2019年12月29日日曜日

アルタ・クチーナとパスタ

家庭料理と地方料理から生まれたイタリア料理は、地元の作物を使って親から教わったリチェッタで作る料理で、どう考えても今の時代には逆行しています。

パスタもそうで、家族と強く結びついていますが、アルタ・クチーナや貴族の食生活との結びつきは、とても弱いのでした。
歴史を見ると、富裕層の料理というのが生まれましたが、パスタは小金持ち層ぐらいでとどまって、大金持ちには、あまり関心を持たれなかったようです。
貴族料理としてフランス料理が花開いたのとは大きな違いです。

イタリア料理は、世界の富裕層から、アルタ・クチーナがない、と見られていたのです。
でも、思うに、地方の農家の家庭の親子の関係は、レストランのグランシェフと弟子たちの関係に似ていないでしょうか。
シェフの中には、ずば抜けた才能やカリスマ性を持つ人がいて、そのシェフを中心に流派が生まれます。

イタリアのグランシェフたちの師匠は貴族の家庭のサボイア家の料理人たち、つまりフランス人料理人でした。
イタリアはヨーロッパの人々にとっては憧れの地でした。
富裕層の人々の間では、イタリア旅行が大ブームでした。
観光客が求めたイタリア料理はガイドブックにでてくるような、赤と白のチェックのテーブルクロスにこもかぶりのワインボトルがあるような店の料理でした。
でも、アルタ・クチーナへの関心と需要は十分にあったのです。
そんな時代に、ヌーベル・キュイジーヌが伝わります。

イタリアの若いシェフたちは尊敬してやまないフランス料理人のもとで学び、フランス語を流暢に話し、伝統にとらわれずに短時間で調理することや軽いソースを学び、食材のルーツや栄養価にも注目する必要があること、そして何よりもオリジナリティの価値を知りました。
彼らがイタリアに戻って作ったパスタは、イタリアのアルタ・クチーナにパスタを登場させる結果になりました。マルケージシェフの作った8個のペンネの料理は、山盛りのゆでたてのパスタより、話題になりました。
これまで何度も紹介してきた、
フェデリコ・フェリーニ監督のバリラの傑作CM「上流階級」

このCMは、当時パスタが上流階級ではまだ受け入れられていなかったことを物語っています。

パスタのアルタ・クチーナで成功すれば、イタリア料理の世界では、きっと英雄になれます。

でも、そのハードルの高さは、イタリアのパスタメーカーはよく知っています。
これは、ディチェコの本、『パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア
イタリア有数のパスタメーカーが、イタリア各州のよりすぐりのグランシェフに造らせた乾麺のパスタ料理の本です。

パスタの歴史を知れば、これがいかに画期的な計画か、よくわかります
次回からはこの本のリチェッタを訳してみます。

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パスタのお薦め本
パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア
パスタレボリューション
パスタ・フォルメ・デル・グラノ
パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド
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2019年12月28日土曜日

パスタの歴史、新たな転換期

パスタやピッツァが生まれたのは、大恐慌や産業革命で大都市に人口が集中し、労働者階級が生まれ、主婦が家庭で料理する時間が減り、食事時間が短く、不規則になり、仕事場で食べるようになるなどといった要因が重なった結果でした。
イタリアは統一され、南伊を中心に多くのイタリア人が移民として外国に渡りました。ナポリ以外の都市でも変化が起き、イタリアの地方料理が変わります。
そして2回の世界大戦を経験しました。
産業の発展とともに料理はグローバル化し、職人、若者、事業家たちの時代がやってきます。
彼らが取り組んだのは、料理の質を向上させ、モダンな味にし、見た目を美しくすることでした。


パスタの歴史に関しては、以前、『パスタレボリューション

を紹介した時に、麺を乾かすこととそれをゆでることの発明は革命だった。”という内容を訳しました。こちらも興味深い内容でした。

パスタは小麦粉と水をこねたシンプルな食べ物、という固定概念を捨てると、パスタは革命でできている、という発想も納得できます。

昔からイタリア人の心に根強くあった、トマトソースのパスタはおふくろの味、という発想。
これに革命を起こしたのが、アルタクチーナのシェフたちでした。
イタリア料理界の革命児だったグアルティエロ・マルケージシェフは、フジッリ、スパゲッティ、パッケロ、パスティーナという4種類のパスタを、まったく同じようにオリーブオイルとおろしたペコリーノで調味する、という実験を行いました。
形の違うパスタは、ゆで時間が違い、つまり歯ごたえが違い、その結果、味が違います。
つまり、パスタの形は味に影響する、と証明したのです。
代々親から子へと受け継がれてきたパスタの味に慣れきっていたイタリア人にとっては、パスタの形を変えることも、革命なのでした。

パスタについて語るマルケージシェフ


次回からは、パスタ研究の分野に新たに加わった重要な1冊になりそうな本『パスタ・フォルメ・デル・グラノ』からお届けします。

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パスタレボリューション
パスタ・フォルメ・デル・グラノ
ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ
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2019年12月27日金曜日

イタリア料理の歴史~パスタとピッツァの誕生

イタリアにトマトと乾麺が伝わって、あともう1つの重要な要素が加わると、パスタの食文化が花開きます。
さて、あと1つ。なんでしょう。
それはナポリの発展です。

1958年に、イタリアを代表する農学者、Emilio Sereniは『マンジャフォーリエからマンジャマッケローニ(野菜好きからパスタ好き)になったナポリ人』という本を出版しました。
当時のパスタは、乾麺を大鍋でゆでてチーズ少々であえたものでした。
17世紀半ばにスペイン地区で誕生した食べ物です。


スペインとナポリの関係については、このブログでも度々触れているとおりです。

スペイン地区
当時のナポリは、人口35万人で、ヨーロッパで最大の都市の一つでした。約1世紀後には人口は10万人増えています。食事は肉がベースで、キャベツやサラダ菜などの葉野菜を添えたものでしたが(これが本当の地中海式食生活という意見もあります)、急激に増えたナポリの人口のお腹を満たすのには足りませんでした。
スパッカナポリの路地では、飢えを満たすために栄養価の高い食べ物が求められていました。
それが乾麺のパスタでした。

スパッカナポリ

ナポリの空気を感じる魅力的な地区ですが、治安の悪さでも知られる場所。
ピッツァもパスタも庶民の食べ物として誕生した経緯があるので、高級住宅地で生まれるわけはないけど、ピッツァの名店はこのあたりにあるので、行かざるをえない。
案の定、バイクでひったくり未遂されました。
取られなかったけど、行く時は用心してね。


