1品目はサルデーニャのパナダでした。ちょっとマイナーな料理でしたが、2品目はもっとメジャーな、バーニャ・カウダです。バッサ・ピエモンテ料理のシンボルで、その起源は中世後期にさかのぼると言われている農民料理。でも正確には中世プロヴァンスで生まれたと考えられています。
当時ピエモンテワインのカンティーナでは、新ワインの樽を開ける時や畑でその年の作業が終わった時など大切な出来事があると、この料理を作って祝いました。バーニャ・カウダの背景をちょっと探ってみましょう。
バーニャカウダ。
ピエモンテでもごく一部でオリーブオイルは作られていましたが、とても貴重で高価なものでした。そのため、オリーブオイルの代わりにくるみ油を使うこともよくありました。オリーブオイルに関しては、ピエモンテではお隣のリグーリア産エクストラバージンオイルが大人気。
リグーリアのリヴィエラ・リグレのオリーブオイル。
アンチョビに関しては、ピエモンテのヴァルマイラ地方(クーネオ)にアンチョビの行商人たちがいました。彼らは1日40キロも歩いて北イタリアにアンチョビを売ってまわっていました。残りの食材、にんにくと野菜は昔からピエモンテにはたっぷりありました。“畑の所有者は必ずにんにくを栽培すること”、と定めた法律もあったほど。
1品料理の姿になる前のバーニャ・カウダは、仲間が大勢集まってバルベーラやノヴェッロのような若いワインを飲みながら、わいわいと賑やかに、時間をかけて夕食をとる時の料理でした。
昔はバーニャカウダを食べる時は炭火の上に置かれたソース入りの鍋を囲んで人々が座り、野菜と“グリッサ”と呼ばれるピエモンテの古いパンを用意しました。
バーニャ・カウダの材料は、アンチョビはスペイン産がベスト、にんにくは地元産、オリーブオイルはリグーリアのデリケートなものが最適、と考えられていました。
スペインのカンタブリコのアンチョビ。
昔から、にんにくとアンチョビはたっぷり入れるのが基本。基本はにんにくとアンチョビは同量ずつ。一人前ににんにく1玉とアンチョビ100gも入れます。
でも、このにんにくの多さは上流階級の人からは敬遠されました。バーニャカウダを同時代するには、まずにんにくの量を減らすこと。
バーニャ・カウダとは熱いソースという意味。これに野菜を浸して手づかみで食べるのがバーニャ・カウダのお作法。
しかも大量のにんにくを使う、イメージ的にはかなりワイルドな料理。
バーニャ・カウダ。伝統的には1年間の畑仕事の終わりを祝う料理。時と共に大切な人たちと味わうハレの料理へと変化しました。
バーニャ・カウダの話、次回に続く。
動画は日本語の字幕付きでご覧ください。
この話は(CIR)2023年10月号のリチェッタ《コンテンポラリーな地方料理》の解説です。日本語のリチェッタと写真はP.2~。
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