2024年7月11日木曜日

レッグホーンて鶏の名前は聞いたことあったけど、まさかこれがリヴォルノの英語化だったとは・・・。

さーて今日のお題、牛の次は鶏です。
(CIR3月号)の記事はP.42。記事のタイトルは、正確には鶏galliと若鶏gallettiです。
鶏はgalli。その縮小辞がgalletti。
さらに言うなら、雄鶏はgalloなのでgallettiは雄の若鶏。
イタリアの公式的には、若鶏は最低90日齢、約4週間の鶏肉。鶏肉は、5千年もの間、食料としてよりシンボルとしての役割を担ってきました。インドの平野で闘鶏用として広まり、バビロニア、エジプト、ギリシャ、ローマでは儀式の主役になり、古代ローマでは貴族の間で人気でしたが、うるさくてけんかっ早いと、飼うのはなかなか大変だった模様。卵を産まない雄は、必然的に闘鶏用になりました。

なので、ガリアを征服したジュリアス・シーザーが、ガリアのある族長にガリア人の消えない誇りの象徴としてシーザ―に贈った若い雄鶏を、ワインでマリネして夕食に食べちゃったという話は、ローマ人の残酷さと田舎っぺ丸出しを強烈に皮肉っている料理のようで、イメージ変わるなあ。

フランス人のプライドをおいしくいただいた料理、Coq au vin。

そもそも9世紀にニコラス1世がキリスト教の大聖堂、修道院、教会の一番高い塔に福音への言及を意味する鶏の形の風向計を取り付けるように命じたんだそうです。これは、つまり風見鶏のことですよね。なんだかすんごいふか~い宗教的意味があったようで、

風見鶏楽しい~。





そもそもローマの路上で飼われていた鶏が、農家の庭で飼われるようになったのは、16世紀に中庭と農場を備えた田舎の建物が普及したから。以降、農家で家禽が飼われるようになります。卵を産む鶏は欠かせない家禽で、マイルドな白肉の若鶏は、貴族や富豪の家庭の料理の新しいシンボルになります。
イタリアの若鶏の中で特に人気だったのが、トスカーナの田舎原産のビアンカ・リヴォルネーゼbiacna Livornaseという品種。卵をよく産むと、世界中で人気になりました。

ビアンカ・リヴォルネーゼ


リヴォルノの港から1878年にはアメリカやイギリスに伝わってホワイト・レッグホーンと呼ばれました。
へ?、レッグホーンてリヴォルノのことだったの?

リヴォルノ

下の動画はホワイト・レッグホーンを紹介する動画。とにかく卵をよく産んで、小さいので小屋にたくさん入り、食べる量が少なくて卵は大きいんだって。猿の惑星じゃなくて『鶏の惑星』ができたら人間に復讐する鶏の物語になりますね。


イタリアの公式も、この鶏の海外人気に気づいて、国産鶏の増産のためにすべての農村の養鶏業者に改善の指示を出したそうです。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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