チーズやスーゴ・ディ・カルネであえていたパスタにトマト革命が起きたのは1830年以降のこと。

この年、ブオンビチーノ公、イッポリート・カヴァルカンティによって、トマトソースの最初のリチェッタが世に出ます。
さらに1891年にはペッレグリーノ・アルトゥージが初めてイタリア料理を1つにまとめた本にもトマトソースが登場しました。
“アル・デンテal dente”という概念も広まります。

ナポリのストリートでは昔から、発酵させた生地を石で焼く、アラブのピタパンを思わせるパンがありましたが、ピッツァが生まれたのはこの時代と考えられています。

人類学者のフランコ・ラ・チェクラは、『ピッツァとパスタ』という本の中で、最初のナポリのピッツァは、生地をこねて焼いて販売する店で、17世紀末から18世紀始めに誕生したと書いています。
それはpizza a libetto、またはpizza a portafoglioと呼ばれる本や札入れのような形に折って歩きながら食べることができるものでした。

pizza a libretto

ナポリで一番古いピッツェリア、ポルタルバPort'Albaにはブルボン家のフェルディナンド王などの著名人が大勢訪れて、記録を残しているようです。

イタリアのストリートフードは、1873年から続くヨーロッパの大恐慌で、
経済的な救済が至急必要だったことから生まれました。
さらに産業革命によって労働者階級が生まれ、イタリアの食生活は大きく変わります。
大都市の女性は家庭で家事をする時間が減り、夜中まで働くようになり、昼食を職場で食べるようになります。

生活スタイルが大きく変わって、食事も変わりました。

続きは次回に。

ポルタルバ 店のwebページはこちら

今日も『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』から訳しました。


パスタの歴史に興味がある人には『パスタ・レボリューション』もお薦めです。



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ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ
パスタ・レボリューション
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2019年12月26日木曜日

ストリートフードで見るイタリア料理の歴史

さて今日から気分も一新、パスタ編のスタートです。

とても興味深いテーマなので、頑張って色々訳してみたいと思います。
記録も残したいので、内容は次号以降の「総合解説」にまとめて載せることにしました。

まずは『ストリートフード・アッラ・イタリアーナ』から、どうぞ。


イタリア料理のシンボル、マカロニやピッツァは、ストリートフードとして生まれた。
ストリートフードはニューヨークのホットドッグやイスタンブールのケバブ、パリのクレープなどだけではなく、世界中にある。

ニューヨーク

イスタンブール

パリ


仕事の休み時間に手軽に食べることができて素早く空腹を満たすことができる食べ物、レストランのような気取りもなく、値段も安い。しかも地元の食材を使った伝統の料理だ。
農業と食生活との関わりは、少なくとも25億年前に始まった。
ストリートフードとは、道路のような公共の場所で調理されて販売される、すぐに飲んだり食べたりできる食べ物だ。

18世紀末のフランス革命以降、貴族の家からお抱え料理人がいなくなり、パリのような都市ではレストランが誕生するまでの間、家庭の外での料理はストリートフードや市場の料理が利用されるようになった。
世界中どこでも同じものを出すファーストフードとは違い、スリートフードは地元の食材を使った伝統料理を出す。
さらに、ストリートフードは手づかみで食べる。この行為は子供時代の記憶を呼び覚ます。手づかみがマナー違反とされたのは、1558年に出版された平民向けの貴族のテーブルマナーの本『Galateo di Monsignor Giovanni della Casa』の影響だったと言われている。
古代や中世は、道端でものを食べることは庶民の間ではあたりまえのことだった。

フランス革命がストリートフードに関係していたとは、知らなかったですねー。
そして今や、ストリートフードはストリートまで行かなくても家まで届くようになりました。これはフランス革命に匹敵する革命だったのかも。

シチリアの貴族の暮らしを垣間みれる映画『山猫』

ナポリのストリートフードの映画と言えば、ソフィアローレンのピッツァ・フリッタ。

さて、パスタがストリートフードだと言われても、すぐには信じられないですよね。
そのせいか、本にはストリートフードが庶民の暮らしに根付いていたことを伺わせる絵画や写真がたくさん載っています。
みんな路上で手づかみで長~いパスタを食べています。

どうやらイタリアの食生活の歴史を知らないとパスタの歴史は語れないようです。

フランス革命の次にイタリアの食生活を大きく変えたのは、北ヨーロッパからやってきたゲルマン民族の大移動でした。

ゲルマン民族の侵略なら『グラディエーター』

ゲルマン民族によって、ビールの製法が伝わり、豚肉や豆を食べる習慣が根付き、城の周囲の農民の暮らしは、季節と市場が中心になり、修道院や貴族たちは美味しいワインを飲んで、平民には禁じられていたジビエを食べて、イタリアの地方の伝統料理には、教会の影響が色濃く現れるようになります。

伝染病や飢饉に度々見舞われた中世は、暗黒の時代でした。
町も田舎も苦しみました。
メディチ家が繁栄し、カテリーナ・デ・メディチがフランスに嫁ぎ、アメリカが発見されます。

大転換期の到来です。ヨーロッパに、カカオ、じゃがいも、とうもろこし、トマトが伝わりました。
スペインの支配下にあったナポリにトマトが伝わり、アラブの支配下にあったシチリアにパスタ・セッカが伝わります。

そして17世紀に、イタリア料理史上最も重要な革命が起こりました。
路上でピッツァを売るようになったのです。

イタリア料理の歴史をピッツァの前と後に分けた場合、ピッツァの前は、こんな暮らしでした。
これ以降、イタリア料理の歴史はナポリを中心に回ります。

今日はここまで。

パスタの本が新入荷しました。パスタ・フォルメ・デル・グラノ


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パスタ・フォルメ・デル・グラノ
ストリートフード・アッラ・イタリアーナ
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2019年12月25日水曜日

レッコのフォカッチャ

フォカッチャ3つめは、レッコのフォカッチャ。
レッコはジェノヴァから近く、ビーチで休日を過ごすのに最適

そしてレッコが世界に誇る名物が、レッコのフォカッチャ

2魔の薄くて香ばしい生地でリグーリアのフレッシュチーズ、クレッシェンツァをはさんだ
ストリートフードだったレッコのフォカッチャをここまで有名にしたのは、レッコと、地元の食材とフォカッチャを愛する地元のレストランたちでした。
1985年には管理組合もでき、2006年にはリグーリア産のigp製品に認定されました。


それでは『ストリートフード・アッラ・イタリアーナ』のリチェッタをどうぞ。
管理組合のメンバー、リストランテ・ダ・ヴィットゥリンDa Vitturin1860のシェフ、ジャンバッティスタ・スクアルツアーテイシェフのリェッタです。

