2023年11月18日土曜日

カチョカバッロを知るとモルタデラが分かる。モルタデラのパスタ・フィラータ製法は暑い南イタリアの必然から生まれた製法。

今日のお題はカチョカバッロです。(CIR9月号)の記事“カチョカバッロ(P.20)”によると、カチョカバッロはトルコのチーズ、カシュカヴァルに似ているんだそうです。

トルコのチーズの製造風景。形が似ているのではなく、製造方法が似ている。それにしてもトルコのチーズはイタリア南部のチーズによく似てます。

カチョカバッロはアペニン山地南部の典型的なチーズで、細菌汚染の危険がある暑い地方でパスタ・フィラータの製法で造られるチーズ。
このチーズのポイントはパスタ・フィラータpasta filataと呼ばれる製法。暑い地方ならではの必然から生まれたチーズなんですね。
凝固したチーズを約180℃の熱湯に入れると、脂肪が溶けて糸を引き、層を作ります。生地が冷めて固まり、カチョカバッロの場合は2個ずつ紐で結んで、棒にかけて吊るすと重力のおかげで伸びる。
filaturaフィラトゥーラ。

カチョカバッロcaciocavallo。

プーリアのカチョカバッロ・ポドリコ。


始めてプーリアに行った時はブッラータを体験したかったけど、今はカチョカバッロです。もちろんブッラータもパスタ・フィラータのチーズがベース。
ガルガ―ノ地方のカチョカバッロ・ポドリコ・ダウノは放牧地の牧草の香りが感じられ、山羊のカードのチーズには辛さがあり、素朴なタイプは子羊や子ヤギ肉、なす、アーティチョーク、カルドンによく合う。

カチョカバッロ・イルピーノ・ディ・グロッタcaciocavallo Irpino di grotta。
石灰岩の洞窟で熟成させるカチョカバッロ。加熱したバターのような風味、後味に塩味や辛味がある。

次はパッローネ・ディ・グラビーナ・セミスタジョナートpallone di gravina semistagionato。
かすかに草の風味と辛味があるプーリアのムルジェ地方のセミハードチーズ。

作るのが難しくて、たった4軒しか作り手がいないチーズ。この動画はその中の1軒、アルタムーラの中心部にあるカゼイフィーチョ・ディチェッカのもの。
このチーズに合うワインはエレガントで適度なタンニンのネロ・ディ・トロイアだそうです。タンニンがこのワインの特徴の一つ。
ネロ・ディ・トロイアNero di Troia



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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