今月と来月の「総合解説」、イタリア料理の基礎シリーズはポレンタです。
肉のシチューに添えられた黄色いポレンタは、存在感ありますよねー。
料理が2段階ぐらい美味しそうに見えます。
北イタリアの代表的おふくろの味、ポレンタ。
種類は家の数だけあると言われています。
でも個人的には、銅鍋でひたすらかき混ぜ続けながらじ~っくり煮る手間のかかる料理というイメージ。
伝統的なポレンタの作り方。
↓
もっと伝統的なスタイルでは、取っ手のついたバケツのような銅鍋を暖炉に吊るして、小1時間木べらでかき混ぜながら煮ます。
なぜ銅鍋なのか、なぜ長時間かき混ぜ続けるのか。
ポレンタの自動かき混ぜ機もあるくらいなので、取りあえず、かき混ぜ続けるのはポレンタを煮る時の宿命らしい。
まずはポレンタを作る道具の話から始めましょうか。
基本中の基本はパイオロと呼ばれる銅鍋。
ポレンタは煮ている間、すぐに鍋肌にくっついて薄い膜になります。
パイオロには、テフロン加工の鍋のように、ポレンタがくっつきにくいという効果があります。
現代の発明品ポレンタミキサーは、鍋の中央をかき混ぜるのではなく、鍋肌に固まったポレンタをこすり落とします。
ただゆっくり回るだけの動画。癒されるな~。
↓
つねにかき混ぜ続けないと、ポレンタが鍋肌にどんどん固まってしまうんですね。そうすると、部分的に硬さの違うポレンタになってしまいます。
次に必要なのはポレンタをかき混ぜる木べら。
特に特徴はなさそうですが、熱いポレンタをかき混ぜ続けるには、ポレンタから適度に離れるような長さが必要。
さらには煮上がったポレンタを鍋からあけて出すまな板のようなカッティングボード。
何にでも張り付くポレンタがくっつかないように、あらかじめぬらしておきます。
さらに、鍋にも張り付くので、あけるまえにパレットで鍋肌から切り離しておきます。
それからなかなか珍しいのが、下のポレンタを切る動画。
カットする時は綿糸を使います。
さらに、ポレンタの下に糸を通して上に向かって持ち上げます。
その逆、つまり上から下だと、ポレンタの表面が乾燥して膜が張っているので失敗します。
ポレンタをカットするのって、気持ちよさそう。
さらに、下の動画も快感。
煮上がったポレンタを広げるだけの動画。
カットしたポレンタをグリルしてこんがり焼き色の筋をつけると、また格別に美味しそう。
英語ではこれをポレンタケーキと呼びます。
これにチーズやトマトのコンカッセをのせると、前菜やアペリティーヴォになります。
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“イタリア料理の基礎シリーズ:ポレンタ1”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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2015年9月17日木曜日
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