その頃からイタリアを代表する世界的な有名店でした。
やることすべてが伝説になる名店の創業者、ジュゼッペ・チプリアーニの息子が書き残した店の記憶のすべてが詰まった本で、ベネチアや北イタリアの食文化を知ることができます。
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この本には創業の逸話やカルパッチョのことなど、面白い話が数々あるのですが、今回はヴェネトの米料理がテーマなので、今日はあえて、『米』の章(P.157~)を訳してみます。
「・・・
オリエントの国々には米を食べる偉大な伝統がある。
蒸してシンプルに付け合わせとして食べるのだが、イタリア人は米を美食文化の基本の食材にした。
ハリーズ・バーでは米は常にセミフィーノのヴィアローネ・ナノ種を使う。マントヴァと
ヴェローナの間で栽培され、リゾットにもピラフにも最適の米だ。
リゾットに最適な米として、ヴィアローネ・ナノ以外にも、カルナローリが知られていたが、産地がヴェルチェッリ地方だけに限られていて、ヴィアローネより手に入りにくかった。
カルナローリの産地
ヴィアローネ・ナノの産地
レストランにとってのこの米の欠点は、調理時間だ。この米は18分かかる。
お腹が空いたお客にとっては、永遠にも思える長さだ。
リゾットはプリーモ・ピアットなので、待っている時間に何か他のものを勧められないかとも考えた。
ハリーズ・バーにはアンジェロ・ダル・マスキオというベテランの素晴らしいメートルがいた。その彼がとっていたのがこの手段だ。
彼はトルーマン・カポーティー(『ティファニーで朝食を』で知られる天才作家)のお気に入りのメートルだった。
そのことは店の客にも知られていて、彼にサーブされたがる客も多かった。
アンジェロは、リゾットを運んだあとに、パンも何も一切出さないふりをしていた。
彼が担当する客は、彼のサーブを受け入れて文句は出なかったのだった。・・・」
ピラフriso pilaf
ピラフは冷蔵庫で2日間保存できた。
温めるときはフライパンにバター少々を熱し、ピラフを入れてフォークでじっくり混ぜながら、カレー粉やサフラン風味の野菜など他の具材を加えればよかった。
材料/6人分
水・・約1L+野菜のブロードの固形ブイヨン1個
ヴィアローネ・ナノかカルナローリ米・・300g
バター・・60g
半分に切った白玉ねぎ・・1個分
塩
・オーブンを250℃に予熱する。
・鍋に水かブロードを沸騰させて塩を加える。
・重いフライパンにバターを中火で熱し、丸ごとの玉ねぎを加えて焼き色がつくまで焼く(約4分)。
・米を加えて1~2分バターとなじませ、沸騰した水かブロードを加えて米の厚さの2倍の量で覆う。アルミ箔で覆って蓋をし、かき混ぜずに11分熱する。
・オーブンに移して4分熱し、油を塗った大理石の台かオーブン皿2枚にレードルで広げて手早く冷ます。ピラフの一部がポレンタのように鍋肌についていたら焼き上がり。
ピラフは調理時間の長いリゾットの代用品だったとは。
ドリアというイタリアの米料理のことは長年訳していてまったく聞いたことないですが、ピラフはよく聞きます。
この本にも、バレンシア風ピラフというのがスペインのパエリアのようなものと紹介されていました。
次はハリーズ・バーの各種のリゾットのリチェッタを訳します。
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クレアパッソの地方料理書リスト
クチーナ・プリエーゼ
『リグーリアの発酵生地』
『グイド・エ・グイド』
『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ1』
『1001スペチャリタ』
クチーナ・レジョナーレシリーズのドルチェ・ディ・ピエモンテ
“グリバウドのグランデ・クチーナ・イタリアーナ”シリーズ
『クチーナ・ディ・ナポリ』
『ドルチ・ピエモンテージ』
『ロッショーリ』
『イジニオ・マッサーリ』
『ガンブリヌス』
『ハリーズ・バー』
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