2025年2月28日金曜日

じゃがいものニョッキのフリットは、ニョッキをフィンガーフードにするいまどきの料理。鶏肉のコトレッタのカルピオーネは、魚のリチェッタを鶏肉で応用したこれもいまどきの料理

(CIR11月号)の料理の解説です。
今月の料理のテーマは、フードインフルエンサーの自慢の料理。
さて、どんな料理があるのでしょうか。
1品目は、“ポテトのニョッキのフリットとピーナッツのソース”です。
そっか~、ニョッキはじゃがいもでできてるんだった。これを揚げたらちっょと変わったフライドポテトになるかも。着目点はなかなか面白い。しかも、料理の写真を見てください。今時の人は、ニョッキを揚げて紙袋に入れ、ニョッキをおしゃれなフィンガーフードにしてしまってます。
ソースはピーナッツとギリシャヨーグルト、レモン汁、ミント、シブレットなどをミキサーにかけたもの。これにニョッキを浸して食べるんですね。ドラマかなんか見ながらポテトチップスを食べるのは、昔はカウチポテトとか言ったんですが、今時は、フライドニョッキ。


どんな動画があるか探してみてビックリ。フライドニョッキの動画が溢れてます。いつの間にこんなに広まっていたのか、初めて気が付きました。

ベースはもちろんじゃがいものニョッキ。


次の料理もとても今時で、かなり広まってます。
“鶏肉のコトレッタのイン・カルピオーネ”です。
魚料理に使うリチェッタを肉に使って夏向きの1品にした料理。

カルピオーネ

ニョッキのフリット、サブスクのドラマでも見る時に用意しとくと楽しそう。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
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2025年2月27日木曜日

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2022年11月号)発売しました。



秋の号です。森と田舎が主役になる季節。イタリア料理の主役は大分北に移ってきました。イタリアの秋は食べ物が美味しくなり、暖炉に火がつけられ、ワインの産地が最も輝く季節。
秋が過ぎるともうクリスマス。その前の、短くて、美しい季節です。

今月のグルメガイドはランゲ。
バローロのぶどう畑、バーニャ・カウダ、トリュフ、タヤリン、ソフトチーズ、うさぎ肉、ヘーゼルナッツの産地のエノガストロノミアの丘。

ランゲ

イタリア料理に興味のある人なら、そのワインを味わうために一度は訪れてみたい地方。
トリュフもとれるし、タヤリンなどの名物料理もあります。

2022年の(CIR)の定期購読は、12月号で1年、12冊となり、終了となります。まだ12月号が残っていますが、この1年間ご利用ありがとうございました。
定期購読継続の場合は、来月から2023年版が始まります。イタリアの料理月刊誌というイタリア発のイタリア料理の本格的で最新の情報を日本語に訳した(CIR)。この機会にぜひご検討ください。

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2025年2月26日水曜日

ピアチェンツァ名物ピザレイ・エ・ファゾーはローマや聖地まで行く巡礼者にふるまった料理。ファゾーは豆のこと、ではピザレイは?

今日の料理は、ピアチェンツァ名物、“ピザレイ・エ・ファゾーpisarei e fasò”です。
参照した本は、昔から愛用しているイタリア料理事典1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ

“ピザレイ・エ・ファゾー”という一度聞いたら忘れない個性的な名前は、以前にも聞いたことはありましたが、具体的にどんな料理なのかは、全然知りませんでした。もちろん、ピアチェンツァの名物ということも。この本によると、ピアチェンツァの街中のレストランで出している料理だそうです。そもそもは、フランチェジェーナ街道を通ってローマまで行く巡礼者に修道院がふるまった美味しくて栄養がある料理で、誕生したのは中世。

フランチェジーナ通りは、
イギリスのカンタベリーからローマ、聖地へ続く港があったプーリアまで続く重要な巡礼道。


ピザレイ・エ・ファゾーという名前からは、多分いんげん豆(ファジョーリ)が入っていることは想像できます。ただ、当時はまだインゲン豆はアメリカ大陸から伝わっていない時代。トマトもまだありません。この時代に手に入ったのは黒目豆でした。

