2024年10月15日火曜日

ギリシャ語とラテン語で「黒」という意味のぶどう、ネグロアマーロ。これをバルクで売っていたサレント地方では、戦争によって瓶が手に入らなくなり、新しい習慣への転換に成功する。

前回は、ネグロアマーロがギリシャ語とラテン語で「黒」という意味だと説明しました。まあイタリア語の黒“ネロ”がついているぶどうはたくさんありますが、
例えばピノ・ネロ

ネロ・ディ・トロイアはプーリアのぶどう。

プーリアのサレント地方を代表するぶどう、ネグロアマーロ

ワインの色は皮などの絞り粕をモストに浸漬させることによって生まれます。なのでぶどうの品種が重要です。プーリアのぶどうは北伊やフランスのワインの色を濃くするために使われていました。よっぽど黒かったんですね。

プーリアのぶどう農家にとって大切な収入源だった黒いぶどう。ところが瓶入りワインの需要が増えて、北伊の瓶詰業者がプーリアのぶどうのバルク買いをやめると言い出して、農家のぶどう離れが加速します。

サレントワイン復活のリーダーとなったのは、レオーネ・デ・カストリス、コジモ・タウリーのなどの旧貴族の新世代、北伊から参入したカンティーナなどでした。
レオーネ・デ・カストリスはイタリアで最初の瓶入りロゼワイン、ファイブ・ローゼスを発表します。
レオーネ・デ・カストリス

このワイン誕生の話はとても有名。第二次大戦時、連合軍のアメリカ人物資補給将校が、レオーネ・デ・カストリスのロゼワインを気に入り、それを瓶詰めするように依頼したことがきっかけで生まれました。1945年にアメリカに向けて最初に出荷されたのは1943年のビンテージのリゼルヴァ。アルコール度は14%程度ありました。
当時のイタリアは、北部をドイツ軍によって占領されていました。
ドイツ軍は何十にも防衛線を張っていたため、北と南は分断状態にあったのです。
ところがワインの瓶メーカーはすべてドイツ軍の占領地内にありました。
新しい瓶が手に入らない。
そこで取られた解決策は、地中海のひらめきとアメリカの実用主義が合体したものでした。
今では笑い話だそうですが、それはビンのリサイクルです。
集められたビンの中にはビール瓶を初めとする様々な飲み物の瓶がありました。
ワインは12000本以上のビンに詰められて、“ファイブ・ローゼス”のラベルが貼られて出荷されました。
ファイブ・ローゼスのPV

2015年のレオーネ・デ・カストリス

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================



0 件のコメント:

コメントを投稿