2009年3月27日金曜日

ボローニャのトルテッリーニの詰め物

今日はトルテッリーニの話、その2。
『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。

トルテッリーニの本家争いでは一歩リードした感のボローニャ。
『ア・ターヴォラ』の記事にもあるとおり、この街の商工会議所には、「本物のボローニャのトルテッリーニ」なるものの詰め物のリチェッタが登録されています。
中心となったのは、トルテッリーニ協会とイタリア料理アカデミーのボローニャ支部。
本物とはどういう意味かは別として、いわゆる公式リチェッタを大々的に発表して、その存在をアピールする目的は十分に達成したようですね。
35年たった今でも、遠い日本でこうして話題にされることがあるわけですから。

ボローニャの商工会議所は、イタリアで最初に料理のリチェッタを登録した所なんだそうです。
イタリア料理アカデミーはこの他にも様々なリチェッタをボローニャの商工会議所に登録していて、ボローニャ風タリアテッレの幅、ラグー・ボロニェーゼ、モルタデッラのスプーマ、ボローニャ風コトレッタなんていうのもあります。

もちろんこれらのリチェッタは、「本物」のボローニャ料理を知らない人に一定の指針を与えるためのもので、ボローニャの人に向けたものではありません。
つまり、ボローニャで生まれ育った人にとっては、母親から娘へと伝えられた各家庭のリチェッタがあるわけで、それこそが本物のリチェッタですもんね。



ボローニャのトルテッリーニ, photo by mrfink


それでは、商工会議所に登録された「本物のボローニャのトルテッリーニの詰め物」のリチェッタをどうぞ。
原文はこちらのサイトのもの


材料/約100個分
 豚ロース・・300g
 生ハム・・300g
 (本物の)ボローニャのモルタデッラ・・300g
 最低3年熟成させたパルミジャーノ・レッジャーノ・・450g(熟成が3年未満の場合は量を増やす)
 卵・・3個
 ナツメグ

1.豚肉は、ローズマリーとにんにくのみじん切り、塩、こしょうで覆って2日寝かせてからバターで焼く。
2.豚肉を取り出してローズマリーとにんにくを取り除き、生ハム、モルタデッラと一緒に細かく刻む。パルミジャーノ、卵、ナツメグを加えてよくこね、最低24時間休ませる。

これをパスタで包み、放し飼いの去勢鶏1羽と牛肉のブロード用部位から取ったブロードでゆでる。



もう一つ、『ア・ターヴォラ』で、“ボローニャのトルテッリーニのお勧め店”の一つとして紹介されているトラットリーア、カミネット・ドーロ(hp)のトルテッリーニの詰め物もどうぞ。
店主のノンナが店で出していたのと同じリチェッタだそうです。


材料/約1kg(20人)分
 豚ロース・・450g
 生ハム・・150g
 ボローニャのモルタデッラ・・150g
 パルミジャーノ・レッジャーノ・・150g
 鶏胸肉(季節によっては去勢鶏やホロホロ鳥)・・100g
 卵・・1個
 ナツメグ
 塩、こしょう

1.肉、生ハム、モルタデッラを生のまま挽く。
2.パルミジャーノ、卵、ナツメグを加えてじっくりこね、寝かせる。



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関連誌;『ア・ターヴォラ』'06年12月号(クレアパッソで販売中)
“トルテッリーニ”の記事、及びオステリーア・フランチェスカーナのモデナのトルテッリーニのリチェッタは、「総合解説」'06&'07年12月号、P.14に載っています。


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