黒目豆、英語ではブラックアイドピーズ。■■■

さて、問題はピザレイ。これはニョッキという意味。語源はスペイン語のpigiare、ニョッキを指でピジャーレ(潰す)して作った所からこう呼ばれました。(CIRP.29)のリチェッタにもあるように、ピアチェンツァの主婦の技量は、ピザレイを上手に作れるかどうかで決まりました。豆粒大のニョッキを親指で潰し、ゆでている間に開かないように閉じ、豆のスープでゆでます。

ピザレイ■■■


それにしても(CIR)のこの料理の説明は、ちょっとショッキング。そもそも主な材料はパンです。しかも普通のパンじゃなくて、カビが生えそうな古いパンだって。まあ、修道院で巡礼者に無償でふるまった料理が贅沢品の訳はないけど、それにしても言い方・・・。このやばそうな古いパンをおろして小麦粉と熱湯を加えてこねたものがピザレイ。古いパンの有効利用法として考え出されたのは一目瞭然。熱湯を加えたのも薬品を使わない消毒方法だって。だから言い方・・・。当時の修道士たちのけちぶりは徹底してたんですね。

背景を知ってから見ると、これだけおしゃべりしながら手元も見ずに作るのが、すごい技だと分かる。■■■

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2025年2月25日火曜日

イサ・マッツォッキのバッカラ・マンテカートのタリオリーニ

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2022年10月号のシェフは、現在注目のピアチェンツァ出身のイサ・マッツォッキシェフ。故郷、ピアチェンツァとの親密な結びつきを料理で表すシェフ、ということで、まずはピアチェンツァの名産品を紹介しました。

イサ・マッツォッキ

ちなみに、ポー河に接するエミリア・ロマーニャ州の街、ピアチェンツァ。
エミリア・ロマーニャの食文化を伝える傑作本としてお薦めなのが、
ブルーノ・バルビエリ/ビア・エミリアです。
ポー河添いの町で育ち、料理人になったブルーノ・バルビエ―リの子供自体に体験したエミリア・ロマーニャの町の食文化と農民の暮らしが美しいイラストで語られる本です。エミリア・ロマーニャに親戚はいないけど、この本のおかげで、エミリア・ロマーニャの農家にサマーキャンプに行ったことがあるような気分になれます。
この本で初めて知ったのが、“aia”という言葉。脱穀場という意味だそうです。ここは家禽が放し飼いされる場所。家禽というと鶏あたりが一般的ですが、エミリア・ロマーニャのポー河添いの農家では、豚を飼っていました。ただ、豚舎があって何匹も飼っていた、というのとは違って、家族で消費する豚の脂身(豚は肉より脂身のために飼っていました)のためでした。そして毎年、寒さが厳しくなると豚を捌きました。

アイアとオルト/脱穀場と畑


豚と農家の関係を描いた漫画と言えば荒川弘の『銀の匙』
『銀の匙』トレーラー

飼ってる豚を食べる、ってぃう超ショッキングな話。でも、この本は、捌かれる豚の悲鳴が忘れられないという、もっと具体的でリアルな話で、家の庭で豚を飼ってるこの地方の農家の暮らしが強烈に伝わりました。この日はワインもふるまわれて年に一度のお祭り状態だったようです。

さて、イサ・マッツォッキシェフの1品目は、“じゃがいも、パンチェッタ、バッカラのタリオリーニ”。
パンチェッタがピアチェンツァの名物ということは伝えてきましたが、面白いのがバッカラです。
バッカラはノルウェーから運ばれて北東イタリアに広まった干ダラ。このパスタのベースは、ベネチアの名物料理、“バッカラ・マンテカート”なのです。この料理はピアチェンツァでも名物。

バッカラ・マンテカート


バッカラ・マンテカートは、バッカラをクリーム状に煮崩したベネチアのオステリア、バカーロのつまみ、チケッティの人気の1品。
普通はパンのクロスティーニやポレンタにのせます。それをタリオリーニのソースにしたのがイサの料理。