レッコのフォカッチャfocaccia di Recco

材料/5人分(直径30cm)
00番の小麦粉かマニトバ粉・・250g
EVオリーブオイル・・100g
塩・・100g

リグーリアのフレッシュチーズ・クレッシェンツァ・・500g

・小麦粉、オイル25g、塩をこねながら水を少しずつ加えてなめらかで柔らかい生地にする。
・湿らせた布巾で覆って室温で最低30分~1時間休ませる。
・再び生地を5分こねて麺棒で2つに分け、2枚の円形に伸ばす。
・手の甲に生地をのせて厚さ1mmに伸ばす。
・油を塗った型に1枚の生地を広げ、小片にしたチーズをのせて2枚めの生地で覆う。
・生地の端を押さえて合わせ、上面の生地の端をつまむ。さらリのオイルを散らしてに膨らんで剥がれないようにつまんで穴をあける。
・残りのオイルと好みで塩を散らし、270℃のオーブンで表面に栗色の焼き色がつくまで4~8分焼く。

イタリアの粉物のストリーフードの基本、ジェノヴァのフォカッチャの次は、ナポリのピッツァというのが王道ですが、ここらでパスタの話でも。
実はパスタもストリートフードだったんですね。


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ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ
リグーリアの発酵生地

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2019年12月24日火曜日

リグーリアのストリートフード、ジェノヴァ風フォカッチャ

次のフォカッチャはジェノヴァ風。
focaccia genovese
『ストリートフード・アッラ・イタリアーナ』にはこんな話が書かれています。


毎朝、待ちに待った授業の終了を告げるベルがなると、ようやくリュックからまだ香ばしいフォカッチャを取り出してかじりつくことができる。
ジェノヴァ名物フォカッチャの儀式だ。
 16世紀に、聖ロレンツォ大聖堂では、結婚式や祭りの際に香ばしいフォカッチャを持ち込む習慣が生まれた。あまりにも流行したので、マッテオ・ガンバロ大司教は教会や路上で物を食べることを禁じたほどだ。
ジェノヴァのパン屋は生地に強い愛情を注いでいた。
それがジェノヴァのフォカッチャの秘密だと言われている。

ジェノヴァの聖ロレンツォ大聖堂

Denis PerrilloとZena Zuenaのリチェッタ
フォカッチャ・ジェノヴェーゼfocacccia genovese
材料/2枚分
00番の小麦粉・・1kg
水・・500ml
塩・・20g
EVオリーブオイル・・250g
生イースト・・30g
粗塩・・適量

・大きなボールに水と小麦粉を入れて木べらで混ぜる。さらにニーダーでじっくりこねる。
・塩を加えて強くこねる。さらに10分後にイーストを加えてよく混ぜ、オイル100gを少しずつ練り込む。
・20分休ませて丸め、布巾で覆って室温で50分発酵させる。
・天板に油を塗り、生地を均一に伸ばす。
・30分休ませて表面に残りのオイルをかけ、粗塩を散らす。
・指を埋め込んでくぼみを作り、その中にもオイルと塩を入れる。再び40分発酵させ、250℃のコンベクションオーブンで10~15分焼く。
こんがり、カリッときつね色で、厚さ1cm以内に焼き上げる。

zena zuena webページはこちら
天板に入れずに生地を伸ばしながらオーブンに入れるジェノヴァ風フォカッチャ。


ヴォルトリのフォカッチャは天板に入れて焼くジェノヴァのフォカッチャと違って生地を伸ばしながらオーブンに入れて焼く、これが秘伝の技だと語ってます。フォカッチャはジェノヴァの朝食なので毎日朝4時からお昼まで焼き続けるのだそうです。


おすすめ本『リグーリアの発酵生地


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ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ
リグーリアの発酵生地
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2019年12月23日月曜日

ヴォルトリのフォカッチャ

再入荷した本『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』は

こんな本

この中から、今日はフォカッチャfocacciaの話。
本によると、
フォカッチャは小麦粉、オリーブオイル、塩がベースのイタリアで最初のファストフード。
スリーとフードの王様、ナポリピッッァの強力なライバルですね。
最初に紹介するフォカッチャは、ヴォルトリのフォカッチャ。
ヴォルトリとレッコの間はほんの数キロでも、スタイルの違うフォカッチャが3つはあるのだそうです。
その1つがヴォルトリVoltriのプリアーノ兄弟fratelli Prianoのフォカッチャ。




あと2つはレッコのフォカッチャとジェノヴァのフォカッチャ。
まずはヴォルトリのフォカッチャから見ていきましょう。

このリチェッタのポイントはマニトバ粉(グルテンが豊富なカナダの小麦粉)を使うこと。
材料44×28cm2枚分
マニトバ粉・・400g
水・・320ml
EVオリーブオイル・・40g、またはラード20g
塩・・8g
モルトエキス、または蜂蜜か砂糖・・8g
生イースト・・4gまたはドライース1.5g

・室温の水にイーストを溶かし、モルトを加える。
・小麦粉を加えてニーダーでこねる。
・塩を加えて鍋肌から剥がれるようになるまでこねる。
・オイルを少量ずつ加えて練り込む。(計約45分)
・打ち粉をした台にあけて手にも粉をつけ、まとめて布巾で覆って10~15分休ませる。
・天板の大きさに合わせて切り分け、生地の上下に打ち粉をして麺棒で軽く平らにする。
・天板にとうもろこし粉と小麦粉を散らし、生地をのせる。
・生地にもとうもろこし粉を散らし、布巾とラップで覆って約90分発酵させる。
・別の天板にとうもろこしの粉を散らして発酵した生地をのせ、表面にオイルをかける。
指でくぼみを作りながらオイルを広げ、生地を天板いっぱいに広げる。
・表面に塩を均一に散らす。
・240℃のオーブンで8~10分焼く。


ヴォルトリはジェノヴァのすぐ西にある街で、とにかくフォカッチャが名物。ジェノヴァの人はこのフォカッチャを買いに隣街までいきます。


そう言えばリグーリアのパンを集めた本、『リグーリアの発酵生地

なんて本がありました。
リグーリアのパンの本はなぜかとても貴重です。

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ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ
リグーリアの発酵生地
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2019年12月22日日曜日

カンパーニアのストリートフード、揚げポレンタ“スカリオッツィ”

きのうは、小難しい話をしたせいか、今日はその反動で、もっとわかりやすい料理の話をしたくなりました。
そんな時にタイミングよく、『ストリートフード・アッラ・イタリアーナ』が入荷しました。
写真が一杯で楽しくて読みやすい本です。
ちらっと料理を紹介すると、
・リグーリアのフォカッチャ
・エミリア・ロマーニャのピアディーナ
・ラツィオのスップリ
・ナポリのピッッァ・フリッタ
などなど、粉ものから肉、野菜、ドルチェと、盛りだくさんです。

