ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。
スーゴって何?ソースって何?
“スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。
スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、
スーゴ・ディ・ポモドーロなんていう風に使われますよね。
sugo di pomodoro
sugo di pomodoro
スーゴはパスタや米の味付けに使われるもので、スーゴという概念を知らないでイタリア料理は作れません。
まず手始めに、辞書でこの言葉を調べてみると、「ソース、汁、肉汁、果汁」と出てきました。
なんだか水分が関係していることは感じますが、日本語には一言で言い表せる言葉がありません。
『スーゴとソース』には、
スーゴはその殆どが煮込みによって作られる、と書かれています。
煮込みは、かつては庶民の料理の基本でした。
様々な家族の要望を満たすために米やパスタやポレンタにスーゴをかけたのです。
さらに宗教上の理由から、肉がベースのスーゴ・ディ・グラッソsugo di grassoと、油、野菜、魚がベースのスーゴ・ディ・マーグロsugo di magroが生まれました。
富裕な貴族は野鳥やジビエのスーゴをパスタやポレンタにかけました。
こうして貴族の料理が生まれました。
フランスのソースに対するイタリアのスーゴと考えると、地方料理の集合体のイタリア料理には地方の数だけ個性的なスーゴがある、ということになります。
『スーゴとソース』もイタリアの伝統的な地方料理のスーゴとソースを集めた本です。
スーゴは油、バター、パンチェッタ、ラード、ラルドなどの油脂、香味野菜、スパイスなどのソッフリットがベースなので、地方によって大きな違いがありました。
スーゴの話をするときは油脂の話も欠かせません。オリーブオイルやバターは基本中の基本。
ヴァッレ・ダオスタの代表的なスーゴはチーズから作るフォンドゥータ。
ピエモンテのバーニャ・カウダは、海から遠く離れた場所で作る魚のソース。
一方、リグーリアのペストは海洋王国として栄えたリグーリアの魚料理ではないシンボル。
ロンバルディアのシンボル、ミラノ風リゾットは、バターと骨髄というグラッソな食材をたっぷり使います。
こんな風に、どのスーゴにもそれがそこで生まれる理由がありました。
おまけの動画。
ヴァッレ・ダオスタにはヤギ飼いの学校がある。
-------------------------------------------------------
“フォンドゥータ・ヴァルドスターナ”の記事は「総合解説」2017年11/12月号に載っています。
クレアパッソの地方料理書リスト
『スーゴとソース』
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
0 件のコメント:
コメントを投稿