バッカラ・マンテカートのパスタ
残ったバッカラ・マンテカートを牛乳で溶いてソースにしたパスタ。
イサのリチェッタ(P.27)ではバッカラ・マンテカートをヴェッルタータ・クリームにしてパスタとあえます。さらにじゃがいものクリームとパンチェッタ・ピアチェンティーナも添えます。


P.28の“ピザレイ・エ・ファゾー”は、ピアチェンツァのシンボル料理、ピザレイ・エ・ファゾーのアレンジ。

ピザレイ・エ・ファゾーはとても素朴な料理だけど、その背景を知ると、なかなか面白い1品。

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2025年2月22日土曜日

口の中で溶ける、と言われるのがピアチェンツァのパンチェッタ。パンにのせて炙ると美味しいのがカラブリアのパンチェッタ。もちろん唐辛子風味。


ピアチェンツァの名物、ということで、パンチェッタを取り上げています。
パンチェッタは、豚バラ肉、またはその塩漬け。
ロールタイプのアッロトラータarrotolataと平らなテーザtesaの2種類があります。
パンチェッタ・テーザの黒こしょう風味

パンチェッタ・アッロトラータ

パンチェッタ・ピアチェンティーナはDOP製品。
DOPとIGPは、サルーミに関するEUの規定。
DOPは規定がより厳格で、3つの必要条件を満たした製品。さらに全ての製造過程が指定地域の中で行われる。
つまり主要食材(豚肉)の産地、飼育、加工が具体的に決められた方法に基づいて行われている。その結果、五感や栄養的特徴が製品に表れる。
IGPは産地以外の2つの条件を満たしている製品。
DOPは子豚の誕生から製品の出荷までがイタリア内で行われ、製品の衛生管理が行政の手で最大限把握されている、言い換えれば安全が保障されている、ということ。
ピアチェンツァのパンチェッタは、昔から知られる名物で、評価も高かった。そのベースにはこの地域の塩漬けの技がある。塩漬けはピアチェンツァの全域で行われるが、熟成は標高900m以下との規定がある。
昔から高価なもので、貴族しか口にできなかった。
ピアチェンツァのパンチェッタは、食べると口の中で溶ける。甘さとスパイスの香りが特徴。つまり脂身の美味しさだ。
ピアチェンツァのパンチェッタの産地、ポンテ・デッオーリオPonte dell'Olioでは毎年パンチェッタ祭りが開催されている。

ポンテ・デッオーリオのパンチェッタ祭り

ピアチェンツァDOP管理組合、ピアチェンツァではコッパcoppaも名物

イタリアには、ピアチェンツァ以外もう一つDOPkのパンチェッタがある。カラブリアのパンチェッタだ。

パンチェッタ・カラブレーゼ

カラブリアの食材ですから、当然、唐辛子風味。表面にまぶされてる赤いのは唐辛子です。
カラブリアのパンチェッタはアッロトラータではなくテーザなのが特徴。さらに強い香りと甘い味。田舎パンやポレンタとよく合う。

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2025年2月21日金曜日

イタリアの田舎の祭りの日は、豚のカロリーが蓄えられている脂肪と貴重なたんぱく質の赤身を味わうことができる幸せな日だった。文化や気候が多様なイタリアではその伝統を映し出す多様なサルーミが生まれた。

ピアチェンツァとの親密な結びつきを料理で表すシェフの話に入りました。
ピアチェンツァは、エミリア・ロマーニャ州の街。その名物の一つは、パンチェッタ。
シェフのリチェッタ(P.27)にも登場している食材ですが、ただのパンチェッタではなく、パンチェッタ・ピアチェンティーナと、ピアチェンツァ産を指定しています。