今日は、その中から、初めて知ったカンパーニアのスカリオッツィscagliozziのリチェッタを訳してみます。
北イタリアの庶民料理を代表する粉もの、とうもろこの粉のポレンタを、ナポリ伝統の揚げ物にした1品です。
残り物のポレンタを有効利用した1品。

scagliozzi napoletani


ナポリの有名店、ティンパニ・アンド・テンプラのリチェッタをどうぞ。
店のFBはこちら
材料/10~15個分
とうもろこしの粉・・350g
生ハムかパンチェッタ・・150g
カチョカヴァッロ・・100g
6ヶ月熟成のカルマシャーノのペコリーノ・・50g
ラード・・大さじ1
にんにく・・2かけ
セロリ・・2本
イタリアンパセリ・・1房
ローリエ・・3枚
粗挽きこしょう・・小さじ1/2、塩
揚げ油用EVオリーブオイル・・3L

・鍋に水750ml、ラード。ローリエ、にんにく、セロリ、塩を入れて弱火にかけ、約1時間煮る。
・火から下ろしてとうもろこしの粉を振り入れ、ダマにならないようにホイッパーでよく混ぜる。弱火にかけて木べらでかき混ぜながら約50~60分煮る。
・濃いポレンタになったら火を止め、おろしたチーズ、イタリアンパセリのみじん切り、粗く刻んだ生ハムかパンチェッタを加えて数分マンテカーレする。
・バットに厚さ1cmに広げて冷まし、三角形か長方形に切る。
・160℃のたっぷりのオリーブオイルで揚げる。
・きれいなきつね色になったらすくい取り、シートに取って油を切る。
・塩、こしょうを混ぜて散らし、熱いうちにサーブする。

pecorino di carmasciano
ペコリーノ・ディ・カルマシアーノはカンパーニアでのみ飼育されている数が少ない貴重な羊のミルクから作るペコリーノ。

プーリアのフォッジャではなまってscagliozzeと呼ばれるそうです。どこが違うのか・・・。

scagliozzi napoletani

プーリア人最高!

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クレアパッソの地方料理書リスト
スーゴとソース
ストリートフード・アッラ・イタリアーナ
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2019年12月21日土曜日

イタリア料理の基礎、スーゴとソース

軽い気持ちで手にとった本、『スーゴとソース
ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。
スーゴって何?ソースって何?

“スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。

スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、

スーゴ・ディ・ポモドーロなんていう風に使われますよね。
sugo di pomodoro
sugo di pomodoro

スーゴはパスタや米の味付けに使われるもので、スーゴという概念を知らないでイタリア料理は作れません。
まず手始めに、辞書でこの言葉を調べてみると、「ソース、汁、肉汁、果汁」と出てきました。
なんだか水分が関係していることは感じますが、日本語には一言で言い表せる言葉がありません。
スーゴとソース』には、
スーゴはその殆どが煮込みによって作られる、と書かれています。
煮込みは、かつては庶民の料理の基本でした。
様々な家族の要望を満たすために米やパスタやポレンタにスーゴをかけたのです。
さらに宗教上の理由から、肉がベースのスーゴ・ディ・グラッソsugo di grassoと、油、野菜、魚がベースのスーゴ・ディ・マーグロsugo di magroが生まれました。

富裕な貴族は野鳥やジビエのスーゴをパスタやポレンタにかけました。
こうして貴族の料理が生まれました。 

フランスのソースに対するイタリアのスーゴと考えると、地方料理の集合体のイタリア料理には地方の数だけ個性的なスーゴがある、ということになります。
スーゴとソース』もイタリアの伝統的な地方料理のスーゴとソースを集めた本です。
スーゴは油、バター、パンチェッタ、ラード、ラルドなどの油脂、香味野菜、スパイスなどのソッフリットがベースなので、地方によって大きな違いがありました。
スーゴの話をするときは油脂の話も欠かせません。オリーブオイルやバターは基本中の基本。

ヴァッレ・ダオスタの代表的なスーゴはチーズから作るフォンドゥータ。
ピエモンテのバーニャ・カウダは、海から遠く離れた場所で作る魚のソース。
一方、リグーリアのペストは海洋王国として栄えたリグーリアの魚料理ではないシンボル。
ロンバルディアのシンボル、ミラノ風リゾットは、バターと骨髄というグラッソな食材をたっぷり使います。
こんな風に、どのスーゴにもそれがそこで生まれる理由がありました。

おまけの動画。
ヴァッレ・ダオスタにはヤギ飼いの学校がある。

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“フォンドゥータ・ヴァルドスターナ”の記事は「総合解説」2017年11/12月号に載っています。
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スーゴとソース
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2019年12月20日金曜日

ヴァッレ・ダオスタのうさぎのシヴェ

現在、フォンティーナの話題を取り上げ中。
フォンティーナはヴァッレ・ダオスタの名産品。
ここは、マッターホルンがあるところ。
地中海からは、あまりにも遠いなー・・・。
正直言ってヴァッレ・ダオスタ料理はお手上げ、と思ってましたが、例によって書架を探したら、あっさりと1冊出てきました。
イタリア料理アカデミーの本『スーゴとソース

地方料理のソースの本です。しかも、最初のページをめくったら、いきなり、“VALLE D'AOSTA”の文字と、つんつんにとんがった山の写真。
ここは見慣れたイタリアとはまったく別世界。

この本で、ヴァッレ・ダオスタ料理として最初に取り上げているのは、シヴェcivetです。
アルプスの岩場を飛び回るヤギや猪など山のジビエの料理で、肉を地元の赤ワインとハーブで煮るサルミsalmiという料理によく煮ています。特に野うさぎやうさぎ料理が知られています。
salmi di lepre

それでは本のリチェッタをどうぞ。
うさぎのシヴェconiglio in civet
材料/6~8人分
うさぎ・・1羽
粒黒こしょう・・8粒
ローリエ・・1枚
タイム・・1枝
ジュニパー・・2~3粒
イタリアンパセリ・・5房
小さく切った玉ねぎ・・1個分
にんにく・・2かけ
セロリ・・1本
人参の輪切り・・1本文
赤ワイン

・切り分けたうさぎ肉をボールに入れて全部の材料を加えて赤ワインで覆い、2日間マリネする。
・肉と野菜を取り出し、肉は水気を拭き取る。
・フライパンに少量のバターを熱して肉を焼き、小麦粉を振りかけて塩、こしょうする。
・ハーブと野菜の束を加えて肉をマリネ液のワインで覆い、沸騰させる。
・火を弱めて1時間30分煮る。
・肉を取り出して皿に盛り付け、煮汁(スーゴ)をミキサーにかける。
・煮汁を鍋に戻してさっと熱し、肉とゆでたじゃがいもかポレンタにかける。

上の動画では最低4日マリネすると言っています。
スパイスはこしょう、クローブ、シナモン、ナツメグなど。
ハーブはローリエ、ジュニパー、クミン、タイム、ミント、アチェトゼッラなど、地元の草原や森に生えているものや畑で育てたイセージ、タリアンパセリ、バジリコなど。

