2025年3月10日月曜日

ルイジ・ヴェロネッリとジャジャンニ・ブレアは、イタリアのエノガストロノミーを形成した大御所で友人でした。

(CIR11月号)の話は、栗の話から、アルプスで最大の栗の森がある地、北イタリアの話に入っていきましたが、11月号には北イタリアのある地方料理の記事(P.23)もあります。
それはシャットです。
ヴァルテッリ―ナのそば粉のフリッテッレ

シャットsciatt

シャットはヒキガエルという意味。見た目が似てるからと、こうなった。

シャットの記事には様々な著名人が登場していますが、多分ルイジ・ヴェロネッリという名前はイタリア料理に興味がある人なら、一度は聞いたことがあるのでは。イタリアを代表する美食家で、ワイン評論家として格付け本も自らの出版社で出していました。知識人としての信頼も高く、特にワイン製造者からは高く評価されている人でした。イタリアワインのテロワールの貴重さを訴え、広めた人です。

ヴェロネッリ

もう一人出てくるのは彼の友人でスポーツジャーナリストのジャンニ・ブレラ。彼も有名な人でした。

ジャンニ・ブレラ

ブレラとヴェロネッリの共著の先駆者的グルメガイド、『ラ・パッチャ―ダ』

この二人は、イタリアのエノガストロノミアを引っ張っていました。そしい彼らが、スタンダールがブリアンツァの次にヴァルテッリ―ナに行かなかったのは残念だ、と書いたのです。この二人の大御所の発言は絶対でした。ヴァルテッリ―ナに行かなかったスタンダールは残念、という考えは、しっかり定着しました。
ちなみにスタンダールはミラノに住んでいたそうです。

ヴァルテッリ―ナはロンバルディア北部のスイスと接する地方。

ヴァルテッリ―ナ

アルプスの中にあり、この地方の料理はアルプスの料理。珍しく、ハプスブルクの影響は控えめ。北イタリアの山の料理にも色々あるんですね。

ヴァルテッリ―ナの味

ヴァルテッリ―ナのそば

そばはヴァルテッリ―ナを象徴する作物。

シャットの舞台、ヴァルテッリーナは、アルプスの谷間の一つ。その料理は本質的で徹底的に自給自足の質素なもの。美食界の大御所と近代小説界の大作家は、料理に関してはかなり言いたいこと言える関係だったもよう。

スタンダール

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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