パンチェッタ・ピアチェンティーナ。

そもそも、パンチェッタとは・・・

『総合解説2011年8月号』には、こんなおもしろい記事の訳が載っていました。
イタリアが世界に誇る食材、サル―ミの話です。

なぜイタリアには様々な生ハムやサラミがあるのだろうか。
その理由の手掛かりは古代ローマ時代にある。絶え間なく労働と戦いが続く厳しい時代。食事は栄養価の高いものが求められた。サル―ミはこの要求に応えることができて、同時に、第二次世界大戦後まで常に不足していた貴重な動物性たんぱく源だった。
雑食性の豚はアリステレスも言うようにすぐに太るというので、かつては子供にとっての初めての貯金箱は陶器製で豚の姿をしていた。
毎日家庭の生ごみや都市の周囲の広葉樹の森の草を食べて太るので、貴重なカロリーとたんぱく質の節約にもなる。ちなみに、昔は森の広さを図る時は、そこで餌を食べている豚の数を数えたという。祭りの日には、豚のカロリーの大部分が蓄えられている脂肪と、貴重なたんぱく質の赤身肉を味わうことができる幸せな日だった。
余った部位をできるだけ長く保存するにはどうしたらよいのか、これが問題だった。
イタリアは地域によって気候が様々で、文化や食文化も多様だ。そのためにリチェッタには豊富なバレエーションが生まれ、その結果様々な種類のサルーミが誕生した。サルーミにはイタリアの伝統が映し出されているのだ。
サルーミを分類する場合も、もも肉、肩肉、パンチェッタなど単一の部位を使ったプロシュット、コッパ、パンチェッタなどと、赤身と脂身の挽肉をミックスしたサラミに分けることができる。
前者は熟成が可能で、生ハムの場合、長いものだと2年以上、一方サラミは大きさによるが数か月で出来上がる。
少しでも長く保存する方法は、地域ごとに数多く考え出されてきた。
寒い地域では太陽の光が乏しく、乾燥させにくいので、暖炉の熱を利用してスモークした。代表的なのはスペックだ。
ちなみにパンチェッタをスモークしたものがベーコン。両者は明確に違う食材。

そういえば、先月の(CIR10月号)の、“イタリアを象徴する歴史的食材”という記事で、そんな食材の一つとして紹介されていたのがジベッロのクラテッロ。イギリスのチャールズ皇太子、今やイギリス王のチャールズ3世は、その秘密を知りたがったそうです。彼は毎年エミリア地方で大量のクラテッロを注文していて、自分でも作りたがったそうですが、その材料を見つけ出すのは不可能だったそうです。それはポー河から離れた地の湿度と霧だ。地元で飼育された豚に手作業で塩をまぶし、網で包んでまず1週間高湿度で熟成させ、室温13~17℃の熟成庫で最低10ヵ月熟成させる。
これらの厳しい規制や産地の独特の気候のお陰で、均質な赤い肉と輝く白い脂肪、強い個性的な香り、甘くてマイルドな味が生み出される・・・。

ジベッロ


気がつけばすっかり豚肉の世界。
出典は『総合解説2011年8月号』料理月刊誌『a tavola』の記事からでした。

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2025年2月20日木曜日

牛肉が主役のピエモンテのランゲ地方から、今度は豚肉が主役のエミリア・ロマーニャのヴァル・ティドーネ地方のピアチェンツァ。両者はたいして離れてないけど、共通項は“北“イタリア。

(CIR10月号)のシェフは、ピアチェンツァのイサ・マッツォッキシェフ。
ピアチェンツァは、たま~に聞くけど、行ったことないなあ。たしか、エミリア・ロマーニャ州の街。

ピアチェンツァは北イタリアの街。ミラノからわずか78㎞だけ南にある。でも、きのうまで取り上げていたピエモンテのランゲ地方とは、明らかに違う文化の街。ポー河に面しています。
個性豊かな食文化の街が多くて、食でイタリアを巡るのは楽しい。

