まず、なすのパルミジャーナ。
スライスして揚げたナス、トマトソース、チーズを重ねたオーブン焼き。
それでは質問です。
これはどこの地方の料理でしょう。
多分、シチリアと答える人が多いのでは、と思うのですが、ナポリでこの料理を習った人は、ナポリ料理と信じて疑わないはず。
この料理は、シチリアとナポリで本家争いが繰り広げられている料理なのですが、『サーレ・エ・ペペ』では、この料理の説明の一番最初に、まず、ナポリ人気質というものをこんなふうに説明しています。
「陽気で人がいいけれど、極端に排他的。
ナポリ料理は、ナポリ人にとってただ一つの本物の料理だ。
彼らはナポリが生み出した美食文化に誇りを持ち、自分たちが元祖であることを全力で主張する。
もしパルミジャーナがシチリア生まれだ主張すれば、
古いリチェッタや料理界の権威がナポリ料理を讃える文献を持ち出して、徹底抗戦を始めるだろう」
これを書いたのは、ナポリ人ですが、ナポリをイタリアに置き換えれば、外国人がイメージするイタリア人気質そのものだなあ。
しかも、この料理の名前、シチリアではmelanzane alla pramigianaですが、ナポリでは、parmigiana di melanzane なんだそうです。
どっちでもいい気もしますが、『サーレ・エ・ペペ』では敢えてナポリ風のパルミジャーナのリチェッタを紹介しています。
カゼルタのリストランテ・ラ・コロンネのシェフのparmigiana di melanzane
↓
今月の「総合解説」では、もう1つ、ナポリがらみのネーミングの食材を紹介しています。
パーネ・カフォーネですpane cafone。
サワードウの田舎風パン。
↓
以前ブログで紹介した時(こちら)とは別の説です。
もしイタリア語の辞書をお持ちでしたら、cafoneカフォーネという言葉の意味を調べてみてください。
私の辞書には、「(ナポリで多くいる)田舎物、粗野なやつ」
と書いてあります。
ナポリ限定ですよ。
なんだか、すごく失礼で差別的な言葉なんですね。
これをそのまま訳す気にはなれなかったのですが、イタリア語の原文では、
「発祥地であるナポリの下町の活気を言い表した名前」と、とてもスマートな解釈がされていました。
ナポリ名物洗濯物。
パーネ・カフォーネ
カフォーネはアメリカにも伝わって、スラングとしても使われている言葉のようです。
とにかく、ナポリはイタリアのいじられキャラ。
ナポリで行われたヌテッラ誕生50周年のイベントで、ヌテッラを食べた時のリアクションを教えたくださいというインタビュー。
(こちら)
ナポリ人、みんなノリノリですねー。
愛されキャラだなあ。
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関連記事、“なすのパルミジャーノ”と“伝統的なパンのとサンドイッチ”の日本語リチェッタは、「総合解説」2012年8月号に載っています。
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2014年12月4日木曜日
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