2024年11月14日木曜日

カネデルリのスーゴ・プッタネスコがけは、中央ヨーロッパとナポリの組み合わせ。

今日は(CIR7月号)から前菜の2品め、“ミニ・カネデルリとプッタネスカのスーゴ”です。
カネデルリはトリンティーノの料理。ドイツ語のknödelをイタリア語にするとカネデルリと言います。チロル地方の農民料理。

カネデルリ
堅くなったパンを各地の名物食材と混ぜて団子にした1品。
トレンティーノ地方はスペック、チーズ、ミルク、シブレット入り。パンの代わりにそば粉のポレンタを使うバリエーションもあります。組み合わせるワインはピノ・ビアンコ。

そば粉のポレンタ

プッタネスカはナポリのクラシックソース。ラツィオにも広まってます。

イタリアを代表する喜劇役者トト。彼はナポリ出身で、ナポリの伝統を具現化したような人と思われていた。映画『Poverty and Nobility』の有名だけどちっょとショッキングなシーン。

つまりこの料理は、中央ヨーロッパと南イタリアの組み合わせという、なかなか画期的な料理なのです。最初は全然気が付かなかったけど・・・。じっくり料理を見てみると、なかなか面白い料理でした。

ベースはカネデルリ。パンのニョッキです。

リチェッタではヘーゼルナッツ大となってるけど、これは特大サイズなのか、テニスボール大くらいあるよね。ブロードでゆでるのが伝統的リチェッタだけど、(CIR)のカネデルリは小粒にして揚げます。そしてスーゴ・プッタネスカをたっぷりかけます。
スーゴ・プッタネスカは、やっぱりパスタによく合うと思うけど、パンのニョッキにもよ~く合います。

パンのニョッキという山の料理もナポリのソースをかけると夏の料理になります。

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2024年11月13日水曜日

パーネ・カラザウのミルフィーユ。

(CIR)7月号は、きのう発売しました。

6月号が少し遅れたので、7月号は間があかないように急ピッチで翻訳しました。
今月の料理1品目は、前菜の“カラザウ、ナスのクレーマ、ガンベロ・ロッソのミッレフォーリエ(P.2)”です。
サルデーニャのパン、パーネ・カラザウに具を挟んでミルフィーユ状に重ねた料理。徹底的に人力で、独特の製法で作る紙のように薄いパン。長期間旅をする羊飼いが持って歩く保存食。軽くて香ばしくて日持ちする食べ物です。初めて食べたのはミラノのパン屋で買ったもので、病みつきになりました。パンだけでも美味しいですが、これにナスをオーブンで焼いて刻み、ロビオーラと混ぜたクレーマ、生のガンベロ・ロッソのマリネ、ローストしたミニトマトをはさみます。ワインに合いそう。
パーネ・カラザウ

パーネ・カラザウのミッレフォーリエは人気の料理。

水で戻して柔らかくして巻いてインボルティーニにすることもできます。

ホワイトソース・トマトソース・サラミ・チーズを重ねてオーブンで焼いてラザーニャに。

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2024年11月12日火曜日

(CIR)7月号




7月は夏が来た、といういよいよバカンスが始まると言う季節。

料理にも、そのわくわく感が表れています。
夏が来た、というパスタ、カラマラータ。

ネスカフェのアッフォガート



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2024年11月11日月曜日

カラマラータはスパゲッティに合うけど、小イカなら大きさ的にストラッシナーティがお勧め。

今日は(CIR6月号の)“海のパスタから、“小ヤリイカのストラッシナーティ(日本語のリチェッタはp.22)”。
ストラッシナーティは南イタリアのセモリナ粉の生パスタ。

基本はプーリアのオレッキエッテ。下の動画はオレッキエッテとストラッシナーティ作り。
 生地をこねて棒状にするまでは同じで、それをどの指でひっっかくかによってパスタの幅が変わります。オレッキエッテは親指、ストラッシナーティは一人差し指と中指、ニョッキも
このバリエーション。3Dの成形が得意なのが硬質小麦粉の特徴。バリエーションは無数にあります。

