2019年12月28日土曜日

パスタの歴史、新たな転換期

パスタやピッツァが生まれたのは、大恐慌や産業革命で大都市に人口が集中し、労働者階級が生まれ、主婦が家庭で料理する時間が減り、食事時間が短く、不規則になり、仕事場で食べるようになるなどといった要因が重なった結果でした。
イタリアは統一され、南伊を中心に多くのイタリア人が移民として外国に渡りました。ナポリ以外の都市でも変化が起き、イタリアの地方料理が変わります。
そして2回の世界大戦を経験しました。
産業の発展とともに料理はグローバル化し、職人、若者、事業家たちの時代がやってきます。
彼らが取り組んだのは、料理の質を向上させ、モダンな味にし、見た目を美しくすることでした。


パスタの歴史に関しては、以前、『パスタレボリューション

を紹介した時に、麺を乾かすこととそれをゆでることの発明は革命だった。”という内容を訳しました。こちらも興味深い内容でした。

パスタは小麦粉と水をこねたシンプルな食べ物、という固定概念を捨てると、パスタは革命でできている、という発想も納得できます。

昔からイタリア人の心に根強くあった、トマトソースのパスタはおふくろの味、という発想。
これに革命を起こしたのが、アルタクチーナのシェフたちでした。
イタリア料理界の革命児だったグアルティエロ・マルケージシェフは、フジッリ、スパゲッティ、パッケロ、パスティーナという4種類のパスタを、まったく同じようにオリーブオイルとおろしたペコリーノで調味する、という実験を行いました。
形の違うパスタは、ゆで時間が違い、つまり歯ごたえが違い、その結果、味が違います。
つまり、パスタの形は味に影響する、と証明したのです。
代々親から子へと受け継がれてきたパスタの味に慣れきっていたイタリア人にとっては、パスタの形を変えることも、革命なのでした。

パスタについて語るマルケージシェフ


次回からは、パスタ研究の分野に新たに加わった重要な1冊になりそうな本『パスタ・フォルメ・デル・グラノ』からお届けします。

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パスタ・フォルメ・デル・グラノ
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