今日の料理はシチリアのイワシ料理2品。
まずはサルデ・ア・ベッカフィーコsarde a beccafico(CIR2020年7月号P.9)。
開いたイワシに炒めたパン粉と柑橘果汁の詰め物をのせて巻き、オーブンで焼くインボルティーニです。
イワシを巻いた姿が貴族の狩りの獲物の小型の野鳥、ベッカフィーコの料理に似ているところからこう呼ばれています。貴族料理を庶民がアレンジしてこうなりました。
詰め物は地元の食材を使うので、場所によってバリエーションがあります。
パレルモ版がよく知られていますが、詰め物がやや違うカターニア版もあります。
セコンドピアットですが、重要な食事では前菜としてもサーブします。
パレルモのトラットリアのリチェッタ↓
洗練されている印象が強いプラネタのリチェッタ
sarde a beccafico/サルデ・ア・ベッカフィーコ材料/4人分
イワシ・・400g
パン粉・・200g
サルタナレーズン・・20g
松の実・・20g
砂糖・・大さじ1
レモン汁、オレンジの汁、ローリエ
イタリアンパセリ・・1房
ビネガー、EVオリーブオイル、塩、こしょう
・イワシは頭と骨を取って開き、ビネガーと水で1時間マリネする。
・パン粉をフライパンで焦がさないように炒め、焼き色がついたら油を回しかけてよく混ぜる。
・レーズンと松の実、砂糖、塩、こしょう、イタリアンパセリのみじん切り、オレンジとレモンの汁をよく混ぜる。
・イワシに少量の詰め物をのせてインボルティーニ型に巻き、油を塗ったオーブン皿にローリエと交互に並べる。油をまわしかけてレモン汁とオレンジの汁少々をかけ、パン粉を散らす。高温のオーブンで約5分焼く。
プラネタのリチェッタでは、インボルティーニの間の緑のローリエ、紫玉ねぎ、レモンとオレンジの薄切りを交互にはさんでいるので、色合いがイワシ料理とは思えないほど華やかです。
カターニア風サルデ・ア・ベッカフィーコ。
パン粉に卵を加えたり、イワシで詰め物をはさんだり、パン粉をまぶして揚げたりと、微妙に違います。
西のシチリア最大の街パレルモと、東のシチリア第2の街カターニアはどちらもシチリアを代表するグルメ都市。
カターニア↓
パレルモ↓
シチリアのイワシの名物料理、次回はサルデ・ア・キアッパ。
おまけにラグーザ・イブラのリストランテ・ドゥオモのチッチョ・スルタノシェフの動画をどうぞ。
材料/
レモン、玉ねぎ、イタリアンパセリ
唐辛子
レーズン
松の実
アンチョビ
ブロンの牡蠣
パレルモ風パン粉
オリーブオイル
豆乳
いきなりパンを作り出しましたよ。しかも、カステルペトラーノの黒パンというシチリア産の2種類の小麦粉の天然酵母の名物パン。これをスライスしてクロスティーニにします。
さらに豆乳とオイルを乳化させてクリームにします。これもパン粉に加えます。
イワシはオリーブオイルを加えて真空調理。
パン粉は絞り袋に入れて、イワシに絞り出すのかとおもったら、牡蠣に詰めてます。
焼いたクロストーニにも詰め物を絞り出し、田舎の朝食のレモンのサラダをちゃちゃっと作り、皿に盛り付けるのかと思ったら、マリネ液を急須に入れてます。
パン粉をまぶした牡蠣をフライパンで焼き、その上にクロストーニをのせてさらに真空調理してオーブンで焼いたイワシをのせます。レモンの皮のジュリエンヌで飾り、レモンのサラダの汁をかけて出来上がりです。
どんな料理になるのか、まったく想像できませんでした。
さすがはシチリアを代表する有名シェフ。
ラグーザ・イブラのリストランテ・ドゥオモ
シェフの店があるラグーザや隣のモディカもシチリアの美食都市。
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ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
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