地物の昔ながらの調味料は澄ましバター。
何時間もかけて溶かしたバターをテラコッタの容器に入れて保存します。
バターはどんな料理にも加えるし、病気の時もバターを食べます。
コーヒーにも入れます。
すり潰したアーモンドを加えるとさらに美味しくなるそうです。
ちなみに昔は農民の暮らしではオリーブオイルよりくるみオイルが一般的でした。寒い山の上ではオリーブオイルは贅沢品だったのです。
トマトも栽培されていなかったので、料理に赤い色が加わるのは南イタリアから人々が移り住むようになってからです。
でも、トマトが伝わると、レストランやアグリトゥーリズモのシェフたちはこぞって取り入れてすぐに広まりました。
山の料理を彩って、ビタミン摂取の点からも重宝されたのは、ブルーベリーなどの野生のベリー類です。
ブルーベリーのジャムは、ポレンタにも合いました。
さらに注目されたのがチーズです。
フォンドゥータはパンにもパスタにも合いました。
考えたこともなかったけど、山の料理で鮮やかな色を出してビタミンを摂取するのは案外難しい。
鹿のサーロインとブルーベリーのソースcontrofiletto almi di lepre

サンブーカのジャムも濃い色。



山の暮らしは大変そうだけど楽しそう。
今日取り上げた本『スーゴとソース』はイタリア料理アカデミーの本だけあって、うんちくが山盛りです。
山の暮らしみたいに読み込むと面白さが倍増しますよ。

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“フォンドゥータ・ヴァルドスターナ”の記事は「総合解説」2017年11/12月号に載っています。
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スーゴとソース
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2019年12月19日木曜日

ヴァッレ・ダオスタの名物たち

ヴァッレ・ダオスタのやんちゃな赤毛牛、ペッツァータ・ロッサのミルクから作るチーズ、“フォンティーナ”。
パルミジャーノとモッツァレッラに次ぐ、世界中で知られる、イタリアとヴァッレ・ダオスタが誇るメイド・イン・イタリーのチーズ。
フォンティーナの代表的料理、フォンドゥータは、イタリアではヴァッレ・ダオスタやピエモンテに広まっているが、フォンデューとしてスイスやフランスでもおなじみ。スイスでは、グリュイエールやエメンタールなど様々なチーズで作る。フランスではチーズではなくオイルに浸す。
モダンで革新的な若手シェフの筆頭として知られるダヴィデ・オルダーニシェフがイタリア料理を1冊の本にまとめた野心作、『メイド・イン・イタリー

この本でも、フォンティーナは丁寧に解説されています。
それによると・・・
ヴァッレ・ダオスタでは、ほとんどすべての家で2~3頭の牛を飼っていた。
そして冬の間に余ったミルクで作っていたのがフォンティーナ。
フォンティーナはヴァッレ・ダオスタの野草や花を食べた牛のミルクから作り、ヴァッレ・ダオスタの空気で熟成させる。

ヴァッレ・ダオスタ料理

ヴァッレ・ダオスタは、イタリアで唯一、ご当地パスタのない地方。
食文化はフランスとイタリアとスイスの間を行ったり来たりして、とにかく名物は放牧された牛のミルクから作るチーズ。フオンティーナやトーマなどがあります。
モチェッタmocettaや、

アルナのラルドLardo d'Arnadも有名。

それではダビデ・オルダーニシェフのフォンドゥータFondutaのリチェッタをどうぞ。
材料/
 フォンティーナ・・400g
 にんにく・・1かけ
 牛乳・・1カップ
 バター・・少々
 卵黄・・4個、塩

・フォンティーナは皮を取り、薄切りにして角切りにする。
・鍋にフォンティーナ、潰したにんにく、冷たい牛乳を入れて冷蔵庫以外の涼しい場所で2時間休ませる。
・フォンティーナを取り出してバターと一緒に鍋に入れ、木べらでかき混ぜながら弱火で熱する。
・チーズが溶けて糸を引き出したら卵黄を1個ずつ加えて手早く混ぜる。塩で味を調える。
・チーズがなめらかでクリーミーにナッたら熱いうちに皿に注ぎ、トーストし田舎パンを添える。
好みで削ったトリュフを散らしてもよい。








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ダヴィデ・オルダーニの『メイド・イン・イタリー
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2019年12月18日水曜日

移牧の牛たちのリーダーはガチだった

イカ墨のリゾットで、リゾット編は一応終了。
次は、チーズの話。
寒くなると、イタリア料理の主役は魚から牛に移ります。
今日は、チーズ用の牛の話。
ヴァッレ・ダオスタのフォンティーナというチーズは、フォンドゥータに欠かせない、つまり冬のイタリア料理には欠かせないチーズ。
夏の間、ヨーロッパで最も高い(1500~2500m)放牧地で放牧した牛のミルクから作る上質チーズです。


「総合解説」2017年11/12月号P.34で取り上げたフォンティーナの記事は、牛の話から始まりました。
フォンティーナのミルクを出す牛は、ペッツァータ・ロッサ・イタリアーナという品種です。
ペッツァータ・ロッサ・イタリアーナ

今日の主役はその仲間でヴァルドスターナ・ペッツァータ・ネラ・エ・カスタナという品種。
牛の飼育というと牧歌的な放牧姿を想像しますが、夏の放牧地ではヒエラルキーのトップに立つために、放っておくと牛同士が喧嘩するのだそうです。
喧嘩に勝った牛が、夏の放牧地のトップになります。
ヴァッレ・ダオスタには闘牛の伝統があります。
すごい迫力の2018年の決勝リーグ


ただし、ミルクを出す牛は、もっとおとなしいんだそうですが。

この地方の牛は移牧という方法で夏は牧草を求めて山を移動しながら過ごします。
山を降りる牛たちの群れ。超カッコイイ。


牛の世界のクローズゼロでてっぺん取った牛たち。
圧がすごい。


いやー今日は牛だらけでした。
見てたら面白くなっちゃって・・・。
それにしてもフォンドゥータ食べたい。

リチェッタは次回。


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2019年12月17日火曜日

イカ墨のリゾット

今日のリチェッタはイカ墨のリゾットristottto al nero


グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズ
の『クチーナ・ディ・ヴェネチア・エ・ラグーナ
から訳します。

“米粒を黒いイカの墨で覆うとても美しくて有名な料理。”

墨はコウイカseppiaの墨

ベネチアの市場のコウイカ

ベネチアじゃカモメもコウイカを食べてます


それではリチェッタです。
材料/4人分
ヴィアローネ・ナノ米・・4カップ
中~小のコウイカ・・約500g
玉ねぎ・・1個
魚のブロードか水・・約1L
白ワイン・・1/2カップ
レモンの皮のすりおろし(好みで)・・1個分
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル・・大さじ4

