そういえばホルモンて、牛や豚の大腸とか小腸なんでしたっけ?
腸で思い出したけど、それならローマ料理にも、有名なホルモン料理がありましたなー。
先日クレアパッソのホームページでもご紹介した本、“イルストラーティ”シリーズの『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ』に、リチェッタが載っているので、訳してみましょうか。
まず、ローマでは、牛や子牛の小腸のことをpajataパイヤータと呼びます。
イタリアの標準語ではpagliataバリアータですが、料理の世界ではもはやバイヤータのほうが通りがよさそうです。
昔は子牛のパイヤータが一般的でしたが、狂牛病以来禁止されて(昨年解禁されました)、今はもっぱらアッバッキオ(子羊)のパイヤータを使っているそうです。
『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ』のホルモン焼きならぬ、パイヤータ焼き(pajatina alla piastra)は、熱した鉄板で15分焼いてパレットで裏返し、軽く押さえながら15分焼きます。
ローズマリーにエクストラヴェルジネのオリーブオイルをかけたものの上にパイヤータを盛り付けて塩、こしょうし、皿の上でよくあえながら食べます。
なるほど、ホルモン焼きもこうすればイタリアンになるのか。
内臓料理はローマ料理の柱の一つ。
ホルモンも、鉄板で焼くだけでなく、パスタのソースにもします。
その代表的なのが、パイヤータのリガトーニ
玉ねぎのソッフリットにパイヤータと唐辛子を加えて炒め、白ワインをかけて煮ます。さらにトマトのパッサータを加えて煮込みます。
ローマ料理の大家、リヴィオ・ジャンナットーニは、パイヤータは、トラステヴェレ生まれではない人にとっては、最も得体の知れないイタリアの地方料理の一つだ、と書いています。
これが普通のリアクションなのでしょうが、ホルモンに免疫があると、何とも思いませんねー。
ちなみに彼は、子牛の小腸より牛の小腸のほうが美味しいが、リゾットには子牛の小腸が合うとも言っています。リガトーニは、料理人によっては生まれたての乳飲みの子牛など、こだわりがあるようです。
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