そういえばホルモンて、牛や豚の大腸とか小腸なんでしたっけ?
腸で思い出したけど、それならローマ料理にも、有名なホルモン料理がありましたなー。
先日クレアパッソのホームページでもご紹介した本、“イルストラーティ”シリーズの『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ』に、リチェッタが載っているので、訳してみましょうか。
まず、ローマでは、牛や子牛の小腸のことをpajataパイヤータと呼びます。
イタリアの標準語ではpagliataバリアータですが、料理の世界ではもはやバイヤータのほうが通りがよさそうです。
昔は子牛のパイヤータが一般的でしたが、狂牛病以来禁止されて(昨年解禁されました)、今はもっぱらアッバッキオ(子羊)のパイヤータを使っているそうです。
『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ』のホルモン焼きならぬ、パイヤータ焼き(pajatina alla piastra)は、熱した鉄板で15分焼いてパレットで裏返し、軽く押さえながら15分焼きます。
ローズマリーにエクストラヴェルジネのオリーブオイルをかけたものの上にパイヤータを盛り付けて塩、こしょうし、皿の上でよくあえながら食べます。
なるほど、ホルモン焼きもこうすればイタリアンになるのか。
内臓料理はローマ料理の柱の一つ。
ホルモンも、鉄板で焼くだけでなく、パスタのソースにもします。
その代表的なのが、パイヤータのリガトーニ
玉ねぎのソッフリットにパイヤータと唐辛子を加えて炒め、白ワインをかけて煮ます。さらにトマトのパッサータを加えて煮込みます。
ローマ料理の大家、リヴィオ・ジャンナットーニは、パイヤータは、トラステヴェレ生まれではない人にとっては、最も得体の知れないイタリアの地方料理の一つだ、と書いています。
これが普通のリアクションなのでしょうが、ホルモンに免疫があると、何とも思いませんねー。
ちなみに彼は、子牛の小腸より牛の小腸のほうが美味しいが、リゾットには子牛の小腸が合うとも言っています。リガトーニは、料理人によっては生まれたての乳飲みの子牛など、こだわりがあるようです。
-------------------------------------------------------
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2016年4月21日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
南チロルはドイツと南イタリアが融合した面白い地方。ワインの収穫後の新ワインを味わう時は、ご近所みんなでパーティー!
今日のお題は、アルト・アディジェの料理です。 イタリア最北の州、アルト・アディジェ、別名南チロルsud tirolは、海だけじゃなく、山もあるイタリア料理を象徴する地方。最近では、アルプスへの注目度も上がっています。 南チロルのトルゲレンの祭り。 下の動画のタイトルは、“ビギナー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
軽い気持ちで手にとった本、『 スーゴとソース 』 ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。 スーゴって何?ソースって何? “スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。 スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、 スーゴ・ディ・ポ...
0 件のコメント:
コメントを投稿