・イカを下処理し、墨袋を外す。

想像してたのと違う・・・

・流水で洗って同じ幅の細切りにする。
・玉ねぎのみじん切りとにんにくをオリーブオイルでソッフリットにする。
・イカを加えて数分炒める。ワインをかけて火をやや強め、アルコール分を飛ばす。
・墨をレードル1杯の湯で溶いてソッフリットに加える。
・蓋をして10分煮る。
・米を加えてよくなじませる。
・熱い魚のブロードで覆い、レードル1杯の熱いブロードを足しながらリゾットに煮る。
・仕上げに好みでレモンの皮を散らしてサーブする。

risotto al nero


イタリアを代表する米の産地、ピエモンテ州が総力編集した本、『riso』には、イカ墨のリゾットをヤリイカに詰めた力作が。
イカ墨のリゾットのヤリイカ詰め、シーフードのグアッゼットがけ
リストランテ・イル・カッシーナヌオヴォのウァルター・フェレットオーナーシェフのリチェッタRiso al nero di seppia nel calamaro, guazzetto di pesci e crostacei
Il CascinalenuovoのWalter Ferretto Chef 店のwebページはこちら

材料/4人分
カルナローリ米・・120g
コウイカのイカ墨・・100g
ヤリイカ・・8杯
スズキの切り身・・1枚
エビ・・4尾
タコの足・・4本
玉ねぎ・・1個
にんじん・・1本
セロリ・・3本
にんにく・・1かけ
赤唐辛子・・1本
野菜のブロード・・1L
バジリコ・・3枚
トマトの小角切り・・50g
バター・・20g
イタリアンパセリ・・1房
レモン汁・・小さじ2
ガエタの黒オリーブ・・12粒
EVオリーブオイル
塩、こしょう

・玉ねぎ、にんじん、セロリをみじん切りにし、にんにく1かけと唐辛子を加えてオリーブオイル大さじ2でソッフリットにする。
・イカ墨を加えて蓋をして弱火で15分煮る。
・野菜のブロードを熱する。
・バジリコのみじん切りを加えてよく混ぜ、米を加える。
・熱い野菜のブロードをかけながらリゾットに煮る。
・米は硬めのアルデンテに煮上げる。
・火から下ろす2分前にEVオリーブオイル大さじ2でマンテカーレする。
・トマトの小角切り、塩、こしょうを加えて5分休ませる。
・ヤリイカを下処理して4杯にイカスミのリゾットを詰める。
・バターを塗ったオーブン皿に並べ、200℃のオーブンで8分焼く。
・残りのリゾットはイタリアンパセリのみじん切り、EVオリーブオイル、残りのヤリイカを加えて10分マンテカーレする。
・下処理した魚と甲殻類を加えて5分煮る。レモン汁とイタリアンパセリのみじん切りを加え、塩とこしょうで味を調える。
・リゾットを詰めたイカを輪切りにしてイカスミのリゾットの上に盛り付け、シーフードと黒オリーブを添える。

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2019年12月16日月曜日

パルミジャーノのリゾット、リジ・エ・ビジ

さて、イタリア料理で一番有名なリゾットは、多分サフランライスのミラノ風リゾット。では、一番基本のリゾットは、リゾット・アッラ・パルミジャーナ。
シンプルなリゾットなので、写真で見るとただの白ごはんのように見えます。

risotto alla parmigiana

シンプル故に、上質の食材(バターやチーズ)を使うことが美味しく作るポイント。
ハリーズ・バー

でも、この本に載っているすべてのリゾットのベースになる、と書かれています。
まさに基本中の基本です。
慣れれば目をつぶっていてもできるようになるそうです。
ブロードの代わりに湯を使えばもっと簡単になるし、ビーガン向けの料理にもなります。
それではリチェッタをどうぞ。

パルミジャーノのリゾットRisotto alla parmigiana

材料/6人分
鶏のブロード・・2L、または肉か野菜の固形ブイヨン1個で作る
オリーブオイル・・150ml
白玉ねぎ・・小1個のみじん切り
スーペルフィーノ米(ヴィアローネ・ナノかカルナローリ)・・250g
室温のバター・・70~80g
おろしたパルミジャーノ・・40g
粗挽きこしょう、塩

・ブロードをゆっくり沸騰させる。
・容量4Lの鍋にオリーブオイルを熱し、玉ねぎを約3~5分ソッフリットにする。
・焦げない程度に焼き色がついたら冷まし、米を加えて木べらで混ぜる。火を弱めて少量のブロードをかけ、最低1cm覆う。
・かき混ぜながら沸騰させ(熱した鍋を使えばすぐに沸騰する)、米がブロードを吸ったらブロードを足して米が鍋肌に焦げ付かない程度の火力で煮る。ブロードを少量ずつ足しながら米粒がくっつかずにひと粒ずつアルデンテで水気がかなりなくなるまで18~20分煮る。
・鍋を火から下ろし、バターとパルミジャーノを加えて木ベラで強く混ぜてクリーミーなリゾットにする。
・塩、こしょうで調味してかき混ぜながら柔らかくて軽いアッラ・オンダなリゾットにする。
・すぐに皿に盛り付けてパルミジャーノを添えてサーブする。

次はベネチアの名物リゾット、リジ・エ・ビジrisi e bisi
ベネチアの長い伝統のあるリゾット。ベネチアの潟で栽培された甘いグリーンピース(ビジ)のとても柔らかいリゾットなので、他のリゾットよりブロードは最低1カップは多く使う、と『ハリーズ・バー』にはあります。

今回は、地方料理シリーズのお薦め、“グイド・トンマージ”のクチーナ・レジョナーレシリーズの『ベネチア料理
からどうぞ。
ベネチア大公の料理として知られる伝統料理。4月25日のベネチアの守護聖人、サン・マルコの日の料理としても知られている。主役は生のグリーンピース。
米の2倍の量を使う。もう1つの主役はさやから作るブロードだ。
さらにこの日は、festa del boccoloでベネチア中の男性が赤いバラの蕾を女性に贈る伝統もある。
この伝統は、十字軍の遠征で遠い異国の地で亡くなった騎士のために行われている。

festa del boccolo



材料/4人分
さやつきの柔らかいグリーンピース・・1.5kg
米・・250g
玉ねぎ・・大1個
パンチェッタ・・1枚
EVオリーブオイル・・大さじ4
フェンネルシード・・一握り
塩、こしょう
イタリアンパセリのみじん切り

