おまたせしました。(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の日本語解説、2020年1月号を発売しました。
定期購読分も発送しました。
今月から2020年版に突入です。翻訳も1ヶ月ごとに戻りました。
初回は1月号。
新年のイタリア料理にはどんなものがあるのかがよく分かる号です。
1月は、クリスマスの名残をあちこちに残しながら、次第にお祭り気分から冬を迎える季節です。
さて、話はちょっと戻って、前号、11・12月号について。最後の記事のお題は、『バローロ』でした。
バローロのキャッチフレーズは、王のワインにしてワインの王。
重要なセコンド・ピアットに合うイタリアワインの代表格です。
バローロの収穫期↓
バローロが代表的イタリアワインに選ばれる時、必ず言及されるのがバルバレスコ。
どちらもぶどうはネッビオーロ。
というわけで、記事ではバローロをネッビオーロのワインと言い換えています。
バローロとバルバレスコ↓
訳した記事のテーマは、バベットの晩餐会のためにイタリアワインを選ぶとしたら、でした。
バベットの晩餐会は、1987年公開でアカデミー外国語映画賞も受賞した傑作のデンマーク映画です。主人公はフランスから亡命してきて牧師の家庭で家政婦として働くようになった女性。料理人が主役の映画の最高峰です。この映画の中で効果的に使われているのがワイン。
一流のシェフが恩返しのためにお金に糸目をつけずに作るその料理とワインは、田舎の閉じた暮らしでカチコチに固まった村人の心をとろけさせます。
食材選びも、料理やワインをサーブするタイミングも、一切手を抜かないバベットの晩餐会は、最後には食事に来たみんなを開放してしまいます。映画を見ているだけなのに、パリの一流料理店で食事するとはこういうことかと感じる、人生が豊かになる映画でした。
ワインはフランスの一流どころがたくさん出て来るのですが、正直言ってシャンパン以外は知らなかったです。
『バベットの晩餐会』↓
この名作にイタリアワインを登場させるなら、という野心的なお題で、イタリアを代表するワインとして名前が上がったのは、キアンティ、サグランティーノ、モンテプルチャーノ、アマローネなど。
そして選ばれたのがバローロ。
バローロのぶどう畑↓
バローロはターナロ河右岸のクーネオとアスティの県堺にあります。
バローロはビンテージや生産地区によって特徴が変わるワインですが、ネッビオーロの畑はあらゆるところにあります。つまりバローロも無数にあるというわけです。
ネッビオーロのワインはコクと強いタンニンが特徴で、脂肪分が多い料理や繊維が詰まった、味が持続する料理によく合います。
ジビエの場合は、バローロを使った料理だと、肉の組織にもワインが溶け込むので、一層効果的。(リチェッタはP.54〜)
リチェッタは次回に。
一流シェフのグループ・“レ・ソステ”の本、
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ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
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