サレントのロゼの話、続けます。
イタリアで最初のビン入りロゼ、レオーネ・デ・カストリスのファイブ・ローゼス。前回はビン入りロゼの歴史的な意味を解説しました。第2次世界大戦と南北の分断から生まれたこのワインは、イタリアのロゼワインの代名詞になるほど有名になりました。
でも、冷静に考えてみると、このワインの名前は英語です。5つのバラという意味ですが、イタリア語ならチンクエ・ロ―ゼあたりでしょうか。英語になったのはデ・カストリス家では何代にもわたって5人の息子がいたことから、こう呼ばれていたそうです。ローゼはもちろんロゼにかけてます。
ぶっちゃけると、このワインを見出してアメリカに輸入したアメリカ人将校が、アメリカでの流通を見込んで英語の名前を希望したんだそうです。
最初は14%あったアルコール度は、現在12.5%。ぶどうはネグロ・アマーロとマルヴァジア・ネラ。誕生50周年の1993年のビンテ―ジからは、もっと組織のあるファイブ・ローゼス・アンニヴェルサーリオの生産も始めています。
逸話と物語に満ちたこのワインは、ガンベロ・ロッソの2013のオスカー受賞。
ワインの格付けガイドブック『ガンベロ・ロッソ』
2023年のプーリアのワインの中ではファイブ・ローゼス・アニヴェルサーリオ2021が2位。プーリアの15€以下のトレ・ピッキエーリは9種類も選ばれています。1位になったのは、ススマニエッロです。(CIR5月号“ロザーティ・デル・サレント”)の記事の中にも、出てきたので覚えていました。プーリアのロゼの変化の可能性を表したワインだそうです。記事の中でススマニエッロと組み合わせている料理は、メカジキとナスのポルペッテ、ドライトマトとケッパーのソース(リチェッタはP.48)。複雑な味の各種の食材とも組み合わせることができるワイン。
サレント地方以外でも様々なロゼワインが造られています。プーリアなら、世界遺産のミステリアスなお城でも知られるカステル・デル・モンテ。あのお城の中でワインのテイスティングするなんて最高。
ジョルジョーネのプーリア風なすのポルペッテ
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