今日はブッラータとモッツァレッラの話。
「総合解説」で、ブッラータとモッツァレッラは似ているようで意外と違う、という記事を紹介していますが、なるほど、記事を読んでみると確かに違いました。
上がモッツァレッラで下がブッラータ。
白くてフレッシュそうだけど、外見は微妙に違う。
さらに、産地が違う。
モッツァレッラはカンパーニアで、ブッラータはプーリア。
しかもモッツァレッラは水牛のミルクから作るけど、ブッラータは牛乳が原料。
もちろん味も違う。
決定的に違うのは、モッツァレッラは中世から作られていたけど、ブッラータは1920年代に誕生。
まだ100年しか歴史がなかった。
この二つのチーズの共通点は、パスタ・フィラータというタイプのチーズ、ということ。
パスタ・フィラータはモッツァレッラに代表される南イタリアのチーズ独特のテクニック。
フィラータとは糸を紡ぐという意味。
お湯や熱いホエーにカードを漬けて水分を出してから練ると、カゼインが糸のようになり、長く伸び~る弾力のある生地になります。
パスタ・フィラータ作り
↓
このパスタ・フィラータを水牛のミルクから作ったのがモッツァレッラ。
牛乳から作ったものはフィオル・ディ・ラッテと呼んで区別します。
そしてブッラータは、フィオル・ディ・ラッテから作ります。
ブッラータの製造過程。
↓
牛乳のカードを刻んでお湯に漬けて練るとフィオル・ディ・ラッテになりますが、そのフィオル・ディ・ラッテをさらに刻んで生クリームに入れるとストラッシャテッラというものになります。
これをフィオル・ディ・ラッテで作った袋に詰めたものがブッラータです。
なんでそんなに手間暇かけるのかとも思いますが、
そもそも、フィオル・ディ・ラッテを作った残りのパスタ・フィラータを有効利用するために考えだされたのがブッラータなんだそうです。
ブッラータの話、次回に続きます。
-------------------------------------------------------
“モッツァレッラとブッラータ”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2015年8月20日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
南チロルはドイツと南イタリアが融合した面白い地方。ワインの収穫後の新ワインを味わう時は、ご近所みんなでパーティー!
今日のお題は、アルト・アディジェの料理です。 イタリア最北の州、アルト・アディジェ、別名南チロルsud tirolは、海だけじゃなく、山もあるイタリア料理を象徴する地方。最近では、アルプスへの注目度も上がっています。 南チロルのトルゲレンの祭り。 下の動画のタイトルは、“ビギナー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
軽い気持ちで手にとった本、『 スーゴとソース 』 ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。 スーゴって何?ソースって何? “スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。 スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、 スーゴ・ディ・ポ...
0 件のコメント:
コメントを投稿