・グリーンピースをさやから出す。さやは取っておく。
・鍋に水1Lを沸騰させ、洗ったさやの1/3、フェンネルシード、塩少々を入れて沸騰させ、煮崩れたらムーランで裏漉しする。煮汁は取っておく。
・大鍋で玉ねぎのみじん切りと刻んだパンチェッタをオリーブオイルでソッフリットにする。グリーンピースを加えてよく混ぜ、米を加えて再び混ぜ、ブロードで覆う。ブロードを少しずつ足しながらアッラ・オンダの柔らかいリゾットになるまで煮る。
・こしょうとイタリアンパセリで調味してサーブする。
・グリーンピースは最後に加えるがマンテカーレした時に崩さないようにする。

risi e bisi

次回はイカ墨のリゾットrisotto al nero

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2019年12月15日日曜日

ハリーズ・バーの米料理、ピラフ

今日紹介する本は、『ハリーズ・バー』です。

初めてこの店のことを知ったのは、いつだったか記憶にないくらいの大昔。
その頃からイタリアを代表する世界的な有名店でした。


やることすべてが伝説になる名店の創業者、ジュゼッペ・チプリアーニの息子が書き残した店の記憶のすべてが詰まった本で、ベネチアや北イタリアの食文化を知ることができます。
店のwebページはこちら
この本には創業の逸話やカルパッチョのことなど、面白い話が数々あるのですが、今回はヴェネトの米料理がテーマなので、今日はあえて、『米』の章(P.157~)を訳してみます。

「・・・
オリエントの国々には米を食べる偉大な伝統がある。
蒸してシンプルに付け合わせとして食べるのだが、イタリア人は米を美食文化の基本の食材にした。
ハリーズ・バーでは米は常にセミフィーノのヴィアローネ・ナノ種を使う。マントヴァと
ヴェローナの間で栽培され、リゾットにもピラフにも最適の米だ。
リゾットに最適な米として、ヴィアローネ・ナノ以外にも、カルナローリが知られていたが、産地がヴェルチェッリ地方だけに限られていて、ヴィアローネより手に入りにくかった。

カルナローリの産地

ヴィアローネ・ナノの産地

レストランにとってのこの米の欠点は、調理時間だ。この米は18分かかる。
お腹が空いたお客にとっては、永遠にも思える長さだ。
リゾットはプリーモ・ピアットなので、待っている時間に何か他のものを勧められないかとも考えた。
ハリーズ・バーにはアンジェロ・ダル・マスキオというベテランの素晴らしいメートルがいた。その彼がとっていたのがこの手段だ。
彼はトルーマン・カポーティー(『ティファニーで朝食を』で知られる天才作家)のお気に入りのメートルだった。
そのことは店の客にも知られていて、彼にサーブされたがる客も多かった。
アンジェロは、リゾットを運んだあとに、パンも何も一切出さないふりをしていた。
彼が担当する客は、彼のサーブを受け入れて文句は出なかったのだった。・・・」

ピラフriso pilaf

ピラフは冷蔵庫で2日間保存できた。
温めるときはフライパンにバター少々を熱し、ピラフを入れてフォークでじっくり混ぜながら、カレー粉やサフラン風味の野菜など他の具材を加えればよかった。

材料/6人分
水・・約1L+野菜のブロードの固形ブイヨン1個
ヴィアローネ・ナノかカルナローリ米・・300g
バター・・60g
半分に切った白玉ねぎ・・1個分

・オーブンを250℃に予熱する。
・鍋に水かブロードを沸騰させて塩を加える。
・重いフライパンにバターを中火で熱し、丸ごとの玉ねぎを加えて焼き色がつくまで焼く(約4分)。
・米を加えて1~2分バターとなじませ、沸騰した水かブロードを加えて米の厚さの2倍の量で覆う。アルミ箔で覆って蓋をし、かき混ぜずに11分熱する。
・オーブンに移して4分熱し、油を塗った大理石の台かオーブン皿2枚にレードルで広げて手早く冷ます。ピラフの一部がポレンタのように鍋肌についていたら焼き上がり。

ピラフは調理時間の長いリゾットの代用品だったとは。
ドリアというイタリアの米料理のことは長年訳していてまったく聞いたことないですが、ピラフはよく聞きます。
この本にも、バレンシア風ピラフというのがスペインのパエリアのようなものと紹介されていました。



次はハリーズ・バーの各種のリゾットのリチェッタを訳します。

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2019年12月14日土曜日

北と南の米料理

まず、リゾットの作り方は、使う米によって違います。
南イタリアは硬質小麦とトマトが根付いたことで、ピッツァを生み出しました。
北イタリアでは米が育ちました。

リゾットがピッツァに匹敵する北イタリア生まれの素晴らしい料理だと言っても、ピンとこないかもしれませんね。
でも、南イタリアの地方料理の中にリゾットってあまりないですよね。
南イタリアの米料理は、スップリとかアランチーニのような肉と組み合わせたティンバッロの形に進化しました。

イタリアでは、米は水の中で生まれてワインの中で死ぬ、と言います。
つまり水田で育ってリゾットになる、ということです。
元々、米はとも高価な食材でした。北イタリアの伝統料理のリゾットを探してみると、トリュフ風味、バローロ風味、ゴルゴンゾーラ風味、カエル風味、オッソブーコを添えたミラノ風など、なかなかゴージャスなものばかりです。

リゾットは、米のデンプンを煮汁に溶け込ませながら煮る調理方法です(マンテカーレmantecare)。
パスタはアルデンテ、米はアッラ・オンダalla'onda(wet and wavy)に煮ます。
アッラ・オンダは、煮汁の水分が適度に残って、デンプンのとろみによって波のようになめらかでクリーミーな状態になったことを言います。

ブルーノ・バルビエーレシェフのアッラ・オンダにするマンテカーレ。
見てるだけで疲れます。

これもアッラ・オンダにするマンテカーレ。
笑ってるし。

南の米料理の一つ、
お米のティンバッロ


リゾットに合う米として知られるのはカルナローリですが、ヴェネトもヴィアローネ・ナノという品種の産地として知られ、地方料理にはリゾットがたくさんあります。
ヴェネチアで食べるなら、イカスミのスパゲッティではなく、イカ墨のリゾットを味わって欲しいものです。
さらに言うなら、ヴェネチアの名物リゾットは、グリーンピースのさやでブロードを取るリジ・エ・ビジ。

今まで、ミラノ風のリゾットを中心にリチェッタを見てきましたが、ここで
見方を変えて、ヴェネチアから見たリゾットの話を探してみます。
ヴェネチアの世界的レストランと言えば、ハリーズ・バー。


ハリーズ・バー』のチェッタをすべてさらけ出したこの本にも、米にまつわる興味深い話がありました。

訳は次回に。

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2019年12月13日金曜日

ミラノのグラン・シェフのリゾット

イタリア料理の歴史的な本と言えば、ペッレグリーノ・アルトゥージの『La scienza in cucina e l'arte di mangiare bene』(1891)

この本の中で、アルトゥージは“この料理はミラノ人のように作る必要がある“、と書いています。
具体的には、沸騰したブロードを少しずつ加えながらとろ火で煮込むのがミラノスタイル。