イカのパスタなら、カラマラータ。ヤリイカを輪切りにした形のパスタ。でも、ストラッシナーティに合わせるのは、小ヤリイカ。

calamari spilloという小イカは輪切りにせずに丸ごと使う小さなイカ。これがストラッシナーティの大きさによく合うのです。むしろスパゲッティより合うかも。
小イカのスパゲッティ。

ちなみにもうすぐ発売の(CIR7月号)のパスタはカラマラータです。

さらに今月の(CIR6月号)のスクオラの料理は、“イカのリピエーニ”(P.28)。
イタリアの定番イカ料理の一つ。

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2024年11月9日土曜日

ラビオロ・アベルトは、スパゲッティ・ボンゴレのモダンバージョンになるか。

海のパスタ、2品目は“アンコウと野菜のラビオロ・アベルト”です。日本語のリチェッタは(CIR6月号、P.21)。

ラビオロ・アベルトは、マルケージが考案した革命的パスタ。
パスタにイタリアンパセリの葉をはさんで伸ばし、レースのように美しい模様にしたのが特徴で、マルケージの唯一無二の美意識が表見されていますが、技術的には地方料理の代表的ご馳走の詰め物入りパスタ、ラビオリを、閉じない、というどこから降って湧いたのか、と、ただただ感心する素晴らしい発想。とにかく洗練された料理。家庭的な伝統料理もヌーベル・キュイジーヌになります。

伝統的なリコッタとほうれん草のラビオリ。

(CIR)のリチェッタは、8㎝角の四角いパスタでアンコウ、エビ、野菜のゴロゴロした具
をはさんで重ねた1品。乾麺ではなく、生麺と魚の具の組み合わせ。

シーフードの生パスタと言えば、エンリコ・コゼンティーノが考案したシャラティエッリscialatiello

スパゲッティはシーフードとの相性が良いパスタですが、パスタ・フレスカと魚を組み合わせるパスタは他にもあります。記事の3品めのパスタもその一つ。次回はその話。

シーフードのスパゲッティは、イタリア料理のシンボルの一つ。

(CIR)の次号はまもなく発売予定です。
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2024年11月8日金曜日

アネッリ―ニはなすのティンバッロにするとコテコテのシチリア料理だけど、シーフード、野菜、フルーツと一緒にサラダにすると、おしゃれでモダンな料理に大変身。

今日は(CIR6月号)から“海のパスタ”、つまりシーフードのパスタの話です。
1品目は“アネッリ―ニ、シーフード、きゅうり、マンゴーのサラダ(日本語のリチェッタはP.20)”
パスタの形がポイントの記事ですが、この料理のパスタは、アネッリ―ニanellini。

アネッリ―ニ。小さなanello(指輪型のパスタ)。

シチリアのなすのティンバッロは、このパスタで作るのが定番。

ラグーであえてオーブン焼きにするイメージが強かったのですが、それをシーフ―ドサラダにしてしまうという、まさに今時の料理に大変身。
こてこてのシチリア料理も、シーフードとサラダというキーワードで、すごく洗練された1品になりました。

シーフードのサラダ。insalata di mareとショートパスタの組み合わせ。

6月号のリチェッタでは、ムール貝、アサリ、イカのサラダにマンゴーを加えてます。フルーツのエキゾチック感で美味しさアップ。

魚の前菜、エビとマンゴーのサラダ。

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2024年11月7日木曜日

マルサラはイタリア統一とトラファルガ海戦のネルソン提督がシンボルにした勝利のワイン。今はイギリス人がくる前のマルサラに戻ろう、という流れも。

マルサラの話をしてます。
ガリバルディの次にこの街の運命を大きく変えたのは、イギリス人のジョン・ウッドハウス。
彼はポルト酒やマデラ酒、シェリーの代わりになるものを探していました。そしてスペインのワインに似た強いワイン、“ペルペトゥム”を見つけます。

酒精強化ワインの代表、ポルトガルのポートとスペインのシェリー。

イギリス人はシェリー大好き。

マルサラで見つけたワインをイギリスに運ぶためにウッドハウスはアルコールを添加してアルコール度を上げます。
このワインはトラファルガーの戦いでフランス・スペインの連合艦隊に勝利したネルソン提督のお気に入りになり、彼はこれを勝利のワインと名付けます。

