴロが面白ければ、味なんてどうだっていいじゃん、というラテン系なノリが見えるこのネーミング。
今回も、大真面目に訳しちゃいましたよ。
「総合解説」2016年5月号P.15をご覧ください。
動画もちらほらあります。
↓
それにしても、tonnoやvitelloの語尾に~toをつけると、食材がソースに変わるのって、便利だなあ。
解説に載せたもう1品は、鴨の胸肉のアグルマータ。
agrumiは柑橘フルーツのことだから、レモンやオレンジのソースです。
でも、これはダジャレじゃなく、柑橘フルーツのミックスジュースのことをアグルマータというのでした。
↓
もう1品の七面鳥のヨーグルトソースはヨーグルタートじゃなくてアッロ・ヨーグルトallo yogurtでした。
ひょっとしたら、トンナートというのは珍しい言い方なのかも、
と思って他の名前を探してみたら、意外と~toとい言い方はなかった・・・。
トンノがたまたまトンナートに変化させやすい言葉で、
ヴィテッラートは、言ったもん勝ちのダジャレだったんですね。
お口直しに、市販のマヨネーズを入れない伝統的なリチェッタのヴィテッロ・トンナートをどうぞ。
この料理はフランス料理ではなく、ピエモンテ料理だったんだなあ。
↓
ゆでないので肉がジューシーに仕上がります。
ソースの油分は少量加えるだけ。
盛り付けも斬新で、別の料理のようですね。
お勧めの料理書は
スローフードの『オステリエ・ディ・イタリア2017』
-------------------------------------------------------
“ヴィテッロ・トンナートのバリエーション”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年5月号に載っています。
「書籍リスト」
[creapasso.comのホームページに戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
セナトーレ・カぺッリはすべての硬質小麦の父と呼ばれる小麦。たんぱく質の含有量が高く、貧者の肉、と言われるほどでした。
イタリア料理を象徴する食材、小麦の話を続けます。 硬質小麦と軟質小麦の区別は、1900年代初めに導入されました。 最も一般的なパンに使われる00タイプの小麦粉が軟質小麦粉で、硬質小麦からは若干大粒のセーモラsemolaを作りました。 軟質小麦と硬質小麦 セーモラは乾燥パスタの原料...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