ピアチェンツァ

ヴァル・ティドーネ地方にある街。
ヴァル・ティドーネ。

ピアチェンツァの特産物
中でも、パンツェッタなどのサルーミ類、ピザレイ・エ・ファゾイ、バッカラのピアツェンツァ風あたりが有名。

ピアチェンツァDOPのサルーミ。
パンチェッタもこの地方の名物。

ピエモンテで牛肉の扱い方を見て、この人たちこそ肉食~と感じたものだけど、ピアチェンツァのサルーミを見てると、豚肉を扱わせるならやっぱりランゴバルド系、ゲルマン系と感じてしまう。

久々の北イタリアの話題ですが、寒くなると、イタリアの食の中心地はどんどん北に移る。

イサ・マッツォッキは2021年ミシュランのベスト女性シェフに選ばれた人。リストランテ・ラ・パルタのシェフ。ピアチェンツァとヴァル・ティドーネ地方のは親密な結びつきを料理で表す人。

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2025年2月19日水曜日

クーニャはドルチェットかネッビオーロというワイン用の黒ぶどうやランゲ名物のトンダ・ジェンティ―レ種のヘーゼルナッツを暖炉で煮込むという、日本では絶対作れないようなソース。

(CIR10月号)で取り上げた地方料理は、“クーニャ”でした。

クーニャ

ぶどうのモスタルダと呼ばれることもありますが、北イタリアのモスタルダの特徴であるからしの辛さはない。

季節のフルーツの自家製モスタルダ
切り分けたフルーツに砂糖をまぶして24時間休ませ、鍋に移して水を少量加えて煮込み、24時間休ませ、マスタードエッセンスを加えて密閉容器に入れて保存する。

クーニャは、ワインにはすっぱすぎる小さなぶどうの房を枝につけたままにして、収穫してから圧搾してじっくり煮たもの。
収穫が終わると暖炉の上にモストの鍋を置き、家中に美味しそうな香りを立ち込めさせて泡を取りながら煮込む。砂糖は加えないが、煮詰めたモストは当時の農民にとっては貴重な農園の秋のフルーツ、りんご、マルメロ、洋梨、いちじく、ヘーゼルナッツを加えたもの。
そもそもドルチェットもネッビオーロも手に入らないけど、暖炉で煮るという、ハードルの高さ。これを日本で作ったらすごいのができそう。

ランゲ地方の名物、ボッリート・ミストに欠かせないソースの一つですが、そもそも、この地方にはブーエ・グラッソという世界でも最大級の牛が飼育されていて、肉食文化の本拠地のようなところ。肉屋かというくらい肉を食べる。ピエモンテ風ボッリートには7種類の部位を使う。肉を薄ーく切って焼くのではなく、どーんと塊肉をゆでる。その時点で、魚の切り身を食べてる国には到底理解できない料理。さらに、クーニャもランゲの住民でないと、作れないソース。なにしろ、地元のワイン用黒ぶどう、つまり、ドチェットかネッビオーロを使うのです。しかも、この地方のもう一つの名物、ヘーゼルナッツまで入っているのだから、これはもう、ピエモンテのランゲじゃないと作れない料理。もちろんヘーゼルナッツはトンデ・ジェンティーレ・ディ
ランガという地元の有名な品種。
ちなみに、もうすぐ発売の(CIR11月号)のグルメガイドはランゲ地方。
この地方の名物を取り上げています。この地方には、牛肉とバローロだけじゃなく、トリュフにタヤリンと、美味しい名物もたくさんあります。

そもそも牛肉はピエモンテ種の牛肉を使うのがピエモンテ風ボッリート。
大鍋に香味野菜とハーブを入れて湯を沸かし、下ごしらえした塊肉を入れて約2時間ゆでる。
ソースはイタリアンパセリのバニェット・ベルデなど7種類用意する。各部位は約1㎏。
イタリアンパセリ25g、アンチョビ4枚、パンのクラム20g、ピネガー大さじ1、ゆで卵の卵黄1個、にんにく、ケッパーを刻み、オリーブオイルを加える。
この肉の塊を見るだけで、簡単に肉食にはなれない、肉食甘く見ててごめんと言いたくなります。

(CIR11月号)はもうすぐ発売予定です。

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