2024年12月17日火曜日

コルヌコピアとトリナクリア。前者は収穫祭の装飾、後者はシチリアのシンボル。どちらも表しているのは豊穣。グラン・シェフの料理のテーマにぴったり。

今月の(CIR)のグランシェフは、ピーノ・クッタイアシェフです。
シチリアのリカータのリストランテ・ラ・マディアのシェフ。出身地で店を持ったわけですが、その前にピエモンテに行き、学生として過ごした後に、トリノで料理人として働き、シチリアに戻り、独学で料理人としての腕をみがき、2000年に店をオープン、2006年にミシュランで最初の星を獲得、2009年に2つ目を手に入れています。
アバンギャルドで個性的で知的な料理を作るシチリアでは注目のシェフです。

ピーノ・クッタイアのシチリア料理

ピーノ・クッタイアのナスのカンノーロ・シチリアーノ

リカータのレストラン・ラ・マディア

(CIR)の記事では、前菜からデセールまで、5品のリチェッタが紹介されています。
最後の“カンノーリのコルヌコピア”は、イタリア語では“ラ・コルヌコピアla cormucopia”という料理名でした。

コルヌコピアとは何?


上の動画では、感謝祭の頃に見る装飾品だと言ってますね。角型のバスケットで、フルーツや野菜が詰まっています。豊穣や豊かさの象徴です。感謝祭の装飾、ということはシチリアじゃなくてアメリカの文化。


ピーノ・クッタイアシェフは、これをカンノーリで造りました。リチェッタはP.24。アメリカの文化が見事にシチリアとフュージョン。でも、感謝祭のコトは全く知らない私がこのカンノーリを見て最初に思い浮かんだのは、トリナクリアTrinacrinaです。
シチリアのシンボルであり象徴と言われている3本足の中央にメドゥ―サの頭という、ちょっとグロテスクな姿。でも、これはシチリアの豊かさを表しているのだそうです。つまり豊穣のシンボル。


ピーノ・クッタイアシェフのカンノーロ。


コルヌコピアもトリナクリアも、見たとはあるけど意味は知らなかった。料理のモチーフにピッタリだけど、さすがにトリナクリアをベースにした料理はまだ見たことない。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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