今日はパルマの生ハムの話。
恒例、ガンベロ・ロッソの食材ベスト10のコーナーで、パルマの生ハムナンバー1に選ばれたのは、
ベドーニ・エジディオという地元ではよく知られたメーカー。
webページはこちら。
チブス・ヴィジットパルマの同社のブース。
壁には「ガンベロ・ロッソでナンバー1」のポスターが、どーんと貼られています。
記事が出たのは2年前ですが、いまだに威力を発揮しているようです。
↓
ナンバー1に選ばれたのは、彼らの24か月熟成の生ハムでした。
ちなみに、パルマの生ハムは、9kg以上のものは最低12か月熟成させる、と定められていますが、上限はないのでたいていがもっと長く熟成させます。
熟成させると、タンパク質分解の過程でチロシンというアミノ酸ができます。
パルミジャーノのような長期熟成チーズにもあることか知られていますが、なかなか優れもののアミノ酸のようです。
長期熟成させると旨みは増しますが、その分、新鮮さやしっとり感が失われます。
ところが、このメーカーの生ハムは、コクと柔らかさと艶を合わせ持って、フレッシュさと複雑なアロマが同居しているのだそうです。
こういう味を出せるのは、特殊な機械ではなく、代々受け継がれてきた職人技。
生ハム作りは、独自の気候条件や職人の経験と腕に左右されるんですね。
熟成期間が長くなるほど、職人技の要素も大きくなるでしょう。
1963年のパルマの生ハムのPV。
50年前でも今と何も変わらず、パルマの空気と職人の腕が生ハム作りの秘密だと語っています。
↓
生ハムは豚肉、塩、時間が作る職人技の結晶なんですね。
-------------------------------------------------------
"パルマの生ハム、ベスト10"の記事の日本語解説は、「総合解説」2012年6月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
南チロルはドイツと南イタリアが融合した面白い地方。ワインの収穫後の新ワインを味わう時は、ご近所みんなでパーティー!
今日のお題は、アルト・アディジェの料理です。 イタリア最北の州、アルト・アディジェ、別名南チロルsud tirolは、海だけじゃなく、山もあるイタリア料理を象徴する地方。最近では、アルプスへの注目度も上がっています。 南チロルのトルゲレンの祭り。 下の動画のタイトルは、“ビギナー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
軽い気持ちで手にとった本、『 スーゴとソース 』 ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。 スーゴって何?ソースって何? “スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。 スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、 スーゴ・ディ・ポ...
0 件のコメント:
コメントを投稿