今日はチーズの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。
この記事は、ロンバルディアのブレッシャとベルガモ地方のチーズの中で、「方言が名前になったもの」を紹介しています。
ストラキトゥント、カソレット、シルテルなど、どれも聞きなれないものばかり。
そんな中で、比較的有名なのが、フォルマイ・デ・ムット Formai de Mut とバゴッス Bagòss でしょうか。
フォルマイ・デ・ムットは、標準語で言うと“フォルマッジョ・ディ・モンテ”、つまり山のチーズという意味。
ベルガモの北にあるブレンバーナ渓谷の、標高1,300~2,500mの高地で作られています。
牛乳のセミハードチーズで、熟成は45日~6か月。
牧草の風味のしっとりしたチーズ。
こんなチーズ
ブレンバーナ渓谷の風景, photo by naevus
一方、バゴッスは、ブレッシャ県北部のバゴリーノで作られているサフラン入りのチーズ。
バゴッスを標準語で言えば“バゴリネーゼ”で、バゴリーノ人という意味。
別名グラナ・ブレッシャーナとも呼ばれる硬質チーズで、熟成は1~3年。
バゴッス, photo by Rubber Slippers In Italy
バゴッス作りの動画
ちょっと変わったところでは、サルヴァSalvaというチーズ。
春にたっぷり集めて余ったチーズから作って蓄えていた(サルヴァート)ので、こう呼ばれるようになりました。
同じロンバルディアのソフトチーズ、クアルティローロに少し似ていますが、熟成期間はもっと長くて最低70日。
サルヴァ・クレマスコの動画
おまけで、クアルティローロの動画もどうぞ。
ちなみに、クアルティローロという名前は、「放牧地で4回目に生えた草を食べた牛の乳から作ったチーズ」、という意味。
この4番目の草は最後の生の牧草で、牛たちはこれを食べ終えると山を下りて、ふもとの山小屋で冬を越すわけです。
山を下りたばかりで疲れている牛の乳から作ったチーズは、“スタンコ”という意味の方言、“ストラッコ”から、ストラッキーノとも呼ばれます。
クアルティローロもゴルゴンゾーラも、ストラッキーノの一種。
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年1月号
“ブレッシャとベルガモ地方のチーズ”の解説は、「総合解説」'07&'08年1月号、P.28に載っています。
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