ゴルゴンゾーラの話、その2です。
今回は製造方法について。
ゴルゴンゾーラは、消費者の嗜好に合わせて、昔に比べてよりマイルドで青カビの量も少なくなっているそうです。
DOPの作り手は、大企業から家族経営まで合わせて約40。
現在は総生産量の31%が外国向け(20世紀前半は60%以上)。
ゴルゴンゾーラの製法は、
まず、殺菌した牛乳を30度に熱し、Penicillum roquefortiと言う青カビの胞子、スターター(乳酸菌)、子牛のレンネットを加えます。
約30分して固まったらカッティング。
カ―ド(凝乳)を布で包んでホエイを切り、さらに筒型の穴あき枠に入れて、裏返しながら24時間ホエイを出します。
これを湿度96%、20~22度で4~5時間置き、塩や塩水をまぶします。
そして熟成。
約1週間過ぎた頃からチーズに穴をあけて、カビが均一に発育するようにします。
熟成は最低2ヶ月で、長く熟成させると辛口で水気の少ない強い味のゴルゴンゾーラになります。
辛口のゴルゴンゾーラ・ピッカンテは、熟成期間が長く、温度やカビの種類、塩の量もドルチェとは違います。
ピッカンテの一般的な熟成期間は90~110日。
辛口でカビの量が多いゴルゴンゾーラは、“フェルメンタツィオーネ・ナトゥラーレ fermentazione naturale”とか、“デル・ノンノ del nonno”、“アンティーコ antico”と呼ばれます。
ナトゥラーレタイプは、カードを布に包んで一晩置いておき、その間に天然のカビをつけたもの。
初期のゴルゴンゾーラは、言い伝えにもあるように、一晩置いたカードに翌朝搾った牛乳のカードを加えて作っていました。
この製法は、“ドゥエ・パステ due paste”と呼ばれますが、現在では姿を消しているそうです。
↓ゴルゴンゾーラが出来るまで
ゴルゴンゾーラの話、次回に続きます。
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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2008年1月号
“チーズ風味”の記事のリチェッタは、「総合解説」'08&'09年1月号に載っています。
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