2024年11月16日土曜日

セナトーレ・カぺッリはすべての硬質小麦の父と呼ばれる小麦。たんぱく質の含有量が高く、貧者の肉、と言われるほどでした。

イタリア料理を象徴する食材、小麦の話を続けます。
硬質小麦と軟質小麦の区別は、1900年代初めに導入されました。
最も一般的なパンに使われる00タイプの小麦粉が軟質小麦粉で、硬質小麦からは若干大粒のセーモラsemolaを作りました。

軟質小麦と硬質小麦

セーモラは乾燥パスタの原料になり、南イタリアでは生パスタもセーモラで作りました。

と言いながら、北部でも硬質小麦は栽培されています。

セーモラのパンは黄色みが強く、味も独特。代表的な古代小麦の軟質小麦は、ジェンティル・ロッソで、1920~30年頃、最も普及していた。天然酵母のサワードウのパンに適していた。硬質小麦粉では、セナトーレ・カぺッリが代表的。

ジェンティル・ロッソ

セナトーレ・カペッリ小麦は、偉大な農業遺伝学者のナザレノ・スタンペッリがアフリカ産小麦から生み出して、農業改革の功労者、カッペッリ上院議員の名前を付けたもの。
セナトーレ・カペッリは素朴な小麦で、高温や乾燥、大雨などの環境のストレスにあまり敏感ではないので環境に左右されにくい。

セナトーリ・カペッリ小麦


セナトーレ・カッペッリ小麦のパン

セナトーレ・カペッリのパスタ

一時忘れ去られていたが、特殊で個性的なパスタメーカーに見出された。
もっと普及していたピッコロ・ファッロは、粒状で食べてもおいしいが、粉にして上質な味の乾麺や生麺のパスタにした。
ちなみにファッロにはスペルトコムギ、エンマーコムギ、ヒトツブコムギの3種類があり、ピッコロ・ファッロはヒトツブコムギ。スペルトコムギはファッロ・グランデ。

セナトーレ・カペッリには乾燥に最適の温度と時間がある。
例えばスパゲッティなら80~100℃の高温で8~10時間かけてパスタの水分を飛ばす。たんぱく質の含有量の多いカペッリ小麦は水分を発散させにくいので、スローな作業が求められる。たんぱく質には、調理によってパスタが煮崩れしにくくなる働きもある。これは完璧な料理に求められる条件。

小麦の話をするとどんどん深みにはまっていきます。
そもそものきっかけは、(CIR7月号)のリチェッタのファッロのタリオリー二でした。
ちょっとここらでファッロの話に戻します。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================



0 件のコメント:

コメントを投稿