まあ改めてミラノスタイルと言われなくても、リゾットはそうやって作りますよね。
というわけで、ミラノのシェフたちの本を探してみました。
まずはカルロ・クラッコ。
実は、カレの本『Se vuo fare il figo usa lo salogno』という、

とても凝ったスタイリッシュなタイトルだったのですが、意味が伝わらなかったので、「クールにしたいならエシャロットを使う」という直訳にしてしまいました。
実はこれ、ミラノ風リゾットのリチェッタに使われている文章です。

さらに、米については、ロンバルディアの伝統では米は大粒で頑丈なカルナローリを使うが、もっと小粒で楕円形のヴィアローネ・ナノなど違う米を使ってもよい。ただし、この米はマンテカーレがとてもむずかしいので注意が必要だ、とも言っています。

さらに
カルロ・クラッコの地方料理』のロンバルディアの章に登場するリゾット・アッラ・チェルトジーナは、ホテル学校で毎週作るプランゾのメニューの1品で、特に思い入れがあったようです。以前、このブログでも取り上げました。

とにかく、イタリアのホテル学校ではリゾットの作り方をみっちり教えるようですね。

パルミジャーノのリゾットの作り方-チュートリアル

risotto alla parmigiana/材料
玉ねぎ・・1個
バター・・150g
パルミジャーノ・・150g
白ワイン・・1カップ
米(ヴィアローネ・ナノ)・・200g
・玉ねぎをみじん切りにしてバターの半量でしんなり炒める。
・米を中~弱火で炒める。米の粒に膜を作り、煮崩れしにくくする。
・玉ねぎを取り除いて玉ねぎの香りがついたバターを加える。
・白ワインを加えてアルコール分を飛ばし、レードル数杯のブロードをかける。デンプンがブロードに溶け出てクリーミーになる。
・バターとパルミジャーノを加えてマンテカーレする。
仕上げに塩で味を調える。

このマンテカトゥーラが強いので、粒の弱いヴィアローネ・ナノだと崩れてしまう可能性があるのですね。

ヴィアローネ・ナノはヴェネトの米。
ヴェネトもリゾットの美味しい地方ですが、カルナローリが多いロンバルディアのリゾットとは全然違います。
ミラノとヴェネチアで食べ比べてみて。

ちなみに『テイスト・アンド・トラディション1

には、ミラノのダウンタウンは、かつては野菜畑がたくさんあったと書かれています。
さらに運河が張り巡らされていたことからヴェネチアに似ていたと言われていました。
店名にその名残を残す店、トラットリア・デッリ・オルティは、

ナヴィッリ地区で栽培されている野菜を使う店。
この店では、リゾットにサフランだけでなく、卵黄も加えて黄色ととろみを出しているそうです。

リゾットはイタリア料理の中でも初心者向けの料理らしくて、チュートリアル動画もたくさんあります。
リゾットのマンテカーレが完了した状態は、アッラ・オンダalla'onda/波のようと言います。wetでwavyな状態のこと。
アンドレア・ベルトン・シェフのマンテカーレ。
激しいですねー。

冒頭のアルトゥージの本の内容について、『サーレ・エ・ペペ』誌は興味深いことを書いています。
アルトゥージが本を書いた頃のミラノ料理に、トマトはまだ見られない。
南イタリアではすでによく使われていたが、北イタリアでは広まるのに少なくとも100年ほどかかる。
なるほど、北イタリアを制覇した米にトマトが加わるのはまだ先ですね。
 
リゾットの話、次回に続きます。

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“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年11/12月号p.31を御覧ください。
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2019年12月12日木曜日

“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”がお薦めの店

「総合解説」2017年11/12月号から、P.31“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”の記事で紹介したミラノ風オッソブーコがお勧めの店です。『サーレ・エ・ぺぺ誌』の選抜です。
まずはガレリア・アンティカ・トラットリアgaleria antica trattoria webページはこちら

オッソブーコのポイントは付け合せのミラノ風リゾットだと思っているのですが、このミラノ風リゾットは、イタリアの米料理の傑作で、日本の米料理と比べるものではない、とも堅く信じています。
イタリアの米はリゾットを作るために改良が繰り返され、料理人もその米の特徴を活かす作り方を研究してきました。
ミラノ風リゾットは米の1粒1粒がリゾットとして完成しています。
日本の米とは、まったく違うその味は、食べたら感動するはずです。
でも、はずれのミラノ風リゾットを食べてしまうと、その分失望も大きいし、完璧な店に出会える確率は高くはないので、こういうお薦め店の情報は貴重です。

ミラノ風リゾットはグアルティエロ・マルケージシェフの代名詞。

ガレリア・アンティカ・トラットリアのメニューを見ると、リゾット・ミラネーゼにはグレモラーダをトッピングするのが伝統的。

次はオステリア・デッラックアベッラosteria dell'acquabella
ワインの品揃えが自慢の店。
オッソブーコはリゾットかポレンタ添え。
webページはこちら

最後はラタナ。
ミラノの新高層ビル地帯にあるモダンなオステリア。
軽くて新しいミラノ料理。
webサイトはこちら

トリノのカフェでヘーゼルナッツ風味のコーヒーを飲んで、ミラノでリゾットを食べるのもいいなあ。リゾット・ミラネーゼのレジェンドという人もいるらしいので、次回はその話。

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“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年11/12月号p.31を御覧ください。
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2019年12月11日水曜日

トリノのカフェ

ピエモンテのドルチェの話も終了かな、と思っていたら、先月の「総合解説」にもう1つ記事がありました。
P.28の“コーヒーとチョコレート”です。
忘れちゃいけない。ピエモンテには、特にサヴォイア家の首都、トリノには、19世紀の社交界をリードしたカフェ文化がありました。
その特徴はオリジナルのチョコレート入りコーヒー。

この“コーヒーとチョコレート”の記事には、小さな文字で、カフェ・ヴェルニャーノのアカデミアのリチェッタと書かれていました。
正直言って聞いたことなかったのですが、日本にも上陸したのですね。
カフェ・ヴェルニャーノ1882

ヴェルニャーノ・アカデミー

訳したリチェッタの中に1882スペシャルというのがあって気になっていたのですが、この年は、ヴェルニャーノが創業した年でした。
ちなみに1882スペシャルは、トリノでいちばん有名な老舗カフェの看板ドリンク、ビチェリンにそっくりです。

詳しいことは、「総合解説」2013/2014年1月号のP.44を御覧ください。
さらに上記の「総合解説」2017年11/12月号p.30に作り方を載せたマロッキーノは、なんとヌテラ入りコーヒー。




トリノの老舗カフェ


ナポリには、カフェの中のカフェと呼ばれる名店、ガンブリヌスがあります。

ガンブリヌス』の写真集

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