この戦いの勝利はイギリスの歴史に残る出来事。
マルサラも人気になります。

ネルソン提督

マルサラの人気を世界的なものにしたのはフロリオ。
フロリオのカンティーナ。

シチリアの貴族たちの物語なら、ヴィスコンティの『山猫』という美しき大傑作があります。ただし舞台はサリーナという村で、マルサラは出てきません。

『山猫』のトレーラー

マルサラはワインと塩の街。


シチリア東部の有名レストラン、レ・ルミエ。シェフは店の横の畑で父親と一緒に野菜を栽培している。

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2024年11月6日水曜日

ワインと塩とガリバルディが上陸した街、マルサラ

マルサラは、いつかは行ってみたい街ですが、行くからにはその歴史を知っておかないともったいない。

マルサラの歴史

マルサラは、ワインと塩とガリバルディが上陸した街です。
ガリバルディはイタリア統一運動の立役者。
マルサラは、イタリア統一運動が始まった街とも言われています。1860年5月11日に、ガリバルディと彼の義勇軍がパレルモで起きた反乱を収めるためにマルサラに上陸したのがきっかけでした。マルサラにはガリバルディ門という門があります。もちろん、ガリバルディがこの門を通りました。

ポルタ・ガリヴァルディ

数千年のマルサラの長い歴史を考えると、まだまだ新しい出来事。さらに新しい出来事がワインのマルサラの登場。
しかも現在のマルサラのワイン学を代表する人物は、1975年生まれのニーノ・パラッコという若い作り手。

ニーノ・パラッコ

彼が力を注いでいるのはグリッロ、カタッラットなど地元品種の栽培。

バラッコのカンティーナ

イタリア統一運動にはピエモンテのワインも必ず登場する。北の人気者はカブール。


マルサラの話、続きます。

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2024年11月5日火曜日

マルサラを世界的に重要な美食上の食材にした料理、スカロッピーネ・アル・マルサラ。マルサラは、このワインをシチリアからリバプールまでアルコールを安定させて運ぶ方法として考え出された。

(CIR6月号)のリチェッタから、90年代以降、イタリアンのニュー・クラシックとなった料理を紹介しています。
今日は肉料理。
リチェッタは、“鴨の胸肉のグリーンペッパー風味”
“”鶏のマスタード焼き”
“タリアータのミニトマトとルーコラ添え”
“スカロッピーネ・アル・マルサラ”
どれも確かにイタリアンの定番メニュー。
今日取り上げるのは、“スカロッピーネ・アル・マルサラscaloppine al marsala”です。リチェッタの日本語訳は(CIR6月号P.15)

子牛肉料理ですが、豚肉で代用できます。
私がこの料理を初めて食べたのも豚肉料理でした。豚肉の薄切り料理は、生姜焼きぐらいしか食べたことがなかった当時の私は、豚肉ってこんなに美味しいの、とビックリしました。
これが子牛肉だったら、もっとおいしかったかも・・・。そもそもこの料理は子牛肉の一番柔らかくて貴重な部位を使う料理。スカロッピーネはフランス語のescalopが語源。

スカロッピーネのクラシックはレモン風味とマルサラ風味。
スカロッピーネのレモン風味

子牛肉料理で知られるのはロンバルディア。
さらにこの料理のポイントはマルサラ。
この料理が広まることでマルサラも広まり、マルサラが重要な美食上の食材になった。

スカロッピーネ・アル・マルサラは、ロンバルディアとシチリアの出会い。

ロンバルディアの子牛肉料理、オッソブーコ。

ロンバルディアの中心地、ミラノの料理を紹介するミラノ出身のマルケージ。

マルサラは歴史と文化と自然に満ちたワイン。昔はマルサラへの注目度はもっと高かったようで、そのとても面白い歴史を解説する記事もたくさん訳しました。マルサラにやってきた外国人はみんなマルサラに夢中になったようです。1773年イギリス人のジョン・ウッドハウスは、長い航海を経てこのワインをリバプールまで持ち帰る方法として、ワインにブランデーを添加してアルコールを安定させる方法を考え出しました。

スカロッピーネ・アル・マルサラの歴史に、リバプールが関係していたなんて。マルサラは、以前はよく知られていたけど、次第に忘れ去られていくんだなあ。


酒精強化ワイン

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