今日から(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2022年5月号の解説です。
今月の料理のテーマは、「敬意を持って食べる」。つまり、“環境への負荷の小さい旬のものを廃棄が出ないように使う”ということです。この種のおばあちゃんの知恵袋のようなことは、ヨーロッパの人は大好きなよう。今さら言われなくても感ありますが、サステナブルの次は、これか。ちなみにイタリア語で言うと“mangiare con rispetto”。
そして記事にはそれが分かるような料理が続きます。
前菜の1品目は、“イワシのオーブン焼きのジュニパー、ミルト、しょうが風味”(P.2)
ジュニパーとミルトは地中海を象徴する植物です。
しようがは今さら何も言う必要がない和食の食材。地中海の低木としょうがでマリネしたイワシは、どんな味なんでしょうねえ。
ジュニパー
自家製ジン
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そしてミルトは地中海東部やサルデーニャに普及した常緑樹。その強い香りはサルデーニャの象徴。サルデーニャでは肉料理を中心にあらゆる料理に使われています。小さな実からはリキュールが造られています。実の収穫は冬の12月~1月。リキュールには赤と白があって、赤が一般的。冷凍庫から出したてをストレートで食後酒として飲みます。
ミルトの花
ミルトのリキュール
オーソドックスなアンチョビのマリネ
リチェッタでは、しょうがのすりおろし、細かく砕いたミルトの葉、潰したジュニパーベリー、オリーブオイルで2時間マリネします。そしてパン粉を散らしてオーブンで焼きます。ソースはグレープフルーツの汁、油、塩を乳化させたもの。付け合わせはソースにも使ったグレープフルーツとフィノッキオ。
地中海と和という高度なハイブリッド。
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