2012年7月2日月曜日

ガエータのオリーブオイル

オリーブオイルの話、続けます。
ガンベロ・ロッソの新しい格付け本『Olid'Italia 2011』から、ベストエクストラヴェルジネに選ばれたオリーブオイルの紹介です。
ガンベロ・ロッソと言うと、ワインの格付けのシンボルはビッキエーリ、レストランはフォルケッテですよね。ではオリーブオイルは、と言うと、葉っぱです。
最高は葉っぱ3枚でトレ・フォーリエ。

オイルのメインの部門は、“フルッタート・インテンソ”、“フルッタート・メディオ”、“フルッタート・レッジェーロの”3種類に大別されています。
フルッタートとは、フルーティーという意味ですが、オリーブオイルの場合のフルーツとは、一般的なフルーツと言うのではなく、オリーブの果実風味ということです。
つまり、オリーブ特有の風味が強いものはフルッタート・インテンソ。中くらいはフルッタート・メディオ、軽いのはフルッタート・レッジェーロ。
分類の基準はオリーブ風味の強さ。


オリーブ風味が強いオイル部門で最優秀オイルに選ばれたのは、アルフレード・チェトローネの“コッリーネ・ポンティーネDOPモノクルティヴァール・イトラーナ”というオイル。

ラツィオのオイルです。

メーカーのhpはこちら
このチェトローネのオイルは、スローフードのガイドやクチーナ・エ・ヴィテーニなどでも最優秀賞を獲得していますねえ。
ガイドブックの常連メーカーですね。

このオイルは、イトラーナ種100%。
イトラーナ種のオリーブと言うより、「ガエータのオリーブ」というほうがピンとくるという人も多いのでは。
ガエータのオリーブは、ラツィオの土着品種で、料理の世界では、食用の塩水漬けオリーブとして有名ですよね。
これがオリーブオイルの世界で、イトラナーナのオリーブとか、トラーナのオリーブと呼ばれるんですね。
ややこしいことになった原因は、現在、実際にオリーブが栽培されているのはガエータではなく、近所のイートリを中心とする地域だから。

甕熟のガエータのオリーブ。




ガエータのオリーブは、イタリアを代表する食用オリーブなので、上質のものはほとんど食用になります。
最初から上質のオリーブオイルを作るという明確な目的をもって栽培しないと、イタリアナンバー1オイルに選ばれるような製品はできませんねえ。

食用のガエータのオリーブは、強い味で、グリーントマトや草の風味が特徴。
このフルッタート・インテンソのエクストラヴェルジネのオイルも、グリーントマトの香りが特徴なんだとか。

このメーカーが現在取り組んでいるのは、樹齢2000年のオリーブ、つまり他の品種と受粉していないオリジナルのイトリーナのクローンからオイルを作ること。
古代小麦の話題の時にも感じたのですが、品種改良とか、人為的な加工が加えられていない食物は、栄養価の点からも注目ですよね。
2000年前のオリーブの風味を甦らせるなんて、面白そうですね。
↓紀元1200~1300年ごろに植えられたプーリアのご長寿オリーブ。



トレ・フォーリエのオイルの話、次回に続きます。





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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年4月号、“『オーリ・ディ・イタリア2011』”の記事の解説は、「総合解説2011年4月号」に載っています。

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