イタリアのロゼワインの有名な産地は、アブルッツォ、アルト・アディジェ、トスカーナのボルゲリなどがありますが、プーリアのロゼが生まれたサレント地方は、海の間にある他に類を見ない特殊や地方。ぶどうをロゼワインにするというのは、気まぐれな流行に左右されない、最低200年に渡る習慣や文化と結びついています。
1940年代に、レオーネ・デ・カストリスがイタリアで最初のビン入りのロゼワイン、ファイブろローゼスを発表します。このワインはサレント半島の西海岸のレストランには必ず置いてあります・デ・カストリスはスペイン系の侯爵が1665年に始めたカンティーナが元。
第二次大戦時、連合軍のアメリカ人物資補給将校チャールズ・ポレッティ将軍がレオーネ・デ・カストリスのロゼワインを気に入り、それを瓶詰めするように依頼したことがきっかけで誕生します。1945年にアメリカに向けて最初に出荷されたのは、1943年のヴィンテージのリゼルヴァでした。アルコール度は14%程度。
物資補給将校の名前が21世紀まで伝わっているのもすごいけど、アメリカがイタリアに残した影響も大きかったんだなあ。ファイブ・ローゼスは、スペインの貴族とアメリカの軍人が生み出した傑作だったんですね~。
ワインを瓶詰めすることは、当時のイタリアではすごく大変なことでした。当時イタリアは北部をドイツ軍に占領されていて、ドイツ軍は強固な防衛線を張っていたため、北と南は分断状態にあったのです。ところが、ワインのボトルのメーカーは、すべてドイツ軍の占領地内にありました。レオーネ・デ・カストリスは。新しいボトルが手に入らない。そこで、地中海のひらめきとアメリカの実用主義を組み合わせたような解決策を生み出しました。ボトルのリサイクルです。集められたボトルは、ビール瓶を初めとする様々な飲み物のボトル12000本以上でした。この中に詰められたワインには、“ファイブ・ローゼス”というラベルが貼られました。
ワインの名前はぶどうがサリチェ・サレンティーノのチンクエ・ローゼという地区で造られているところからつけられました。デ・カストリス家では何代にもわたって5人の息子がいたことから、こう呼ばれていたそうです。英語にしたのは将校がアメリカでの流通を見込んで英語の名前を希望したためでした。
ファイブ・ローゼスはイタリアのロゼワインの代名詞になるほど有名になりました。最初は14%あったアルコール度は、現在は12.5%になっている。生産量は約30万本。ぶどうはネグロアマーロとマルヴァジア・ネラの素晴らしいミックス。
レオーネ・デ・カストリス。
レオーネ・デ・カストリスのカンティ―ナ・アペルテ。
レオーネ・デ・カストリスのファイブ・ローゼスは、澄んだ朱色、フルーティーな香り、ドライで滑らかな熱い味のワイン。
ネグロ・アマーロはサレント地方を代表するぶどう品種。
次回はこのぶどうの話。
今日の話は(CIR2023年7月号)の記事、“プーリアのグルメガイド”のビジュアル解説です。記事の日本語訳と写真はP.16~。
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