すでに売り切れの本ですが、あまりの出来良さに、毎年、夏になると勧めたくなります。
中古になりますが、注文があれば、頑張って探しますよ。
出版されて早々に売り切れて、2011年には絶版になりました。
この本の素晴らしさは、なんと言ってもその写真。
なので、文章で説明するのがとてももどかしいのです。
南イタリアと島の料理を紹介するこの本の最初のリチェッタは、サルデーニャのパスタ、ロリギッタス。
パラパラページをめくると、芸術品のように美しく装飾されたドルチェが。
イタリアのドルチェの中でもひときわ抜きん出た美しさです。
サ・ティンバッラという洗礼式の時の伝統的なドルチェ。
さらにページをめくると、今度はフィリンデウです。
素麺のように細く伸ばした麺を重ねて板状にするという、とても複雑で珍しい麺ですが、この本では、イカ墨入りの真っ黒なフィリンデウ、という、斜め上のパスタを紹介しています。
これを魚のスープ、グアッゼットにパンの代わりに入れた1品です。
リチェッタを紹介した店は、オルビアのホテル・レストラン、Gallura。
朝は自家製ドルチェや地元の山羊のヨーグルトを出しているそうです。
次のページは、パーネ・カラザウの上にペコリーノをのせて炭火でグリルしている写真。
とろけだしたチーズが黄金色に輝いています。
これに蜂蜜をかけてデザートとしてサーブするのだそうです。
この料理を作っている店の名前、Sa Cardiga e Su Schironiは、“グリルと串焼き”という意味。
こんな調子で、ページをめくる度に目を瞠るような写真ばかりで、超オススメの本です。
「総合解説」ではサルデーニャとシチリアの12品のリチェッタを訳しました。
いつまでこの貴重な食文化が残っているか、ちょっと心配です。
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『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ2』のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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