このところ、お題はずっとエミリア・ロマーニャ地方のトルテッリーニでした。
トルテッリーニと言えば、ボローニャを始めとするエミリア・ロマーニャの料理、というイメージがあります。
下の動画はボローニャのトラットリアを紹介する動画ですが、トルテッリーニの食べ方もわかります。スプーンで食べます。皮が薄いので、口の中で溶けるそうです。
トルテッリーニには、イタリア各地の食文化が詰まっています。
まず生地は、軟質小麦粉。北イタリアの小麦粉です。
そして詰め物は、肉、野菜、チーズ。牛肉と豚肉はエミリアの主役。牛や豚の飼育はロンバルディアから広まり、フレッシュチーズは古代ローマの羊飼いたちによってイタリア中に広まります。詰め物入りパスタはイタリア各地にあります。
ロマーニャ地方のカッペッレッティcappeelletti。
これもスプーンで食べてますね。
詰め物は去勢鶏とフレッシュチーズがベース。ボローニャのものと比べるとかなり大きい。去勢鶏(カッポーネ)やひね鶏のブロードでゆでるのがポイント。
トルテッリーニより軽くてマイルド。
モロッツォ(クーネオ)のカッポーネが有名。
によると、トルテッリーニとカッペッレッティはどちらもエミリア・ロマーニャの手打ちパスタの伝統から生まれたパスタですが、カッペッレッティは長い間、発祥地のレッジョ地方から外に出ることはなかったそうです。カッペッレッティの語源は“caplet”(大きな帽子)で、トルテッリーニより大きく、イン・ブロードにするよりは、パスタシュッタとしてソースをかけて食べたようです。また、動物性脂肪を絶つ“マーグロ”の日にはフレッシュチーズを詰め物にしました。
ボローニャとモデナはよく似た食文化の街ですが、もう一つ、クラテッロ、パルミジャーノ、バルサミコ酢の産地のよく似た街がありました。レッジョ・エミリアです。名物のカッペッレッティはトルテッリーニにそっくり。
レッジョ・エミリアの地元民に愛されてるカッペッレッティ。
レッジョ・エミリア人にとっては家族の思い出と結びつく大切な故郷の味。
この街の歴史上の有名人は11世紀頃に街を納めていたマティルデ・ディ・カノッサ。1077年のカノッサの屈辱という事件の当事者です。名前の衝撃が強すぎて、何が起きたのかまったく知らない出来事ですが、この地方には宝石のような美味しいものがある集落があります。例えば、下の動画の酪農場、ラッテリーア・サン・ジョルジュはミラノの高級惣菜店、ペックに40年前からパルミジャーノを販売しています。平野部にある大手メーカーと比べると1日の製造量が20個以下とかなり限られている特別なパルミジャーノ。
サルミフィーチョ・ジャンフェラーリSalumificio Gianferrariのクラテッロは、最高のクラテッロを選ぶ会議でグラン・クラテッロ賞を受賞しています。
中世には4つの城があったことで知られるクアトロ・カステッラ地区ですが、今は白は1つしか残っていません。その城は古い田舎家風に改装されて、ロカンダ・マティルデというホテルレストランになっています。ミシュランの星もついています。
ロカンダ・マティルデ↓
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