今日はナポリのフリットの話。
ナポリ料理には様々な名物フリットがありますが、なぜか北イタリア、ましてや外国にはあまり広まっていないようです。
“ナポリのフリット”のシンボルの一つが、“ピッツェッレ”ですが、これもちょっとマイナー。
別名、ピッツァ・フリッタとも呼ばれます。
ナポリでも貧しい地区のストリートフードとして誕生した一品です。
ヴィットリオ・デシーカ監督の1954年の映画『ナポリの黄金/L'oro di Napoli』には、ナポリの道端で揚げピッツァを売る男が登場します。
奥さんは若きソフィア・ローレン。
こんな色っぽいおかみさんが揚げ物売ってる裏路地、ちょっと絵になりすぎ。
この夫婦は、生地を伸ばすのが奥さんで、揚げるのがご主人の仕事。
一般的にはピッツァイオーロのご主人が生地を伸ばすのですが、この映画の場合は、この設定が伏線になってます。
ちなみに、なじみ客の支払いはつけが普通。
一説には、8日たったピッツァと同じ値段、つまり格安で売ったので、今食べて8日後に払う、という意味の別名で呼ばれていたとか。
ナポリのピッツァには、よく知ってる焼いたピッツァとは別の顔があったようです。
食べると美味しいけどね。
現代版ピッツェッレ。
↓
-------------------------------------------------------
ピッツェッレを含むナポリのフリツトのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
南チロルはドイツと南イタリアが融合した面白い地方。ワインの収穫後の新ワインを味わう時は、ご近所みんなでパーティー!
今日のお題は、アルト・アディジェの料理です。 イタリア最北の州、アルト・アディジェ、別名南チロルsud tirolは、海だけじゃなく、山もあるイタリア料理を象徴する地方。最近では、アルプスへの注目度も上がっています。 南チロルのトルゲレンの祭り。 下の動画のタイトルは、“ビギナー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
軽い気持ちで手にとった本、『 スーゴとソース 』 ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。 スーゴって何?ソースって何? “スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。 スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、 スーゴ・ディ・ポ...
0 件のコメント:
コメントを投稿