きのうのティンバッロは、こてこてのシチリアの地方料理のアルタ・クチーナのシェフによるアレンジでした。
イタリアのアルタ・クチーナは、一昔前から、地方料理を軽く、モダンにすることに全力で取り組んでいるようです。
今日の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の料理は、トスカーナ料理、パッパ・アル・ポモドーロのモダンなアレンジです(リチェッタの日本語訳は7月号P.3)。
下の動画はトスカーナのオステリアのシェフが、おばあちゃんのリチェッタで作る1品。かなり素朴で田舎風の質素な農民料理ですよね。これが、どうすれば軽いモダンな料理になるのでしょう。
リチェッタは、(CIR)も動画も、まずトマトソースを作ります。
そして固くなったパーネ・トスカーノを加えてトマトソースを吸い込ませます。
これを煮崩してバジリコとオリーブオイルを加えてマンテカーレします。
なるほど、かなり素朴で、見た目は離乳食のよう。
この料理を、オリジナルにほとんど手を加えることなく、今どきな1品にしたのが今月の(CIR)の料理です。
解決策は、パルミジャーノの皮の真っ白いスプーマで料理を覆う、というもの。
真っ赤なズッパに真っ白のスプーマが載っているというのは、見た目のインパクトが強烈です。
ボットゥーラシェフの歯ごたえの違うパルミジャーノの使い方↓
パルミジャーノのスプーマは、ボットゥーラシェフの得意の使い方。
彼の本『マッシモ・ボットゥーラ・パルミジャーノ』
でも、ズッキーニの花から温泉卵、ジェラートまで、さまざまな料理の仕上げにスプーマをのせています。
パッパにのせたスプーマは、パルミジャーノの皮を浸した牛乳から取ったブロードをサイフォンで泡にします。
パンをトーストする時にオイルとレモンの皮のすりおろし少々を散らすというのも美味しそうなアレンジ。
生ハムの骨から取ったブロードをスプーマにする、というテクニックもあります。
生ハムはよく熟成させたものを使うそうです。
パルミジャーノの皮でブロードを取るリチェッタは、おばあちゃんが教えてくれたそうです。彼はこの泡を“パダナ平野の霧”と呼んで、故郷の象徴として使っています。
2015年のミラノ万博ではパルミジャーノの皮がテーマの発表をしたボットゥーラシェフ。
金儲け以外にも地域社会と積極的に関わっていこうとする姿勢が尊敬できるシェフ。
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ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
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“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
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