今日のイブの地方料理は、“ひよこ豆のイン・ジミーノ”です。
リチェッタは今月の日本語解説(CIR)P.22。
リグーリアの料理です。
リグーリアは、地方料理書の傑作『テイスト・アンド・トラディション』(売り切れました)によると、アルプスとティレニア海にはさまれた虹の形の州、だそうで・・・。この表現、外国人にリグーリアがどう映っているかがよく分かりますねー。ものすごい憧れの地感。
発祥の地のジェノバは、古くは極東との交易で栄えた街で、後にスペイン王から支援を受けたコロンブスがアメリカ発見の旅に出た地です。
ジェノバ港↓
当時のジェノバは、海洋共和国として、アマルフィ、ピサ、ベニスと並ぶ強国でした。
でも、リグーリアの食事は、羊とうさぎが中心で、海と山に挟まれた僅かな土地を耕した畑でオリーブを栽培する農民料理で、エキゾチックな異国の食文化とは全く無縁。
ただ、大きな港があったので、豆や穀物の集積地でした。
そういえば、リグーリアにはひよこ豆の粉の名物料理、ファリナータがありましたね。
「チェーチは安い豆で、乾燥していると石みたいに硬いけど、前の日に戻してから煮ると、王様の食べ物になるんだよ!」
ひよこ豆のイン・ジミーノceci in zimino↓
ファリナータ↓
貴重な州別の地方料理書、“グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”の『リグーリア』には、港で穀物を倉庫まで運ぶ労働者は、途中でこぼれ落ちた豆を自分のものにしてよいとされていて、こうして集めた豆で作るミックス豆のスープが港の名物料理になっていった、とあります。
豆は貧しさの象徴のような食材だったんですね。そういうものを工夫して美味しい料理にするのがイタリアの地方料理。
豆料理はトスカーナの得意分野。トスカーナ人の豆好きは有名で、“マンジャ・ファジョーリ”とからかわれるほど。
トスカーナ風ひよこ豆のズッパ↓
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